スパダリホストと溺愛子育て始めます 愛されリーマンの明るい家族計画

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番外編

お泊まり保育の夜〈後〉

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 そうして腰や背中を撫でられるだけで、壱成の身体からはとろとろと力が抜けてゆく。しかも同時に、巧みなキスで感じさせられてしまっているので、なおさらだ。

 リビングのラグマットの上でもつれあうようにキスを重ねているうち、彩人の手が思わせぶりな動きで、壱成のハーフパンツの中に滑り込んできた。

 尻たぶを撫で下ろされ、その奥にまで指先が伸びてくる。求めていた場所に触れてもらえる悦びに、肌が震えた。

「ん、あっ……」
「熱い……。しかも、トロトロじゃん」
「彩人……っ、ぁっ……あ」
「すげぇかわいい。早く俺とやりたくて、自分でココ、いじってきたんだ?」
「ん、っ……」

 ジェルを仕込んでおいた壱成の後孔に、彩人の指がゆっくりと抽送される。指でさえも物欲しげに締め付けて、内壁をひくつかせる壱成を見下ろす彩人の瞳が、雄々しくぎらつく。
 彩人の剥き出しの欲望は、自分だけに向けらるものだと思うと嬉しくて、愛おしさがさらに募った。

「……あやと、ナマで、したい」
「え……っ、マジ?」
「欲しいんだ、早く。彩人……」
「壱成……」

 彩人は壱成からハーフパンツを抜いてしまうと、ぐいと引き寄せ自分の上に引っ張り上げた。シャツまでするりと脱がされてしまい、壱成だけが肌を晒す格好にさせられてしまう。

 それが妙に気恥ずかしく、文句の一つでも行ってやりたいところだ。だが、すぐさま彩人の舌先で胸の尖りを舐めくすぐられ、文句は喘ぎへと変えられてしまう。

「ぁ! ァっ……ぁ、んっ……」
「床じゃ痛ぇだろ。俺の上、乗ってて、壱成」
「あやとっ……ンっ……ぁ、あ、あっ」
「かわいい、壱成。もうさ……どんだけ俺のこと煽れば気が済むわけ?」
「ん、っ、んっ……!」

 乳首を舌で愛撫されながら、勃ち上がったペニスまで手のひらに包み込まれ、扱かれる。EDに悩んでいた頃が嘘のように、壱成のそれは、彩人に触れられるとあっさり芯を持つのだ。
 とろとろとよだれを溢れさせながら彩人の手の中で硬さを増し、快感に打ち震えている。

「あ、ぁ、やめろ……って……! やめっ……ァっ……すぐ、いっちゃうからっ……」
「大丈夫、イかせねーよ。イくなら、こっちだもんな」
「んっ……!」

 ぐり……と壱成の尻の下に熱いものがあてがわれる。待ち侘びた彩人の雄芯に、壱成の全身がぞくりと震えた。早く欲しくて、愛おしくて、たまらない気分だ。

 いつも彩人に気持ちよくしてもらってばかりだな……と思うと、今日は思い切り彩人のことを愛し尽くしたい気分になった。壱成は、ぐいと彩人をラグマットに押し倒す。

「ちょ、壱成……」
「今日は……俺、上がいい」
「まじで? 騎乗位? エロ」
「うまくできるか、わかんねーけど……っ」

 彩人のペニスに手を添え、ついさっき自分で仕込みを済ませた後孔にそれを導く。
 硬く滾った彩人の昂りが、窄まりに触れた。壱成は膝で体重を支えながら小刻みに腰を揺らして、怒張を飲み込んでゆく。
 
 なにせ初めての騎乗位だ。普段とは違う圧迫感がやや苦しく、壱成は目を閉じて、浅い呼吸を繰り返した。

「んっ……く……」
「壱成……っ、きつ……。お前、大丈夫かよ」
「だ、だいじょうぶ。……おまえは、寝てりゃいいから……っ」

 少しずつ彩人の屹立を迎え入れ、その圧迫感にも徐々に慣れてきたところで、壱成はゆっくり目を開く。すると、白い頬をほんのりと紅潮させ、じっと壱成を見つめている彩人と視線が絡んだ。

 目線が逆転していることもあり、行為の最中の彩人を上から見つめるのは新鮮だった。壱成はゆっくりと息をしながら彩人の胸板に手をついて、ゆっくりと腰を揺らしてみる。すると彩人は「んっ……」とため息を漏らしてうっとりと微笑み、壱成の太ももをぐっと握った。

