15 / 24
15
しおりを挟む
ソウヘイが泥だらけのレンにだきつく。
「ごめんよぉおおおお。れぇええええん」
「うるさ」
思わず呟き、慌ててソウスケが離れる。
「どうしても新規の旅行会社との打ち合わせが終わらなくて」
「うんん。大丈夫。仕事優先でいいよ」
「ほんとごめんな。心細かったよな。辛かったよなぁ」
「観音寺さん格好良かったんだ」
「そっか。でも、おじさんかっこいいが良かった」
「言われても」
頭を乱暴に撫でられる。
胸の中にあった何かが消えていく気がする。
「とりあえず風呂入ってこい。傷口触らない程度に泥汚れ落としてこい」
「はーい」
「あ。後、お前の持ってる録音機何処おいた?」
「あ、はい」
レコーダーを返せば受け取る。
「ありがと。ご馳走用意してあるからいっぱい食えよ」
「ご馳走!何、何?」
料理を確認し、急いでお風呂に入ってくると走る。
「任せて悪かったな。キョウヘイ」
後から入ってきたキョウヘイを見る。
「構わない。とりあえず録音機」
「おう。あとでまた返すな」
「んっ」
「ところで、うちのレン。苛めたやつ、殴って良さげだった?」
「やめて差し上げろ。母親、女性だ。だがやるなら呼べ。手伝う」
「女かぁ。じゃあ、人間関係からかな」
黒い笑顔のソウヘイにキョウヘイが微笑み返す。
思わずキョウヘイへ顔を近づけるソウヘイ。
だがその前に泥汚れを落としただけのレンが声をかけてくる。
「ねー。ご飯。どこ」
即座に顔を戻して台所に向かう。
「はいはい。今すぐ持っていくから髪の毛乾かしてろ」
「えー」
珍しいキョウヘイの笑顔に思わずキスしかかったと思い、かつ、惜しいことをしたと思う。
冬野菜の天ぷらに、串かつ風擬きのお肉。
それらが乗った大皿とソースを持って机に置けば、天ぷらと大喜びのレン。
「汁物持ってくるからな」
「誰かの誕生日?」
不思議そうなレンに、違うと頭を撫でる。
「そろそろ収穫の時期だったから早々に食材を使い切りたかったんだ。一杯食え」
「わーい。観音寺さんのお野菜天ぷら、好きなんだ」
笑顔で答えるレンにそっかと笑う。
来る前にが苦々しい顔をしていたというのに。
キョウヘイも泥汚れだけを流したのかすぐに食卓に座る。
「ご飯」
「はい。吸い物」
吸い物とお米を持ってソウヘイが二人に渡して早速ご飯を食べている。
「そうだ。レン」
「ちゃんと玉ねぎも食べてます」
「そこじゃない。そこじゃない。偉いけども」
苦手だという玉ねぎリングを示すレン。
どっちにしても、
「学校だけど今後休んでもいいけれども」
「うん?」
「出席日数は行くこと、最悪保健室登校でもいいからな」
「うん」
「それから勉強はきちんとすること」
「うん」
「テスト期間は必ずテスト受けること」
「はーい」
「テスト赤点とったら勉強漬けにするからな」
無言でご飯を食べる。
「返事は?」
「はぃ」
渋々頷く。
「ごめんよぉおおおお。れぇええええん」
「うるさ」
思わず呟き、慌ててソウスケが離れる。
「どうしても新規の旅行会社との打ち合わせが終わらなくて」
「うんん。大丈夫。仕事優先でいいよ」
「ほんとごめんな。心細かったよな。辛かったよなぁ」
「観音寺さん格好良かったんだ」
「そっか。でも、おじさんかっこいいが良かった」
「言われても」
頭を乱暴に撫でられる。
胸の中にあった何かが消えていく気がする。
「とりあえず風呂入ってこい。傷口触らない程度に泥汚れ落としてこい」
「はーい」
「あ。後、お前の持ってる録音機何処おいた?」
「あ、はい」
レコーダーを返せば受け取る。
「ありがと。ご馳走用意してあるからいっぱい食えよ」
「ご馳走!何、何?」
料理を確認し、急いでお風呂に入ってくると走る。
「任せて悪かったな。キョウヘイ」
後から入ってきたキョウヘイを見る。
「構わない。とりあえず録音機」
「おう。あとでまた返すな」
「んっ」
「ところで、うちのレン。苛めたやつ、殴って良さげだった?」
「やめて差し上げろ。母親、女性だ。だがやるなら呼べ。手伝う」
「女かぁ。じゃあ、人間関係からかな」
黒い笑顔のソウヘイにキョウヘイが微笑み返す。
思わずキョウヘイへ顔を近づけるソウヘイ。
だがその前に泥汚れを落としただけのレンが声をかけてくる。
「ねー。ご飯。どこ」
即座に顔を戻して台所に向かう。
「はいはい。今すぐ持っていくから髪の毛乾かしてろ」
「えー」
珍しいキョウヘイの笑顔に思わずキスしかかったと思い、かつ、惜しいことをしたと思う。
冬野菜の天ぷらに、串かつ風擬きのお肉。
それらが乗った大皿とソースを持って机に置けば、天ぷらと大喜びのレン。
「汁物持ってくるからな」
「誰かの誕生日?」
不思議そうなレンに、違うと頭を撫でる。
「そろそろ収穫の時期だったから早々に食材を使い切りたかったんだ。一杯食え」
「わーい。観音寺さんのお野菜天ぷら、好きなんだ」
笑顔で答えるレンにそっかと笑う。
来る前にが苦々しい顔をしていたというのに。
キョウヘイも泥汚れだけを流したのかすぐに食卓に座る。
「ご飯」
「はい。吸い物」
吸い物とお米を持ってソウヘイが二人に渡して早速ご飯を食べている。
「そうだ。レン」
「ちゃんと玉ねぎも食べてます」
「そこじゃない。そこじゃない。偉いけども」
苦手だという玉ねぎリングを示すレン。
どっちにしても、
「学校だけど今後休んでもいいけれども」
「うん?」
「出席日数は行くこと、最悪保健室登校でもいいからな」
「うん」
「それから勉強はきちんとすること」
「うん」
「テスト期間は必ずテスト受けること」
「はーい」
「テスト赤点とったら勉強漬けにするからな」
無言でご飯を食べる。
「返事は?」
「はぃ」
渋々頷く。
0
あなたにおすすめの小説
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
2025/09/12 ★1000 Thank_You!!
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる