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しおりを挟む周りにこんなにも人がいるなんて初めてのことで、怖いような不思議なようなよく分からない。
本の世界にはたくさんの登場人物が出てくるけど、物語の中で名前があるのは数人。あとはパン屋のおばさんや服屋のおじさんなどの名称しか出てこない。
情報的には知っている。
サベルクの人口は約1億7896万人。
全部で259もの街がある中、首都であるこの街リードは371万人という最大人口の都市である。
お父様(公爵様ではなくお父様と呼んでくれと頼まれた。)の収めるルマという土地は2番目に人口が多く143万人。
このお祭りに来ている人数はどれくらいなんだろう。371万人全員が来ていないとはいえ近辺の町からはやってくるから、、、
「ルーイっ!!大丈夫?」
「ぁ、、うん、、」
「人いっぱいいて怖くない?大丈夫?足はしんどくない?」
「うん、ここに人がどれくらいいるのか気になっちゃって。足も平気。」
「それは僕も分かんないや。演舞大会の会場は5万人入るって言ってたかな、確か。」
5万、、、数えれるのかな。
「あ!プルセがある!」
「プルセ、、あ、この国の郷土料理。牛もも肉をら小さい塊のまま串に刺して煮込んだ後に炭火で焼いて香ばしくさせたもの。」
「うん、正解。よく知ってるね。」
僕がこうして説明をすると、セドはいつも頭を撫でて褒めてくれる。
人から褒められるのには慣れてないけど、セドから褒められるというより頭を撫でられたくて頭に入ってる知識をセドに伝えている自分がいる。
「食べてみる?」
「うん、、」
「おじさん、これ一つ。あ、甲殻類一緒に煮込んだりとかしてない?」
「らっしゃい!!!うちは牛肉しか扱ってないよ!!・・・って、で!で!殿下!?な、な、な、なぜここに!」
セドリックに気づいたお店の人はその場にひざまづいちゃった。
「気にしないでくれ、今日は大切な人と祭りを楽しんでいるただの男だ。」
「こちらの方が、、。お2人が私の店のものを食べてくださるんですか。」
周りもザワザワしてきた。セドリックのことみんなが知ってるんだ。王太子ってそういうものなのかな。
「あぁ、ぜひ買わせてくれ。」
「いやいや、代金はいいですので!!」
「そういうわけにはいかん。受け取ってくれ。」
そう言ってセドがお店の人に渡したものは丸い金属?
「セド、それなに?」
「ん?これか?これはお金だよ。この国の通貨はニーロだ。お金の意味わかる?」
「うん、お金はお金とは通貨あるいは貨幣のこと、、なんだけど、僕よく分かってなくて。」
意味はわかるんだけど、理解しきれていない。
「ものを買うにはお金が必要なんだ。僕はお金を払って、その代わりにこのお肉をもらう。お店の人はお肉を焼いて売るかわりにお金をもらう?」
「どうしてお肉に代わりにおじさんの欲しいものをあげるのじゃだめなの?」
「うーん、難しいね。なんで説明しようかな。」
セドを困らせちゃった。・・・どうしよう。
「困らせてごめんなさい、、大丈夫だから、、、」
「王太子様のお連れさんの兄ちゃん聞いてくれ!」
おじさん、、?
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