「はぁっ……ぜんぶ挿入った、っ……」
「ん……すげ……。いい眺めすぎ」

 よしこのまま彩人を喘がせてやる……! と意気込んでいた壱成だが、彩人がたまりかねたように腰を上下させるものだから、へなっと力が抜けてしまう。
 硬く反り返ったものでイイところをぐりぐりと刺激され、壱成の口からは「ぁ、……ぁっ……!」と、甘えた声が溢れた。

「ぁ、ん、ばかっ……おまえは、ねてりゃいーって……言ってんだろっ……!!」
「動かずにはいられねーだろ。さっきからエロいことばっか仕掛けてきやがって、もう我慢できねーよ」
「っ、ぁ、あんっ……あやと、ァっ……!」
「ほら……好きだろ? こうやってナカ突かれんの。腰すげー動いてんじゃん」
「ん、んっ、ァっ……だからっ、おれがする、からっ……」

 太ももを掴む彩人の指に力がこもり、動くことを許されない。たっぷりと濡れた後孔に、ずん、ずん、と抽送される彩人の屹立で、内壁をぐずぐずにとろけさせられてしまう。

「ぁ、あっ……あやと! んっ……ばかっ……ァっ……」
「ほんっといい眺め……壱成の感じてる顔、すっげーかわいい」
「ばかっ! 見んなって……! ぁ、あっ……ンんっ……」
「ははっ、怒んなって。……あぁ……すげぇイイ。気持ちいいよ、壱成」
「んっ、ん、っ……!」

 もはや力が入らず、へなっと彩人の上に覆いかぶさってしまう。すると彩人の手がやや荒っぽく壱成の腰骨を掴んだ。

 彩人の上に腰をがっちりホールドされた状態で、さらに猛々しく突き上げられ、壱成は腕を突っ張っていることさえできなくなってしまった。

「ぁ! ァっ……あやとっ……スゴイ、ん、っ……ぁンっ……!」
「はぁ……っ、やば、すげぇ締まる」
「ん、ぁっ……ン、いきそ、……ァっ、あ」

 彩人にしがみつきながら、下から容赦無く快楽を注がれる。しかも、すっかり勃ち上がった壱成のペニスが、彩人の腹に擦れるのだ。

 中からも外からもありったけに感じさせられ、あられもなく喘ぐ壱成の声は、もはや泣き声に近かった。

 気持ち良くて気持ち良くてたまらない。徐々に激しさを帯びてゆく彩人の情熱的なセックスに、壱成は前後もなく乱れ、震える指で掴んだ彩人の肩に爪を立てた。

「ぁ、あん、あっ……イくっ……あやと、も、むりっ……!」
「イっていいよ、壱成。ほら……ナカ、すげぇびくびくしてる。気持ちいい?」
「イイ、きもちいいっ……! っ……あん、んっ……っ……!」
「っ……やべ、もってかれそ……」

 彩人の腰の動きにつられるように、壱成も自ら腰をしならせ、快楽を貪った。そうして揺さぶられながら、彩人と深くキスを交わす。

「はぁ……壱成。……俺も、いきそ……」
「いいよ、イってよ……っ」
「けど、中出し、したら」
「いいって、言ってんだろ……。ナカで、だしてよ……っ」
「っ……」

 壱成のその台詞のせいか、腹の中を埋める彩人のそれが、ひときわ嵩を増したような気がした。壱成の最奥を暴くように突き立てられる彩人のペニスに、壱成は声を上げる隙を与えられないほどに狂わされ、気づけば絶頂へと追い詰められてしまっていた。

「……っ……!! ン、んん…………っ!!」
「壱成っ……イく、出るっ……」

 びく、びくんっ……!! と全身が震え、目の前が真っ白な光に覆われる。壱成の背中を強く掻き抱く彩人の腕もまた、微かに震えていた。

「はぁっ……は……あっ……」

 くったりと脱力した壱成の体重を受け止める彩人も、深く満ち足りたため息を零している。背中を抱いていた腕が少し緩んで、今度はゆったりとした動きで髪を梳かれた。その心地よさに、壱成の唇には笑みが浮かぶ。

「……壱成……ごめん、マジで中出ししちゃった」
「ん……いーって。俺がしてって言ったんだし」
「すぐ、きれいにしねーとだな。……てか、どーしたんだよお前。今日、やたら積極的じゃん?」
「いや、だって……」
「ん?」
「だって最近、ぜんぜん、挿れてくれねー……から……」
「へ?」

