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第89話 『ヨミノクニ』ダンジョン③
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俺は一人で降りてきた階段を上り、分岐点から再び降りて行く。
漸く先ほど見た光景と同じような、喋る敵と遭遇する。
「我が名は『イザナギ』お前も大切な者を失い迎えに来たのか?」
(ん? さっきの奴と台詞違うし……)
大切な者を迎えにってどういう事だ?
「なんだ、お前はここがどういう場所か解らずにやって来たのか……」
「ただのダンジョンでは無いのか?」
「ここは死せる者が三途の川を渡り、閻魔により次の行き先を決められる場所である。死して四十九日を過ぎていなければ、その魂と会う事も出来る筈である」
「なんだと? 連れ出す事も出来るのか?」
「依り代があれば、無理ではないが、その者が現世で感じていた未練を叶えさせてやれることが必要だ」
「そうか…… で? 取り敢えずはお前を倒せばいいのか?」
「我を含め六つの道があったにもかかわらず、この道に辿り着いたお前は運が無かったようだな」
「何でだ?」
「我が最強の存在であるからだ」
「そっか。でもきっとどうにかなると思うぞ? もう他の五人は倒してあるからな」
「なんと…… 何故先に進まなかった?」
「俺じゃ無くて仲間が倒したからだな。俺は『カグツチ』って言うのだけ相手したけど。連れを先に行かしたら水晶が消えたからこっちに来たんだ」
「一つ確認をする。お前に愛する者はいるのか」
「ああ」
「会えなくなることに、未練は無いのか?」
「俺は、必ず生きて帰るからな」
「ふむ、恐怖も絶望も無いようだな。見せてみよ。お前がこの先で何を成し遂げるのかを」
それだけを言うとイザナギとなる男は消え、水晶玉だけが現れた。
今のおっさん…… まさか…… ビビッて逃げた?
まぁ先に進めるなら、それでいいや。
俺が水晶玉を触ると、今までと違い広い場所へと転移した。
そこにはメーガン達が居てお茶を飲んでた。
「遅かったなカイン」
「話し好きなおっさんが相手だったからな」
「俺の相手はスサノオと名乗ったが他の皆は、どうだったんだ?」
「僕の相手はツクヨミって言ってたね」
「私は、アマテラスと名乗る方でした」
「フィルの相手はイザナミさんって言う人だったよ」
「俺は、カグツチとイザナギだな」
「ふむ、一応このアケボノの国では神話とされている物語の主人公たちの名前だな。この先には神話以上の敵が現れるって事か?」
「ジュウベエそれなんだがな、イザナギが気になる事を言っていた」
「何だ?」
「死んだ人はみんなこの先にある三途の川を渡るらしい。死んで四十九日の間は、未練がある魂は川を渡らずに残っている場合があるらしいぞ」
「それは…… 爺に会えるって事か?」
「未練があれば可能性もあるかもな」
「爺ちゃんの未練かぁ。あんまり無さそうだけど、オメガの魔導具とかには有ったかもしれないから、会えるかも?」
「レオネア。私はその未練と言うのは人に対してだけだと思いますわ」
「なんか未練を、叶えさせれば依り代があれば連れ出せるみたいなことを言ってたけどな」
「依り代って、人の身体か? 加齢臭がしそうだから俺は嫌だな」
「僕も嫌だよ?」
「メーガンは?」
「えっ…… 私ですか? 臭いはちょっと無理ですね」
「みんなひでぇな」
「じゃぁカインでいいじゃん」
「だが断る」
「爺ちゃん可哀そう。カイン。もし依り代に成ったら、爺ちゃんみたいな凄い魔法とか使えるのかな?」
「チュール…… まさか受け入れるつもりか?」
「私もみんなみたいに戦える様になりたいし」
「チュールの優れた嗅覚が、爺ちゃんの加齢臭に耐えきれるなら、それもありかもな?」
そんな事を話しながら、先に進む事にした。
その先にはとてつもなく大きな門が存在する。
門には別段鍵も仕掛けも無いようで、『ギギイッ』と音を立てながら、解放された。
「ウワッ……」
レオネアが声を上げた。
そこは、真っ赤な血の大河が流れており、無数の死者が河原でたむろする光景だった。
何故か殆どの死者たちは河原の石を積み上げている。
これは…… どうしたもんだろう。
宗教が違う気がするが、フィルに相談してみる。
「なぁ、みんな幸せそうじゃ無いよな? 浄化してやれないのかな?」
「う、うん。やってみるね」
俺はフィルに特製お握りを食べさせると、フィルが広範囲に【浄化】を放った。
すると……
不思議な事に、血の大河と河原も消え去り、そこに居た何十万とも思える死者が光りに包まれながら、天に昇って行った。
「えっ? 効果高すぎない?」
「おかしいな。いくら何でもここまでの効果は無い筈だ」
「何者だぁああ…… この地の理を捻じ曲げる物はぁああ」
腹の底から響くような声が聞こえて現れたのは真っ赤な顔をした大男だった。
「誰?」
「なっ…… 失礼な奴らだな。我が名は『閻魔』このヨミノクニを支配する者だ」
「えーと? このダンジョンのラスボスさんでOK? 倒せばいいんだよね」
「待て! せっかちな奴らじゃの。生きたままこの場所へ辿り着いた初めての物たちなのだから、少しはシチュエーションを大事にせぬか」
そう言いながら俺達を見渡すと、口を開く。
「ほほー。居るぞ。お前たちの共通の知り合いで、生を失ったばかりの物が」
閻魔がそう言うと、俺達の目の前にはシュタット爺ちゃんの姿が現れた。
漸く先ほど見た光景と同じような、喋る敵と遭遇する。
「我が名は『イザナギ』お前も大切な者を失い迎えに来たのか?」
(ん? さっきの奴と台詞違うし……)
大切な者を迎えにってどういう事だ?
