転生幼女の怠惰なため息

(◉ɷ◉ )〈ぬこ〉

文字の大きさ
上 下
81 / 166
第三章

王都出発に向けて④

しおりを挟む
「さてと、子ども達に挨拶も済んだ事だし、さっさとフィッティングしちゃいましょうっ♪
ウィル、そこの衝立の裏で着替えて来てくれるかしらん」

パンパンッと手を叩き、場を仕切り始めるエミリーちゃん。
異世界オネェも自由だな。

ウィルにぃがエミリーちゃんに言われた通りに、衝立の裏で着替えを始める。
この前、神殿に行った時はスリーピース・スーツだったけど、今度はどんな服なんだろうね。

パパイヤ、マンゴーなどトロピカルフルーツの果肉をどっさりブレンドした、甘酸っぱい本日のアイスティーを飲みながら、みんなでウィルにぃを待つ。



「着替え終わりました」

そう言いながら出てきたウィルにぃは、白を基調とした軍服モチーフの衣装だった。
上着・肩章(飾緒付き)・肩マント・パンツに手袋。
白を基調にしているけど、肩マントなどはウィルにぃの目の色のサファイアブルーをアクセントにしている。
おぉ~っ!!ウィルにぃがカッコイイぞっ!!

「どこか苦しいところとか、動きづらいところはないかしらん?」

エミリーちゃんの指示に従いながら、体を動かすウィルにぃ。

「問題ない様です」

「そう。問題無いならコレで仕上げちゃうわね。他に何か希望とかないかしらん?」

「そうですね…、ただ胸に飾るブローチの色は今からでも変更は可能ですか?」

今ウィルにぃの胸元に輝いているのは、金を土台としたサファイアとオーロラ輝石のヴィンテージ調で豪華さもあるブローチだ。
今のままでもウィルにぃの瞳の色とも合っていてカッコいいけど、気に入らないのかな?

「あらん?このブローチじゃあダメかしらん?他のとなると、残念だけど、あたくしには時間的にも無理ね。準備できないわん。
ハリー、今から宝石商を呼んだとして、間に合うかしらん?」

「そうねぇ、既製品でウィルが気にいるのがあればいいのでしょうけど、きっと違うのよね?そうすると、一から造ることになるから、出発には間に合わないわ」

エミリーちゃんの問いかけに、頬に手を当てながら「困ったわぁ~」といい、答えるかぁしゃま。
ウィルにぃが、わがままを言う事なんて滅多いないから応えてあげたいけど、出発までに時間がないし、かぁしゃまも困ってるんだろうな。

「ところで、ウィルはどんな石がご希望なのかしら?」

「いえ…、ただ、以前エルが造った石があまりにも綺麗だってので…。出来ればエルの色を纏いたいなと…」

「あらぁ~ん」
「あらあらぁ~」

エミリーちゃんとかぁしゃまが同時にニヤニヤしながらこちらを見てくる。
ウィルにぃ…。自分意外の相手の色を纏うって、婚約者とか結婚してる人がする、意中の相手が居ますよって意味だよっ!?

「あらぁ~、ウィルは本当にエルちゃんの事が大好きなのねぇ~」

「はい。世界一大切で特別な存在です」

わたしがあんぐりとしていると、かぁしゃまがほのぼのとした感じで言い、ウィルにぃはキリッとした感じで言い切った。

おぉ~ぃっ!!ウィルにぃ…、どんだけわたしの事が好きなんだよ…。



しおりを挟む
感想 220

あなたにおすすめの小説

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

憧れのテイマーになれたけど、何で神獣ばっかりなの⁉

陣ノ内猫子
ファンタジー
 神様の使い魔を助けて死んでしまった主人公。  お詫びにと、ずっとなりたいと思っていたテイマーとなって、憧れの異世界へ行けることに。  チートな力と装備を神様からもらって、助けた使い魔を連れ、いざ異世界へGO! ーーーーーーーーー  これはボクっ子女子が織りなす、チートな冒険物語です。  ご都合主義、あるかもしれません。  一話一話が短いです。  週一回を目標に投稿したと思います。  面白い、続きが読みたいと思って頂けたら幸いです。  誤字脱字があれば教えてください。すぐに修正します。  感想を頂けると嬉しいです。(返事ができないこともあるかもしれません)  