 壱成の訴えに、彩人が意外そうな声を出す。そして、少しバツが悪そうな声音で、彩人はこう言った。

「いや、俺もしたかったけどさ……ここんとこ壱成忙しそうだったし」
「あー……まあ確かに、忙しかったけど」
「それに、なんかこう……間が開くとさ、ほどほどっていうのが、よくわかんなくなるんだよな」
「ほどほど?」
「……俺、ヤりだしたら結局めちゃくちゃがっついちゃうだろ。空もいんのにさ……あんま激しいのって、なんかダメじゃん? だから、手を出すタイミングがよく分かんなくなって」
「彩人……そんな、遠慮しなくてもいーのに」

 そう思う反面、彩人がセックスを躊躇う気持ちも分からなくはない。

 ——確かに彩人、見た目の割に精力ハンパないからな……。俺も理性飛ばされちゃったら声抑えらんねーし……そんなとこ空くんに見られたら軽く死ねるし……。

「ま、まぁ……俺も極力声は我慢するように努力するから……その、普通に手、出してよ」
「ふへっ、そっか……うん、分かった。けど俺、壱成のエロい声聞くとすげー燃えんだよな。それを我慢されるのは…………ん? いや待てよ、必死で声堪えてる壱成もいんじゃね? それはそれでかなりエロい……」
「そういう妄想は無言でやれよ」

 すっかり恥ずかしくなってしまった壱成は、なんとか腕に力を入れて、繋がったままだった身体をゆっくりと離してゆく。すると、楔を失った身体から力が抜け、彩人の上に再び覆い被さってしまった。

「あ、ごめん、重いよな」
「ううん、全然。軽いもんだけど?」
「……それはそれで腹立つんですけど?」
「へへっ。……はぁ、壱成」

 ぎゅっと抱き寄せられたかと思うと、彩人の吐息が肩口をくすぐる。壱成の肌の匂いを深く吸い込みながら、彩人はゆったりとした声でこう言った。

「でも、壱成もやりてーって思っててくれたんだな。それ、すげー嬉しかった」
「う、うん……そりゃそーだろ」
「へへっ、そっか。へへっ」

 彩人の嬉しそうな笑い声に、壱成もつられて笑った。彩人は壱成を抱き抱えたままひょいと身体を起こし、きれいに整った瞳をきらめかせている。

「好きだよ、壱成」
「……っ、い、いきなりだな」
「こうやってお前とくっついてんの、すげー幸せ。……はぁ、ほんと、好き」
「あ、彩人……」

 彩人はこうして、今も変わらずストレートに想いを伝えてくれる。彩人の変わらぬ愛情表現に、壱成はいつも安堵と居場所をもらってきた。壱成も彩人を抱き返し、「俺も好き。すげー幸せ」と囁いた。

 壱成の言葉に、きれいな瞳をことさら美しくきらめかせて笑う彩人のことが、心の底から愛おしくなる。

「壱成……今日は俺、お前のこと寝かせてやれないかも」
「……いいよ、俺もそのつもりだし」
「ふへっ! まじかよー! やる気満々じゃん!」
「うう……何とでも言え」

 彩人がはしゃぐ声に照れながら、壱成はぶっきらぼうにそっぽを向いた。
 久しぶりの二人きりの夜なのだ。今夜はいくらでも、彩人と肌を重ねていられる。

 耳にキスをされ、「こっち向いて」と耳元で誘われる。壱成が彩人のほうへ視線を戻すと、また唇が重なった。

「これから空がでかくなったら、家でまったりエッチできなくなるかもだし、たまには外でエッチすんのもいーかもなぁ~」
「…………外? えっ? 外って? いやいやいや屋外はさすがにやばいだろ! ……い、いやでも、お前がそんなにしたいってんなら、俺もまぁ、考えなくはない、けど……」
「いやいや、外ってその外じゃねーよ。どっかホテルでやんのもいーかなってことだよ」
「えっ………………あ、ああ、そういう意味………………」

 あまりにも破廉恥すぎる勘違いだ。
 羞恥のあまり血の気は引くし顔は熱いしで壱成は涙目だが、彩人はとても良い笑顔である。壱成をひょいと抱き上げ、バスルームへと歩を進めながら、はしゃいだ笑い声を立てた。

「もーーーっ! 壱成、なに想像しちゃってんだよっ! ほんっとお前、爽やかな顔してすげースケベじゃん♡ 最高かよ♡」
「う、うるせーーーんだよ!! てか当たり前のように抱っこすんな!」
「まぁまぁ、そうキレんなって♡ てか、青姦か~……悪くねーな……」
「妄想すんな!!」

 そしてバスルームからは、ふたりの話し声と笑い声、そして水の弾ける音が響き始め……。


 ふたりきりの夜が、賑やかに更けてゆく。



 おしまい♡

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