44 / 69
副団長 × アミル
愛ではなく恋でもない ★
しおりを挟むカイルの手が這いまわる感触に震えながら息を殺す。
「ん……っ、くぅ……っ」
「アミルってどこも感じやすいよね」
首の後ろに吸いつく感触にぴくりと震える。
脚を広げ後ろから抱き込まれた体勢で肌を撫でられる。
勃ち上がったペニスをちょんと突かれて腰が揺れた。
「普段自分ではしないの?」
「……!!」
耳に吹き込まれる疑問に首を振って回答を拒否する。
「したことはあるよねえ」
男なんだしと囁くカイルは答えを求めてないようで後ろから覗き込みながらペニスを弄っている。
つうっと指先でペニスを撫でられもどかしさに腰を揺らす。
「カイル……っ」
物足りないと咎めるように名前を呼ぶけれどカイルはとんでもないことを言い出した。
「ねえ、自分でやって見せてくれる?」
「はあっ!?」
カイルはこういう冗談を言わない。
伸ばした手が触れるか触れないかのところを掠め弄び快感には足りない刺激を与えていく。
本気でアミル自身で触れるまで他の快感を与えてくれないつもりの動きに泣きそうになる。
「酷、いっ……!」
アミルの抗議にもカイルは笑うだけだった。
「そうだね。 でも……。
アミルは酷いコトされるの好きでしょ?」
「……!」
びくんと肩が跳ねる。
酷い言われようなのにその言葉を否定をすることができない。
待ちわびてひくひく震えるペニスも焦らされる快感を知っていた。
はあっ、と吐く息が熱い。
躊躇いながら手を伸ばす。
見つめられながら自分のペニスに触れた。
くちゅくちゅと音を立てながら上下に扱く。
気持ちいい、けれど物足りない。
「あ……っん」
「気持ちいい?」
問いかける声に頷き、首を振る。
「気持ちいいっ、けど……っ。
カイルの方が気持ちイイ……っ」
自分の気持ちいいところなんてよく知ってるはずなのに、カイルの指が与える快楽の方がずっと強い。
「嬉しいこと言ってくれるね」
そう言いながらも触れてはくれないカイル。
しばらく見つめていたかと思ったら、そのまま続けてと言い後ろに指を伸ばした。
「……っっ!!」
中に入れられた指が内壁を撫で、待ち望んだ快感を与えていく。
「手が止まってるよ? 続けて。
そのままイってもいいから」
「あっ……ぅ」
先ほども弄られていた中は指の進みを妨げることはないのに、少しずつしか進まないのはカイルの動きのせいだった。
それでも気持ち良くて快感を追いかけるのに夢中になっては手が止まってると注意されることを繰り返す。
もうアミルの手は単調な動きしかできずカイルの手が作り出す快楽を拾うので精一杯だった。
「んー、中々イけないね」
「っ……、カイルが触ってくれないっ、からぁっ」
イイところを掠める動きに反応するとまたずらしたところを弄られる。
気持ちイイのに中々決定的な快感にならない。
「触ってるのに」
でしょ?と言いながら、ぬぬっと奥まで指を進める。
快感の声を上げて身体を震わすとまた浅いところまで引き抜かれてしまう。
「足りな……っ」
刺激が、快感が足りない。
気持ちイイのに達するまでの快楽は与えてくれず何度も懇願の言葉が口に出そうになる。
今日に限って『言って』と言わない意地悪さに唇を噛む。
緩やかな快感だけではもう足りない。もっと奥まで、激しくしてほしい。
空いていた手でカイルがアミルの乳首を抓む。
急に与えられた強い刺激に「ああっ!」と声を上げて身悶える。
放置され刺激に飢えていた場所への攻撃に堪えることもできない。
快感で中に埋め込まれた指を締め付けてしまう。
「そういえばアミルって舐められるのと抓まれるのどっちが好き?」
信じられないことを聞かれた。嫌だ答えたくないと首を振るのに。
耳の端を齧りながら「言って?」と催促してくる。
「俺は聞かれたくないこと答えたから、アミルも答えて」
「全然ちが……、あああっ!」
イイところを指で押され快感に悲鳴を上げる。
「言いたくない?」
「知ってるくせに……ぃっ!」
絶対にアミル自身より知っているはずだ。
感じる場所を探り当て的確に快楽を与えていくカイルにアミルは翻弄されるばかりなのだから。
「どっちが感じるかは知ってるけど、どっちが好きかはわからないから」
明け透けな言葉に顔の熱が上がっていく。
「知ってるけど聞きたい。
教えて?」
聞きたい、じゃなくて言わせたいの間違いだろう。
喜色に富んだ声がそう言っている。
けれど逆らえない。
どうしたって最後にはカイルの求める答えを返してしまう。
「どっちも気持ちい……っ、けど、舐められる方が好き、……うあっ!!」
「そっかー、舐めてあげたいけどこの体勢じゃ無理だね」
また後でねと告げるカイルはつんと乳首を突き手を離した。
素直に答えたことで解放されるかと思った甘い責め苦はまだまだ終わらなかった。
執拗な愛撫にアミルはとうとう根を上げる。
「もう、イジワルしないで、入れて……」
「ねえアミルは奥を突かれるのとペニスを扱かれてイくのとどっちがいい?」
この期に及んでまだそんなことを言うカイルにアミルも限界が来た。
「どっちでもいいからっ!
