51 / 117
第12章
第2話
しおりを挟む
「何がだよ」
竹内は飯塚さんの破壊した噴水の画像を切り出すと、それを画像ごと検索にかける。
「ほら、公園が特定できたぞ。それでどうするんだ?」
「……行ってみよう」
竹内からの返事はない。
頭上でカラスが鳴いた。
隊長は俺たちに背を向ける。
「バカ。さっき隊長からなんて言われた。俺たちに与えられた任務は、今は『片付け』だ」
俺は竹内の目をのぞき込む。
彼は表情を殺したまま、うつむいた。
「そしてその指示を受けたのは俺だ。お前は俺の指示に従わなくちゃいけない。戻るぞ。支部をきれいに片付けてから、次の指示を待つんだ」
竹内まで背を向ける。
俺は、このままでは終われない。
「隊長!」
振り向いたその鋭い眼光を、精一杯見上げた。
「行かせてください。俺は、俺はどうしても飯塚さんを助けたいんです!」
「俺がお前をここに追いかけて来た理由が分かるか?」
「飯塚さんがいると思ったからじゃないですか?」
自分でも、無駄に食ってかかっているということは、分かっている。
「あぁ、そうだ。お前が03の仲間で、そこに連れて行ってくれると思ったからだ」
隊長の端末が振動している。
それを取り出すと、画面を操作し始めた。
「だがお前みたいな間抜けは、さすがのあいつにもその選択肢には入らなかったらしい。05の言うことが聞こえなかったか。さっさと指示に従え」
隊長は立ち去る。
俺は竹内を振り返った。
「『イチイチ指示がないと動けないとか、子供みたいなこと言ってんじゃねーぞ』って、さっきまで言ってたのは誰だよ」
「指示じゃない、あれは『命令』だ」
竹内は歩き出した。
この俺のことを、ゴツゴツの指で指す。
「行くぞ。コンビニ営業も再開させないといけないんだ。本部からの手助けも当分頼れないとなると、マジで2人でやらないといけないんだからな!」
拳を握りしめる。
手のひらに食い込んだ爪で、血がにじんできそうだ。
それでもなお、俺は自分が竹内以上には、何も出来ないことを知っている。
動かしたくはない足を、動きたくもない方向に向かって、動かし始める。
竹内は飯塚さんの破壊した噴水の画像を切り出すと、それを画像ごと検索にかける。
「ほら、公園が特定できたぞ。それでどうするんだ?」
「……行ってみよう」
竹内からの返事はない。
頭上でカラスが鳴いた。
隊長は俺たちに背を向ける。
「バカ。さっき隊長からなんて言われた。俺たちに与えられた任務は、今は『片付け』だ」
俺は竹内の目をのぞき込む。
彼は表情を殺したまま、うつむいた。
「そしてその指示を受けたのは俺だ。お前は俺の指示に従わなくちゃいけない。戻るぞ。支部をきれいに片付けてから、次の指示を待つんだ」
竹内まで背を向ける。
俺は、このままでは終われない。
「隊長!」
振り向いたその鋭い眼光を、精一杯見上げた。
「行かせてください。俺は、俺はどうしても飯塚さんを助けたいんです!」
「俺がお前をここに追いかけて来た理由が分かるか?」
「飯塚さんがいると思ったからじゃないですか?」
自分でも、無駄に食ってかかっているということは、分かっている。
「あぁ、そうだ。お前が03の仲間で、そこに連れて行ってくれると思ったからだ」
隊長の端末が振動している。
それを取り出すと、画面を操作し始めた。
「だがお前みたいな間抜けは、さすがのあいつにもその選択肢には入らなかったらしい。05の言うことが聞こえなかったか。さっさと指示に従え」
隊長は立ち去る。
俺は竹内を振り返った。
「『イチイチ指示がないと動けないとか、子供みたいなこと言ってんじゃねーぞ』って、さっきまで言ってたのは誰だよ」
「指示じゃない、あれは『命令』だ」
竹内は歩き出した。
この俺のことを、ゴツゴツの指で指す。
「行くぞ。コンビニ営業も再開させないといけないんだ。本部からの手助けも当分頼れないとなると、マジで2人でやらないといけないんだからな!」
拳を握りしめる。
手のひらに食い込んだ爪で、血がにじんできそうだ。
それでもなお、俺は自分が竹内以上には、何も出来ないことを知っている。
動かしたくはない足を、動きたくもない方向に向かって、動かし始める。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界宇宙SFの建艦記 ――最強の宇宙戦艦を建造せよ――
黒鯛の刺身♪
SF
主人公の飯富晴信(16)はしがない高校生。
ある朝目覚めると、そこは見たことのない工場の中だった。
この工場は宇宙船を作るための設備であり、材料さえあれば巨大な宇宙船を造ることもできた。
未知の世界を開拓しながら、主人公は現地の生物達とも交流。
そして時には、戦乱にも巻き込まれ……。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる