婚約破棄から始まるバラ色の異世界生活を謳歌します。

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第69話 【閑話】マリアンヌの悪だくみ③

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「なんなの? あいつら。何で魔導砲が直撃しても平気なのよ?」
「マリアンヌ様。あの艦は初期型の艦体であるブリュンヒルドと違って、結界発生装置搭載型です。この艦も最新型なので、結界は展開できますが、その強度は乗員の魔力の総量に委ねられます」

「そんな難しい事言っても意味解らないし、さっさと逃げるのよ」
「はい、逃走するだけであれば、この艦はゼクス王子の『ゼクシード』アスカ様の『スパロー』そしてフリオニール様の『エレガントフリル』と並び最も高速の飛行が出来る艦体ですので、ご安心ください」

「へー、フリオニールの飛空船もそんなに良いんだ。どこかで連絡を付ける事が出来れば、仲間に引き込んでしまえるわね」
「マリアンヌ様はフリオニール様と関係がおありなのですか?」

「ええ、フリオニールが王太子だった時に、抱かせてあげたら、もう私に夢中で一時期は、私も王太子の婚約者だったからね」
「え? それでは噂に聞くアスカ様が婚約破棄された時に横におられた、令嬢がマリアンヌ様なのですか」

「そうよ、あの女は私の同級生だったから、フリオニールの好きそうな事とかの情報を仕入れるのに利用してやったわ」
「おい、マリアンヌ。お前が俺に近づいたのも、俺を利用する事が目的なのか?」

「あら? ダニエル様。勿論そうですわ。私はダニエル様に帝国皇帝になって頂いて、思いっきり贅沢させて貰うのが目的ですから。別に皇妃に成りたいとか言わないんだから、構わないでしょ? その代り、私のお腹に居るこの子に、ダニエル様の後を継がせたいとは思っていますけどね」
「ほう、俺が帝国皇帝か? 面白いな。だが現皇帝もまだ若いし、皇子も5人いる状況で、どうやって俺が皇帝になるのだ?」

「そんなの簡単じゃ無いですか? 勿論邪魔な存在は全部殺しちゃえばいいんですよ」
「狂ってるのかお前は…… 500万の軍を抱える帝国で俺の直属の配下など2万に過ぎない。どうやって疑いを掛けられずに実行するのだ? それに民衆や軍に支持されなければ、俺が皇帝になれる可能性など殆ど無い筈だ」

「あら? 折角飛空船があるんだからこれで、お城ごと破壊しちゃえばいいじゃ無いですか?」
「そんな事をすれば、私がただのテロリスト扱いだ」

「うまい事、ギルノアの飛空船部隊に帝国の皇都上空で戦闘態勢に入って貰えば、それを迎え撃つ、英雄ダニエル将軍が誕生するわよ」

「マリアンヌ、皇都で戦闘など、200万の住民を戦火に巻き込むのか?」
「住民なんて減ればまた産んで増やさせればいいじゃん。みんな子作り行為は大好きなんだから」

「マリアンヌ様は、大事な事をお忘れですよ」
「何よアダムス。あんたまさか私と一発やったくらいで、私があんたの言う事を聞くとでも思ってるんじゃ無いでしょうね?」

「そんな事はないです。ですが私は飛空船の操船に関しては、誰にも負けない自信はありますが、射手の魔力量が豊富で尚且つ、魔力制御がきちんと出来る人で無いと、この先現れるギルノアの飛空船団ととても戦う事は出来ません」
「なによ、あんたは私が無能だから、無理だと言ってるの?」

「そうです、はっきり言ってあなたじゃ射手として役に立ちません。ダニエル将軍は魔力量はどうですか?」
「火属性の適性でそこそこ使える」

「ダニエル将軍が、魔導砲を担当してください」
「おい、アダムス。俺も確かにマリアンヌはウザイと思っているが、もうこれだけの事をやってしまった以上は、マリアンヌの言う通りに、俺達が帝国とギルノアを、やってしまわねば処刑されるだけだぞ?」

「そうですね。私もただ殺されるだけって言うのは嫌です。この際ですから、私が最高のパイロットである事を示して、王国の飛空船団を撃墜して見せますよ。ダニエル将軍も、魔導砲の操作に慣れて置いて下さい」

「なによ、あんたたち、私を無視して。覚えてなさいよ」
「後部の魔導砲はマリアンヌ様にお任せしますから、好きなだけ撃って下さい」

「そ、そう。それならいいわ」

 皇都が視界に入って来ると、そこには既に一隻の綺麗にデコレートされた飛空船が上空にいた。

「アダムス、あれは強い飛行船か?」
「あの、乙女チックな艦体はフリオニール様のエレガントフリル号です。艦の性能は優れていても、操船技術で何とかなります」

「そうか、それなら撃ち落とすか」

「ダニエル様? 出来るだけ攻撃する時に無駄に外して、皇都の結界が消失するようにしてくださいね? それとアダムス。フリオニール号に念話は繋げられるの? ちょっとツキが向いて来たよ。話が出来れば何とかして見せるわ」

「マリアンヌ…… 本当にお前は悪だくみしか考えて無いな」
「王都所属の飛空船同士は念話通話は可能ですから、お繋ぎします」


『フリオニール聞こえる?』
『あ、その声は、マリアンヌか?』

『そうですわ。フリオニール様にお会いできずに寂しい思いをしておりましたわ。今すぐにでもお会いして、再び熱い時間を過ごしたく思いますわ』

「ちょっと、フリルちゃん? まさか、あの女の言葉を信じたりしないでしょうね?」
「キャサリンお姉様。私とマリアンヌは深い絆で結ばれているんです。ようやくマリアンヌもそれを解ってくれたのかと」

「フリルちゃん…… 確かに愛はこの世界で一番大事な事よ。でもあの女の声からは、邪悪な気配しか感じないわよ。真実の愛なら私が教えてあげるから、あの女を撃ち落としておしまいなさい」
「カトリーヌ姉様…… マリアンヌはそれでも俺を愛してくれたんです」

「フリルちゃん? シャキッとせんかい!!! あの女がどうしようもない悪女だって事くらい、とっくにわかってるんでしょ? あの飛空船に乗ってるって事は、ミカ様のジャンガード領を襲ったのも、あの連中よ。ここでしっかりとジャンガードのいえ、王国の民を傷つけた事の報いを受けさせるのよ」

「フリル、いや、フリオニール様。俺とゲイルも恐らくセーバーもだが、今ここでマリアンヌを殺す決断を出来ないなら、お前の元を離れる」
「ブルック……   解った。せめて俺がこの手で自ら葬り去ってやる」

「総員戦闘配置だ。敵は、ライトニングアロー号、撃墜せよ」

 命令を下した、フリオニールがマリアンヌに対して返答を送る。

『マリアンヌ、王国の民を傷つけミカや陛下までその毒牙に掛けた事は。既に明白である。ギルノア王国第1王子フリオニール・ギルノアが、王国の威信をかけて、お前と、その命令を下したゾイド帝国に対して鉄槌を下す』

「フリルちゃん。ちょっとだけカッコよかったよ」
 そう言ってキャサリンさんが、ほっぺたにチュッとしてくれた。

 帝都上空での、飛空船による戦闘が開始された。
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