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郵便物
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しおりを挟む転がり出た瞬間、人間の切り取られた親指に見え、葉人は飲み込むような小さい悲鳴を上げて飛び退く、
「…あ」
コロコロと茶色の絨毯の上を転がり、ベッドの足に当たって止まったそれを気味悪く思いながらもそっと近づいて確認する。
人間の親指ではなかった。
明らかにプラスチックでできているとわかる陳腐な色合いだった。けれどそれは葉人に嫌悪感を抱かせるには十分な形をしている。
「……なんだよ…」
泣きそうな声を出し、親指サイズの男性性器の形をしたした物体を見やる。
反り返り、勃起した形を中途半端に素人が作ったかのような、安っぽい外見。自分の身に起きた凶事がなければ、年頃の男の子としては笑い飛ばせたかもしれなかった。
絞り出すように、いたずらか…と言ってゴミ箱に捨てようと、指の先でつまみ上げると、ぽろりと二つに別れて根本だけが手に残る。
「え!?」
再び転がってしまった玩具の先を探しつつ、手に残った性器の根本を見ると銀色の四角いものが見えた。
「?…これ…USBメモリ?」
悪趣味な…と思った瞬間、一つのことに思い至って知らずに息を止めていた。
耳の奥でどくどくと脈が音を立て、視界が狭くなり暗転しそうになる。
「…っ」
酸素が足らず、苦しさに喘いでやっと、自分で息を止めていた事に気づく。
カチカチ…と歯を鳴らし、恐怖に襲われながらも机へと歩み寄り、デスクトップに悪趣味なUSBメモリを差し込む。
汚ならしいものにパソコンが犯されたような気がして目眩がしたが、中身を確認しなくては…とマウスを操作する。
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