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死者の国 冥界
LV188 裏ルール
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「パンパカパーンパンパン、プリズエラ君の冥界レベルが3に上がりました。皆で拍手しましょうーー。パチパチパチ」
どこかで変なアナウンスが流れる。まるでゲームのようだ。
「なんだこれ?」
フミヤは辺りを見渡すが誰もいない。
他の4人も声の出所を探すが、見つける事ができない。
「まっ、いいか」と、フミヤは諦めた。
今後、フミヤ達はこのアナウンスを定期的に聞く事になる。
冥界ルールにおいてレベル上げの条件は、ゼウスの説明であれば、「業とは冥界で受ける罰そのもの、それを達成できし者は徳を取得でき、徳をもってしてレベルを上げる事ができる」だった。
では何故、ブリズエラの冥界レベルが上がったのか?
それは、裏ルールが存在するからである。
実は冥界には業を受けて徳を得る、譲渡を受けて徳を得る――以外に『冥界に巣くう者』を倒すと徳を得るという裏ルールがある。
何故に裏ルールなのか? それは従来冥界に落ちた者が決して達成できないから。
通常の魂(精神体)は生前の能力をすべて奪われ、弱体化された状態で冥界に落とされる。そのため餓鬼や冥界に巣くう者に到底力では勝てない。
だが、フミヤ達の精神体はゼウスのスキルにより肉体とつながっているため、精神体の基礎値は弱体化されず、能力もそのまま引き継がれている。
よってこの裏ルールはフミヤ達だからこそ可能となるルールである。
冥界はこのルールを裏ルールとし、公表していない。なぜなら、力持つ者が冥界に訪れた際『冥界に巣くう者』を倒すと徳を得るというルールを知れば、冥界の住民にとって脅威となるからだ。
さらにもう一つ、餓鬼は死者に業(罰)を与えると徳を取得しレベルが上がる。所謂、餓鬼は徳持ちという存在になる。冥界では徳持ちを倒すと徳を得られる。
つまり裏ルールとは、徳の略奪である。
タケルは先ほど聞こえたオノマトペが気になって仕方なかった。タケルは異世界転生した勇者。聞こえたオノマトペがタケルが元の世界で一時期ハマっていたゲームの音にそっくりであったからだ。
「うーん、なぜあの音がこの世界で聞こえてくるんだ?」
「……」 「……」
「おーい、タケル置いて行くぞーー!」
悩みながら歩くタケルをおいて、いつの間にか他の4人は遥か前方を歩く。フミヤの呼びかけに気付いたタケルは、一旦考えるのをやめ足早に皆の元へ駆けた。
フミヤ達がひたすら歩いていると、今まで何も見えなかった前方に大きな山が見えてくる。フミヤ達が歩くその道は真っ直ぐとその山に向かっている。
「たぶん、あそこに行けばなにかあるだろう」
神薙は前方の山に異質なモノを感じていた。
そう、その山は業の一つ、『三種の山』という場所だった。
ついにフミヤ達は業に進む。
どこかで変なアナウンスが流れる。まるでゲームのようだ。
「なんだこれ?」
フミヤは辺りを見渡すが誰もいない。
他の4人も声の出所を探すが、見つける事ができない。
「まっ、いいか」と、フミヤは諦めた。
今後、フミヤ達はこのアナウンスを定期的に聞く事になる。
冥界ルールにおいてレベル上げの条件は、ゼウスの説明であれば、「業とは冥界で受ける罰そのもの、それを達成できし者は徳を取得でき、徳をもってしてレベルを上げる事ができる」だった。
では何故、ブリズエラの冥界レベルが上がったのか?
それは、裏ルールが存在するからである。
実は冥界には業を受けて徳を得る、譲渡を受けて徳を得る――以外に『冥界に巣くう者』を倒すと徳を得るという裏ルールがある。
何故に裏ルールなのか? それは従来冥界に落ちた者が決して達成できないから。
通常の魂(精神体)は生前の能力をすべて奪われ、弱体化された状態で冥界に落とされる。そのため餓鬼や冥界に巣くう者に到底力では勝てない。
だが、フミヤ達の精神体はゼウスのスキルにより肉体とつながっているため、精神体の基礎値は弱体化されず、能力もそのまま引き継がれている。
よってこの裏ルールはフミヤ達だからこそ可能となるルールである。
冥界はこのルールを裏ルールとし、公表していない。なぜなら、力持つ者が冥界に訪れた際『冥界に巣くう者』を倒すと徳を得るというルールを知れば、冥界の住民にとって脅威となるからだ。
さらにもう一つ、餓鬼は死者に業(罰)を与えると徳を取得しレベルが上がる。所謂、餓鬼は徳持ちという存在になる。冥界では徳持ちを倒すと徳を得られる。
つまり裏ルールとは、徳の略奪である。
タケルは先ほど聞こえたオノマトペが気になって仕方なかった。タケルは異世界転生した勇者。聞こえたオノマトペがタケルが元の世界で一時期ハマっていたゲームの音にそっくりであったからだ。
「うーん、なぜあの音がこの世界で聞こえてくるんだ?」
「……」 「……」
「おーい、タケル置いて行くぞーー!」
悩みながら歩くタケルをおいて、いつの間にか他の4人は遥か前方を歩く。フミヤの呼びかけに気付いたタケルは、一旦考えるのをやめ足早に皆の元へ駆けた。
フミヤ達がひたすら歩いていると、今まで何も見えなかった前方に大きな山が見えてくる。フミヤ達が歩くその道は真っ直ぐとその山に向かっている。
「たぶん、あそこに行けばなにかあるだろう」
神薙は前方の山に異質なモノを感じていた。
そう、その山は業の一つ、『三種の山』という場所だった。
ついにフミヤ達は業に進む。
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