転生先は盲目幼女でした ~前世の記憶と魔法を頼りに生き延びます~

丹辺るん
ファンタジー
前世の記憶を持つ私、フィリス。思い出したのは五歳の誕生日の前日。 一応貴族……伯爵家の三女らしい……私は、なんと生まれつき目が見えなかった。 それでも、優しいお姉さんとメイドのおかげで、寂しくはなかった。 ところが、まともに話したこともなく、私を気に掛けることもない父親と兄からは、なぜか厄介者扱い。 ある日、不幸な事故に見せかけて、私は魔物の跋扈する場所で見捨てられてしまう。 もうダメだと思ったとき、私の前に現れたのは…… これは捨てられた盲目の私が、魔法と前世の記憶を頼りに生きる物語。

聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん
ファンタジー
「貴方には剣と魔法の異世界へ行ってもらいますぅ~」 ────何言ってんのコイツ? あれ? 私に言ってるんじゃないの? ていうか、ここはどこ? ちょっと待てッ!私はこんなところにいる場合じゃないんだよっ! 推しに会いに行かねばならんのだよ!!

裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい? とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。 犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!

フェンリルに育てられた転生幼女は『創作魔法』で異世界を満喫したい!

荒井竜馬
ファンタジー
旧題:フェンリルに育てられた転生幼女。その幼女はフェンリル譲りの魔力と力を片手に、『創作魔法』で料理をして異世界を満喫する。  赤ちゃんの頃にフェンリルに拾われたアン。ある日、彼女は冒険者のエルドと出会って自分が人間であることを知る。  アンは自分のことを本気でフェンリルだと思い込んでいたらしく、自分がフェンリルではなかったことに強い衝撃を受けて前世の記憶を思い出した。そして、自分が異世界からの転生者であることに気づく。  その記憶を思い出したと同時に、昔はなかったはずの転生特典のようなスキルを手に入れたアンは人間として生きていくために、エルドと共に人里に降りることを決める。  そして、そこには育ての父であるフェンリルのシキも同伴することになり、アンは育ての父であるフェンリルのシキと従魔契約をすることになる。  街に下りたアンは、そこで異世界の食事がシンプル過ぎることに着眼して、『創作魔法』を使って故郷の調味料を使った料理を作ることに。  しかし、その調味料は魔法を使って作ったこともあり、アンの作った調味料を使った料理は特別な効果をもたらす料理になってしまう。  魔法の調味料を使った料理で一儲け、温かい特別な料理で人助け。  フェンリルに育てられた転生幼女が、気ままに異世界を満喫するそんなお話。  ※ツギクルなどにも掲載しております。

【本編完結】転生隠者はまったり怠惰に暮らしたい(仮)

ひらえす
ファンタジー
後にリッカと名乗る者は、それなりに生きて、たぶん一度死んだ。そして、その人生の苦難の8割程度が、神の不手際による物だと告げられる。  そんな前世の反動なのか、本人的には怠惰でマイペースな異世界ライフを満喫するはず……が、しかし。自分に素直になって暮らしていこうとする主人公のズレっぷり故に引き起こされたり掘り起こされたり巻き込まれていったり、時には外から眺めてみたり…の物語になりつつあります。 ※小説家になろう様、アルファポリス様、カクヨム様でほぼ同時投稿しています。 ※残酷描写は保険です。 ※誤字脱字多いと思います。教えてくださると助かります。

転生したらチートすぎて逆に怖い

至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん 愛されることを望んでいた… 神様のミスで刺されて転生! 運命の番と出会って…? 貰った能力は努力次第でスーパーチート! 番と幸せになるために無双します! 溺愛する家族もだいすき! 恋愛です! 無事1章完結しました!

処理中です...