【完結】18年間外の世界を知らなかった僕は魔法大国の王子様に連れ出され愛を知る

にゃーつ

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「・・・なぜ僕が演舞に出るのを知っている。」

「そんなん国中知ってるぞ?マイクさんが言いふらしてた。」

「・・・マイク、、。マイクのせいで出ることになったんだよ。」

数日前、ルイの検診に来てくれたマイクが年に一度のお祭りが近々あるんだとルイに話したことが発端だ。

ルイは興味があるように聞いていたから

「一緒に行くか?」

と言うと、難しい顔をして悩んでいるようだった。もう一声かけようとすると

「ルイ様、祭では魔法演舞の大会もありますよ?魔法を使って舞を披露し、その美しさで勝敗を決める大会です。セドリック様に毎年参加をお願いしてるのに出てくれないと大会主催の者たちが嘆いていましたよ。セドリック様の演舞は人を虜にする魅力があるのに。」

まだ幼かった頃に一度デモンストレーションとして舞ったことがあるが面倒くさくて大会自体には出たことがない。

毎年毎年主催から手紙が届くし直接交渉にも来るが一度も受けたことがない。
今年ももちろん公務が忙しいからと断った。

「今年も断ったよ。・・・ルイ?」

ルイの視線が僕に向いていた。
これは、、、、

「おや、ルイ様は殿下の舞を見たいんですかな?」

---コクリ


我儘を全く言わないルイが見たいと言ってくれた。

僕のそこからの行動は素早かった。

すぐさま主催に大会に出ると連絡し、1番いい席も取ってもらった。
ルイと出かけられるだけでなく、ルイが僕の舞を見るなんて、しかもルイが見たいと言ってくれた。そんな嬉しいことはない。



なんてことがあったのでルイが楽しみにしてるからと珍しく魔法の練習を夜な夜なしている僕は本当にルイに弱い。

「ベルト、お前は来るなよ。」

「なんでだよ。セドリックの演舞は国中のやつが見るぞ?俺だって見ていいだろう?」

「僕はルイのためだけに舞うんだ。それ以外のやつなんてどうでもいい。」

「陛下、こんな考えを持つ人王太子にして大丈夫ですか?」

「なんだとベルト!」

「こらベルト、いくら幼馴染とはいえ殿下にも陛下にも失礼だぞ。」

「公爵、別にいいさ。私とお前の息子たちだ。この場くらい無礼講でいいさ。セドリック、ルイを幸せにしてやりなさい。それがお前が今1番すべきことだ。」

「はい。」

ルイのためにできることならなんでもする。

目の前で虫や生き物や花を真剣に見ているルイがこれから先ずっと自由に好きに触れて見て聞いて嗅いで食べる。五感を最大限に使う、そんな当たり前がルイにとっての当たり前になるように。



「ルイ、明日の魔法祭でデートしない?」



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