「なんだ、お前はここがどういう場所か解らずにやって来たのか……」
「ただのダンジョンでは無いのか?」
「ここは死せる者が三途の川を渡り、閻魔により次の行き先を決められる場所である。死して四十九日を過ぎていなければ、その魂と会う事も出来る筈である」
「なんだと? 連れ出す事も出来るのか?」
「依り代があれば、無理ではないが、その者が現世で感じていた未練を叶えさせてやれることが必要だ」
「そうか…… で? 取り敢えずはお前を倒せばいいのか?」
「我を含め六つの道があったにもかかわらず、この道に辿り着いたお前は運が無かったようだな」
「何でだ?」
「我が最強の存在であるからだ」
「そっか。でもきっとどうにかなると思うぞ? もう他の五人は倒してあるからな」
「なんと…… 何故先に進まなかった?」
「俺じゃ無くて仲間が倒したからだな。俺は『カグツチ』って言うのだけ相手したけど。連れを先に行かしたら水晶が消えたからこっちに来たんだ」
「一つ確認をする。お前に愛する者はいるのか」
「ああ」
「会えなくなることに、未練は無いのか?」
「俺は、必ず生きて帰るからな」
「ふむ、恐怖も絶望も無いようだな。見せてみよ。お前がこの先で何を成し遂げるのかを」
それだけを言うとイザナギとなる男は消え、水晶玉だけが現れた。
今のおっさん…… まさか…… ビビッて逃げた?
まぁ先に進めるなら、それでいいや。
俺が水晶玉を触ると、今までと違い広い場所へと転移した。
そこにはメーガン達が居てお茶を飲んでた。
「遅かったなカイン」
「話し好きなおっさんが相手だったからな」
「俺の相手はスサノオと名乗ったが他の皆は、どうだったんだ?」
「僕の相手はツクヨミって言ってたね」
「私は、アマテラスと名乗る方でした」
「フィルの相手はイザナミさんって言う人だったよ」
「俺は、カグツチとイザナギだな」
「ふむ、一応このアケボノの国では神話とされている物語の主人公たちの名前だな。この先には神話以上の敵が現れるって事か?」
「ジュウベエそれなんだがな、イザナギが気になる事を言っていた」
「何だ?」
「死んだ人はみんなこの先にある三途の川を渡るらしい。死んで四十九日の間は、未練がある魂は川を渡らずに残っている場合があるらしいぞ」
「それは…… 爺に会えるって事か?」
「未練があれば可能性もあるかもな」
「爺ちゃんの未練かぁ。あんまり無さそうだけど、オメガの魔導具とかには有ったかもしれないから、会えるかも?」
「レオネア。私はその未練と言うのは人に対してだけだと思いますわ」
「なんか未練を、叶えさせれば依り代があれば連れ出せるみたいなことを言ってたけどな」
「依り代って、人の身体か? 加齢臭がしそうだから俺は嫌だな」
「僕も嫌だよ?」
「メーガンは?」
「えっ…… 私ですか? 臭いはちょっと無理ですね」
「みんなひでぇな」
「じゃぁカインでいいじゃん」
「だが断る」
「爺ちゃん可哀そう。カイン。もし依り代に成ったら、爺ちゃんみたいな凄い魔法とか使えるのかな?」
「チュール…… まさか受け入れるつもりか?」
「私もみんなみたいに戦える様になりたいし」
「チュールの優れた嗅覚が、爺ちゃんの加齢臭に耐えきれるなら、それもありかもな?」
そんな事を話しながら、先に進む事にした。
その先にはとてつもなく大きな門が存在する。
門には別段鍵も仕掛けも無いようで、『ギギイッ』と音を立てながら、解放された。
「ウワッ……」
レオネアが声を上げた。
そこは、真っ赤な血の大河が流れており、無数の死者が河原でたむろする光景だった。
何故か殆どの死者たちは河原の石を積み上げている。
これは…… どうしたもんだろう。
宗教が違う気がするが、フィルに相談してみる。
「なぁ、みんな幸せそうじゃ無いよな? 浄化してやれないのかな?」
「う、うん。やってみるね」
俺はフィルに特製お握りを食べさせると、フィルが広範囲に【浄化】を放った。
すると……
不思議な事に、血の大河と河原も消え去り、そこに居た何十万とも思える死者が光りに包まれながら、天に昇って行った。
「えっ? 効果高すぎない?」
「おかしいな。いくら何でもここまでの効果は無い筈だ」
「何者だぁああ…… この地の理を捻じ曲げる物はぁああ」
腹の底から響くような声が聞こえて現れたのは真っ赤な顔をした大男だった。
「誰?」
「なっ…… 失礼な奴らだな。我が名は『閻魔』このヨミノクニを支配する者だ」
「えーと? このダンジョンのラスボスさんでOK? 倒せばいいんだよね」
「待て! せっかちな奴らじゃの。生きたままこの場所へ辿り着いた初めての物たちなのだから、少しはシチュエーションを大事にせぬか」
そう言いながら俺達を見渡すと、口を開く。
「ほほー。居るぞ。お前たちの共通の知り合いで、生を失ったばかりの物が」
閻魔がそう言うと、俺達の目の前にはシュタット爺ちゃんの姿が現れた。
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