錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか

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第九十一話 いざ街へ

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無事に俺達は帰る事になったので長に別れを告げ、森を抜ける。
…方向が違うのに一緒に来ようとするエクスさんには困りものだったが。
ジャービル様は帝国内部に対し様々な調査を行っていたそうで、この機会に報告に向かうそうだ。

「なんやうちの見間違いやなければやけど、魔王の撤退していった進路ってあれ、あのまま行けば帝国方面ちゃうか?」

「帝国は人体実験をしていたのじゃろ? 強化人間を作り出す…とかの」

マーリン様? それ初耳なんですけど?

「私は人体実験って世界的に禁止になっていると学院の一年次に習いましたが…そのような事起こりうるのでしょうか? 他国を敵に回すような事…」

サリィが質問を投げかけてくれた。 それに同調するようにマキナ嬢もうんうんと頷いていた。
きっと同じ内容の授業をやったのだろうね。

「お嬢ちゃん達の疑問は分かるで? けど帝国だけはちゃうんや。 あそこは武力、兵力が物を言う国。 その為なら人体実験くらいは平気でやってまうんや。 流石に表立ってはせぇへんけどな」

「という事は証拠は見つけたんじゃな?」

「ばっちり見て来たな、それに念写の魔法で記録してきた。 三回くらい捕まりかけたけど」

あの三賢者が捕まりかけるって相当な手練れなんだろうな。
でも、証拠が出たとしてどうするつもりなんだろうか?

…まさか『戦争』

「かと言って今帝国に構ってられる暇は無くなったしのう。 魔王や魔神が絡んでるなら別…じゃがな」

「せやな」

なんか俺の前世の記憶で言うフラグって奴がビンビンに立ってる気がするんだけど?
勘弁してくれ…。

「怪しいなら帝国攻め込んだらどうなんじゃ?」

ドーラ様が恐ろしい事を言い始めた。

「だめだよ、せんそうだめだよ、あぶないよ」

長の好意で俺に妖精さんを付けてくれることになった。
何かあった時に他の者とすぐに連絡出来るように…って事かもしれない。

森を抜けてしばらくして、門が見えて来た。
やっと着いた…。 衛兵さんにギルドカードを見せ通してもらう。
誰か一人がギルドカードを持っていれば問題は無い。
子供が悪戯に外に出たり、犯罪を予防したりする為だと思うが。

夜も遅いので宿へと向かう。
女性陣が増えてしまったので部屋数が多くなる。

「さて、腹ごしらえでもして今日は寝るかの。 明日からまた馬車の旅じゃぞ」

返事をするが殆どの人は声に生気が無い。
整備されてない道を座り心地の悪い馬車であまり休憩も無く揺られていくのだから…。

今日の食事に関しては宿で出される食事にしたらしい。
王都での食事に慣れてしまったので文句は言わないが決して満足はいかなかった。

そして、各自部屋に行き少々の雑談をする。

「ワシは勇者パーティだったが、ガイルとジャービルはまた別のパーティで魔王軍を攻めておったんじゃ」

「本の通りなのですね。 その後合流して、最終的には魔王と勇者が一騎打ちになる形で決着がついた…とか」

「それは、実は嘘じゃ」

「おい! ガイル! 夢を持たせんか!」

「良いじゃろ一人くらい真実を教えたって。 合流したパーティで魔王をタコ殴り、そして魔王は消滅。 召喚した王国に勇者を招き謁見をしていたがその最中に勇者は消えた…。 多分元の世界へと帰ったんじゃろうな」

「そう、だったんですね。 タコ殴りかぁ…確かにロマンは無いなぁ」

そう言ってベッドに横たわる。

「さてと、明日も早いし、寝るぞ?」

「はい! おやすみなさい」


ふと夜中に、目が覚めてしまう。

「…なんか蒸し暑いなぁ。 まぁそんな日もあるよね…」

独り言ちてまた眠りに付くのだった…翌朝、あんなことになるとは知らずに。
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