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部活動
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創作部部室。
今日も学校の貸し出し用タブレットで投稿用のラノベを書く詩織。
******
私は今、とても幸せです! なんと、憧れの『妹』が出来たのです! しかも、超絶可愛いんです!!
名前は小鳥遊彩芽ちゃんといいます。
あ、私と同じ名字になったからもう笹島彩芽ちゃんだ!
私の父が再婚して母になった人の娘なんで血は繋がっていないけど仲良くできるといいな!
―――
******
ここまで書いてタブレットに打ち込んだ内容を詩織は読み返す。
(うーん、ありきたりかなあ。でも悪役令嬢が現代に転生して家族から溺愛されるのに戸惑う姿を
義理の姉になる主人公ちゃん視点でみたいって書いたやつだからヒネリすぎても読者が話に入りにくいし…)
眉間にシワを寄せ、キーボードに指を乗せたまま考える詩織。
「水木さん、難しい顔をしてどうしたんだ?」
詩織とは別クラスだが同学年で同じ部活の橘 誠人が声をかけた。
「ん?あ、橘君。今、新しいラノベを書いてるんだけど両親が再婚して新しい家族ができたときの描写をどうしようって悩んでて。
親の離婚も再婚も経験がないけど、自分に年の近い可愛い妹が出来たらって想像して書いてみたけどピンとこなくて」
「オレの意見が参考になるかは分からないけど読んでもいいかな?」
「うん!あ、隣くる?ずれるから椅子持ってきて座って」
詩織は誠人が読みやすいように座りやすいように机の正面から自分の椅子をずらした。
誠人はそばにあった椅子を持ってきて詩織の隣に腰をかけた。
「じゃあ読ませてもらうね」
誠人は詩織の小説を読んだ。
「面白いと思うよ。ただ悪役令嬢っていうのは初めてみたけど性格が悪い子なんだよな?
最初から良い子って感じで詩織がこの作品で書こうとしている性格の変化があまり感じないんだ。
悪役令嬢って枠を捨てて、表現がきつくて考えが誤解されやすい女の子にするか、悪い存在としてもっと性格の悪い女の子にするか
…妹の性格を練り直したほうがいいかもしれないな」
真面目にアドバイスをする誠人の言葉を詩織はメモに書いていく。
「そっか。言われてみるとそうだね。ツン度が足りないなって思ってはいたけど足りない部分をどうしようか分からなかったからすごく助かるよ。ありがとう」
「いや、これくらいしか出来ないからさ……」
そう言って照れたのか頬を掻く誠人を見て詩織の顔には笑顔が広がる。
「そんなこと無い!本当に嬉しい!」
「お役に立ててよかったよ。あと、書き直した後もこの小説も読ませてほしいな。続きが気になっちゃって」
その言葉を聞いてさらに嬉しく思った詩織は満面の笑顔になる。
「続きまで気になるって最高の褒め言葉!もちろん!喜んで!!」
詩織の笑顔に誠人の頬が少し赤くなっていたが、本人も詩織も気がついていなかった。
今日も学校の貸し出し用タブレットで投稿用のラノベを書く詩織。
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私は今、とても幸せです! なんと、憧れの『妹』が出来たのです! しかも、超絶可愛いんです!!
名前は小鳥遊彩芽ちゃんといいます。
あ、私と同じ名字になったからもう笹島彩芽ちゃんだ!
私の父が再婚して母になった人の娘なんで血は繋がっていないけど仲良くできるといいな!
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ここまで書いてタブレットに打ち込んだ内容を詩織は読み返す。
(うーん、ありきたりかなあ。でも悪役令嬢が現代に転生して家族から溺愛されるのに戸惑う姿を
義理の姉になる主人公ちゃん視点でみたいって書いたやつだからヒネリすぎても読者が話に入りにくいし…)
眉間にシワを寄せ、キーボードに指を乗せたまま考える詩織。
「水木さん、難しい顔をしてどうしたんだ?」
詩織とは別クラスだが同学年で同じ部活の橘 誠人が声をかけた。
「ん?あ、橘君。今、新しいラノベを書いてるんだけど両親が再婚して新しい家族ができたときの描写をどうしようって悩んでて。
親の離婚も再婚も経験がないけど、自分に年の近い可愛い妹が出来たらって想像して書いてみたけどピンとこなくて」
「オレの意見が参考になるかは分からないけど読んでもいいかな?」
「うん!あ、隣くる?ずれるから椅子持ってきて座って」
詩織は誠人が読みやすいように座りやすいように机の正面から自分の椅子をずらした。
誠人はそばにあった椅子を持ってきて詩織の隣に腰をかけた。
「じゃあ読ませてもらうね」
誠人は詩織の小説を読んだ。
「面白いと思うよ。ただ悪役令嬢っていうのは初めてみたけど性格が悪い子なんだよな?
最初から良い子って感じで詩織がこの作品で書こうとしている性格の変化があまり感じないんだ。
悪役令嬢って枠を捨てて、表現がきつくて考えが誤解されやすい女の子にするか、悪い存在としてもっと性格の悪い女の子にするか
…妹の性格を練り直したほうがいいかもしれないな」
真面目にアドバイスをする誠人の言葉を詩織はメモに書いていく。
「そっか。言われてみるとそうだね。ツン度が足りないなって思ってはいたけど足りない部分をどうしようか分からなかったからすごく助かるよ。ありがとう」
「いや、これくらいしか出来ないからさ……」
そう言って照れたのか頬を掻く誠人を見て詩織の顔には笑顔が広がる。
「そんなこと無い!本当に嬉しい!」
「お役に立ててよかったよ。あと、書き直した後もこの小説も読ませてほしいな。続きが気になっちゃって」
その言葉を聞いてさらに嬉しく思った詩織は満面の笑顔になる。
「続きまで気になるって最高の褒め言葉!もちろん!喜んで!!」
詩織の笑顔に誠人の頬が少し赤くなっていたが、本人も詩織も気がついていなかった。
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