ハズレスキル《創造》と《操作》を持つ俺はくそみたいな理由で殺されかけたので復讐します〜元家族と金髪三人衆よ!フルボッコにしてやる!~

ゆーき@書籍発売中

文字の大きさ
32 / 61
第二章 街の闇と繋がる者

第六話 助けを求める声

しおりを挟む
「あーめんどくさかった」

 俺は目の前に広がる灰を眺めながら、そう呟いた。
 俺が今倒したのは、ちびっ子スライムの群れだ。名前の通り、体長は五センチほどと、かなり小さい。危険度も、ならE-と、魔物の中では最弱クラスだ。だが、それが数百体にもなると、話は変わってくる。

 ちびっ子スライムは、〈溶解〉のスキルを持っている。〈溶解〉は自身に触れた人の皮膚や服を軽く溶かす程度のスキルなので、皮膚にくらっても数日で完治するくらいには弱い。だが、それを何度もくらうと流石にヤバイ。特に、同じ場所を何度も溶かされると、服には穴が開くし、体は最悪神経を溶かされる。

 俺は、最初は剣界で対処していた。だが、ちびっ子スライムが小さすぎるせいで、剣界をい潜って、俺の元に来るやつが結構いた。その為、俺は〈創造〉でよろいを作ってから〈操作〉で鎧を動かすことで上に飛ぶことで、攻撃が届かない上空からちまちまと攻撃することにした。「そのまま飛んで逃げろよ」と思ったそこの君!俺が逃げずに戦ったのは、他の冒険者がこいつらに襲われるのを防ぐ為だ。決して、”逃げる”という選択肢を忘れていたわけではないからな!

 まあ、あのちっこいやつを頑張って倒した結果が、目の前に広がる灰の平原ということだ。

「しかもこいつらって、倒したところで灰しか残さないからな……」

 倒すのに時間がかかる上に、素材を落とさない為、冒険者の間では嫌われている魔物の代表格だ。
 すると、ノアが俺の肩をぽんぽんと叩いた。

「あのさ、カインが張り切ってたから何もしなかったんだけど、こいつらと戦いたくなかったのなら、私がドラゴンブレスで焼き払ってたよ」

 ノアからそう告げられた瞬間、俺は再び膝から崩れ落ちた。

「ノアに頼めばよかった……」
 俺は、本日二度目の後悔をした。

「まあ、嘆いていても仕方ない。さっさと次の魔物を探しに――」

 ――うわあああ!!

「ん? 何だ?」

 気を取り直して、魔物を倒しに行こうと思った矢先、近くで悲鳴が聞こえた。

「ノア、行くか」

「うん。分かった」

 誰かが魔物に殺されかけている可能性が高いと思った俺は、即座に悲鳴が聞こえた方向に向かって走り出した。



「……あれか」

 俺は、一体のロックコングと、その目の前で尻もちをついて、怯えている二人の若い男性冒険者を見つけた。

「間に合えっ 〈創造〉〈操作〉薬石粉末化!」

 俺は、間に合うことを祈りながら、ロックコングの眼の中に、粉末化した薬石を入れた。

「グガアアア!!!」

 前回同様、ロックコングは暴れ出した。前回のように穴を作って落とす方が確実なのだが、それだと、冒険者二人も巻き込んでしまう可能性が高い。その為、今回は違う方法を取った。

「〈創造〉〈操作〉鉄鎖捕縛・改!」

 俺は、ロックコングの眼に薬石をいれた直後、すかさず、今着ている鎧を素材にして、両側に鉄球が付いた鉄の鎖を作った。そして、それを〈操作〉でロックコングの首に巻き付け、動かすことで、ロックコングを仰向けに倒した。更に、ロックコングは首元も岩で覆われていない為、鉄の鎖によって、窒息していた。だが、それでも、首の拘束をほどこうと、首元の鎖に手をかけていた。

「そうはさせねぇよ。はあっ」

 俺は素早くロックコングの顔に剣を突き付けると、そのままぶっ刺した。

「グガ……」

 ロックコングは、脳を破壊されたことで、息絶えた。前回戦った時よりも、少ない魔力で、時間もかけずに倒せたことに、俺は内心喜びつつも、口を半開きにした状態で、唖然あぜんとしている冒険者二人に声をかけた。

「ふぅ……大丈夫か?」

「あ、ああ・ありがとう。助かった」

「へっ 何だよ。これからボコボコにしてやろうと思ったのに。邪魔するなよ」

 銀髪高身長のイケメンは、執事のように、礼儀正しく礼を言った。一方、赤髪の筋肉質で荒っぽそうな男性は、俺がロックコングを倒したことを、怒っていた。
 まあ、この感じからして、ただの嫉妬だろう。
 自分よりも明らかに年下の人間に助けられた悔しさを、俺にぶつけているだけだ。

「おい。助けてもらったのにその言い方はないだろ! すまない。弟に代わって、私が謝罪する」

 そう言うと、銀髪の男性はさっきよりも深く頭を下げた。

「ああ、大丈夫だ。と言うか、君たちは兄弟なのか?」

 性格が正反対すぎて、とてもじゃないが兄弟に見えない。

「はい。あ、自己紹介を忘れてました。私の名前はサルト・ハーズ。横にいる愚弟の名前は、ザイル・ハーズです」

「分かった。俺の名前はカインだ。そして、横にいるのがノアだ。と言うかハーズって……」

「はい。私たちは、ハーズ商会会長、ディーネ様の孫です。だからと言って、話し方は変えなくてもよろしいですよ。今の私たちは、ただの冒険者ですから」

「そうか……分かった」

 俺は、サルトさんの腰の低さに驚きつつも、頷いた。
 ハーズ商会と言うのは、ゲルディンに拠点を置く、帝国南部最大の商会である。そんな大商会の会長の孫二人が、こんなところにいるという事実にも、俺は驚いた。

「それで、お礼がしたいので、是非、我が商会に来ていただけませんか?」

「……分かった。お伺いしましょう」

 俺は少し悩んだが、ハーズ商会と繋がりを持っておくのは悪くないと思い、頷いた。

 その後、俺たち四人は街に向かって歩き出した。
 その間、サルトさんはずっとザイルさんのことを叱っていた。まあ、ぱっと見では、反省しているようだった。そう、ぱっと見では……
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

湖畔の賢者

そらまめ
ファンタジー
 秋山透はソロキャンプに向かう途中で突然目の前に現れた次元の裂け目に呑まれ、歪んでゆく視界、そして自分の体までもが波打つように歪み、彼は自然と目を閉じた。目蓋に明るさを感じ、ゆっくりと目を開けると大樹の横で車はエンジンを止めて停まっていた。  ゆっくりと彼は車から降りて側にある大樹に触れた。そのまま上着のポケット中からスマホ取り出し確認すると圏外表示。縋るようにマップアプリで場所を確認するも……位置情報取得出来ずに不明と。  彼は大きく落胆し、大樹にもたれ掛かるように背を預け、そのまま力なく崩れ落ちた。 「あははは、まいったな。どこなんだ、ここは」  そう力なく呟き苦笑いしながら、不安から両手で顔を覆った。  楽しみにしていたキャンプから一転し、ほぼ絶望に近い状況に見舞われた。  目にしたことも聞いたこともない。空間の裂け目に呑まれ、知らない場所へ。  そんな突然の不幸に見舞われた秋山透の物語。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

処理中です...