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狼の枷
落ち穂拾い的な 食堂のアレの後
しおりを挟む「あ、大神くん。君、研究所じゃオープンショタヤクザって呼ばれてるよ」
「 ⁉︎」
「食堂であんな事するからー」
「⁉︎⁉︎」
「熱烈だったねーちゅーちゅーちゅーちゅーするからぁ」
挙句抱きかかえて連れ去ったのだから、話題にならないはずがない。
「あれは当分噂が続くね!」
「率先して流しているのはあいつでしょう?」
「そうだね!」
あの不思議な雰囲気の少女を思い出しながら、大神は眉間に皺を寄せた。
「何者ですか?」
「被害者だよ」
その一言で理解したのか、大神は小さく何度か頷いて、自分を見上げる瞳の憎悪の激しさを思い出した。
「だから、寄り添える。強い子だよ」
「 そうですね」
「まぁだからオープンショタヤクザって呼ばれても大目に見てあげて」
「先生も率先して呼んでるんでしょう?」
「バレた?」
親ほど歳の離れた医者はそう言うとぺろりと舌を出して可愛子ぶってみるのだから、言い返す気力も湧かない。
おそらく、急にあかを連れ出した腹いせなのだろう。
「 ────で、アレは?」
「あの管の中身はアルファの精液だったよ」
「そうですか」
「全て処分でいいかい?念の為に置いておくかい?」
あえて聞いてくるが、一択だった。
「処分で あ、いや」
大神の言葉を聞いて踵を返しかけた瀬能が立ち止まる。何事だろうかと訝しむ瀬能に、言葉を探しながら伝えた。
「 一つ、試してみたい事があります」
そう言って、大神は白い小さなΩを思い出した。
「あの子の番を探してやるつもり?」
「ええ、本人が望んでいる事なので」
「そう あ、セキくんのパートナーもそうやって探そうか。精液なら逃げ出さないし」
ぴりっと空気が張り詰めたのが分かる。
「君がマーキングするから、せっかくマッチングしても部屋に入る前に脱落する子もいるんだけど?」
「 言いがかりでしょう」
「視線逸らさないでくれる?」
大神は何も聞こえないふりで煙草を咥えた。
END.
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