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しおりを挟む「噛 っんっ な、」
「柔らかくて、甘くて、……食べたくなる」
どれだけの努力でその衝動を抑え込んでいるのかを滲ませた声が皮膚のすぐ傍で響き、それでも堪え切れなかった気持ちが零れ出したように犬歯の尖りのわかる歯が触れてくる。
きっと、クラドがその気になればオレの体を食いちぎるなんて簡単だ。
もしかしたら、次の瞬間には腿の肉を齧り取られているかもしれない。
それでも、そうしてくれたらクラドの痕が残ってくれるのに と、願ってしまう。
「他は?……他は許してはくれないのか?」
「ぇ……」
熱い吐息が内腿を撫で上げるようにすり抜ける。
自身の高ぶりを逃すためかゆるゆると吐かれるそれが、奥まった箇所に触れて……
「んっ 他、なんて 」
「ここは?」
ふ と指し示すように息を吹きかけられて、痛いほどに立ち上がったソコが跳ねるように蜜を零す。
「ここも……だ」
今度は意図的に最奥に息をかけられ、体がびくりと反応してしまった。
一年前の森番小屋でクラドがソコに触れた感触が蘇って、意識していない喘ぎ声が漏れて耳を打つ。
剣を振るう節くれた指が、決して傷つけないようにと触れてくれた記憶に後押しされるように、僅かに唇を動かした。
大きな手が互いのモノを一まとめにして扱きあげると、どうにもできない声が漏れそうになって噛み締めるだけじゃどうにもならなかった唇を覆うように固く両手で押さえる。
それでも鼻に抜ける嬌声が、オレが体中余すことなく触れて欲しいと懇願したのを教えてきて、恥ずかしさに悲鳴上げたい気分だった。
鍛え上げられた体はしなやかで、触れているだけでも幸せだ。
ちゅくちゅくと水っぽい音がどちらの感じたものかははっきりしなかったけれど、オレだけが感じているわけではないのは、荒く息を吐きながら時折呻くように肩を震わせる姿で十分にわかる。
オレで気持ち良くなってくれているのが嬉しくて、もうこれ以上恥ずかしい思いなんてないだろうと思っていたのに、上ずる声で「もっと奥に触れてください」と囁くと、一瞬……戸惑うような気配がして頬に額を擦りつけてきた。
「 まだ、体も十分回復していないだろう?」
「そんなっ もう、体は……」
「産んですぐの体に無理を強いる気はない」
「でも……」
触れて欲しい と思う。
腹の奥が焦れるような感覚は射精だけでは満たされない欲を訴えていて、ナカをクラドで一杯にして貰えたら、どれだけ満たされるのか想像もできなかった。
けれど、オレの体を慮ってくれたクラドの気持ちを無視するのも、これ以上はっきりとした言葉で強請るのも気が進まなくて……
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