【完結】全てが嫌いな不憫Ωの少年が初恋相手のスパダリαに愛される？ふざけんなお前のことなんか大っ嫌いだ！

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弟 剛side

ある日突然金持ちの家の子供になった。

それと同時に弟ができた。か弱そうな弟。

あいつがΩだと分かった時、泣いたらどんな顔をするのかと思った。殴ってみたらいい反応だったから何度も何度も殴った。俺はβだけどΩを味見してみたくて犯した。あいつは父さんにウリもさせられてるからどうせ汚れてる。

Ωが嫌いだ。俺の好きになる人はいつもα、Ωを選んでしまうαだ。

あいつを殴ったり犯したりでストレス発散する毎日に終わりが来た。
俺の好きな人である南れおんがあのΩを手元に置いた。そのせいで俺の家はぐちゃぐちゃになった。父さんも母さんも俺も逮捕され起訴された。

俺は執行猶予がついたものの、大学は退学となりれおんさんの代理弁護士とかいうやつに接触禁止の書類にサインさせられ、れおんさんに会うことすらできなかった。母さんの両親が昔住んでいたボロ家に住むことになり使用人もいない、豪華な飯もないそんな生活を送っていた。

イライラが溜まりに溜まっていたころ、大学時代の悪友から連絡が来た。



お前の弟、妊娠したんだな。
今日姉ちゃんが子供産まれて退院だから迎えに行ったらちょうど入院してて見かけたぞ。


気づいた時には電車に乗って、その車内で友人に病院の場所を聞き出していた。

俺はお前のせいでこんな目に遭っているのに、お前はれおん君と幸せに暮らしてるだと？妊娠だと？

許せなかった。俺が喉から手が出るほど欲しい南れおんをあいつが手に入れていることも、2人の間に子供ができたことも、俺がこんな目にあっていることも、あの輝かしいなんでも手に入る生活があいつのせいでくずれさったことも。

全部あいつが悪い。

あの頃みたいに殴って犯して絶望に誘ってやる。腹を殴って子供もろとも殺してやる。

あいつを許さない。そんな一つの感情だけで俺はあのクソ田舎から東京に出て友人から連絡をもらった数時間後にはあいつがいる病院にたどり着いた。

そんなにでかくない病院だ。しらみつぶしに探れば見つかる。

あいつのいる部屋を探して歩いていると

「あなた誰！？ここは妊婦さんや出産を終えたばかりの人が入院してるの！関係者以外立ち入り禁止よ！」

看護師らしきババアがそんなことを言ってくる。あー、うぜえ。

「うっせえんだよ！！！黙っとけ！」

喚き散らしながら病室を回る。




見つけた


増田周

そう書かれた病室の扉を勢いよく開けると、俺の顔を見て一気に震え出すあいつがいた。

これだ、この顔だ。この顔が、俺が殴ればもっともっといい顔になる。

ぐちゃぐちゃにしてやる。俺が人生ぐちゃぐちゃにされたようにな。

一歩、一歩とあいつに近づく。