お願いだからっ、入れて……。
イかせてっ、もう我慢できない……!」
「そう? じゃあ両方してあげるね」
え?と疑問の声を上げる間もなかった。
ぐぐっと押し込まれた質量とペニスを握っていた手にカイルの手が重ねられ一緒に扱かれる。
「ああああああっっ!!」
急な激しい快楽に痙攣するように身体を跳ねさせ悶える。
イイ場所を貫きながらアミルの手を巧みに操りペニスにも快感を与えていく。
「あ、あ、あっ、ダメっ!!」
焦らされた先の急激な快感にアミルは絶頂した。
まだ飛沫を上げているペニスを扱かれ後ろから貫かれ快感に叫びながらまた達する。
『何度も何度も奥まで突いてたくさんイかせてあげる』
その宣言通り、カイルはアミルの奥を何度も穿ち絶頂に導いた。
ほしい、入れて、もっと、奥まで、そこがイイ、出して。
懇願の言葉を何度も口にさせられ達せられる。
もうダメ、おかしくなると口にする頃にはすっかり夜は更けていた。
0
お気に入りに追加
231
あなたにおすすめの小説
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
【完結】売れ残りのΩですが隠していた××をαの上司に見られてから妙に優しくされててつらい。
天城
BL
ディランは売れ残りのΩだ。貴族のΩは十代には嫁入り先が決まるが、儚さの欠片もない逞しい身体のせいか完全に婚期を逃していた。
しかもディランの身体には秘密がある。陥没乳首なのである。恥ずかしくて大浴場にもいけないディランは、結婚は諦めていた。
しかしαの上司である騎士団長のエリオットに事故で陥没乳首を見られてから、彼はとても優しく接してくれる。始めは気まずかったものの、穏やかで壮年の色気たっぷりのエリオットの声を聞いていると、落ち着かないようなむずがゆいような、不思議な感じがするのだった。
【攻】騎士団長のα・巨体でマッチョの美形(黒髪黒目の40代)×【受】売れ残りΩ副団長・細マッチョ(陥没乳首の30代・銀髪紫目・無自覚美形)色事に慣れない陥没乳首Ωを、あの手この手で囲い込み、執拗な乳首フェラで籠絡させる独占欲つよつよαによる捕獲作戦。全3話+番外2話
【完結】糸と会う〜異世界転移したら獣人に溺愛された俺のお話
匠野ワカ
BL
日本画家を目指していた清野優希はある冬の日、海に身を投じた。
目覚めた時は見知らぬ砂漠。――異世界だった。
獣人、魔法使い、魔人、精霊、あらゆる種類の生き物がアーキュス神の慈悲のもと暮らすオアシス。
年間10人ほどの地球人がこぼれ落ちてくるらしい。
親切な獣人に助けられ、連れて行かれた地球人保護施設で渡されたのは、いまいち使えない魔法の本で――!?
言葉の通じない異世界で、本と赤ペンを握りしめ、二度目の人生を始めます。
入水自殺スタートですが、異世界で大切にされて愛されて、いっぱい幸せになるお話です。
胸キュン、ちょっと泣けて、ハッピーエンド。
本編、完結しました!!
小話番外編を投稿しました!
おっさん家政夫は自警団独身寮で溺愛される
月歌(ツキウタ)
BL
妻に浮気された上、離婚宣告されたおっさんの話。ショックか何かで、異世界に転移してた。異世界の自警団で、家政夫を始めたおっさんが、色々溺愛される話。
☆表紙絵
AIピカソとAIイラストメーカーで作成しました。
【騎士とスイーツ】異世界で菓子作りに励んだらイケメン騎士と仲良くなりました
尾高志咲/しさ
BL
部活に出かけてケーキを作る予定が、高校に着いた途端に大地震?揺れと共に気がついたら異世界で、いきなり巨大な魔獣に襲われた。助けてくれたのは金髪に碧の瞳のイケメン騎士。王宮に保護された後、騎士が昼食のたびに俺のところにやってくる!
砂糖のない異世界で、得意なスイーツを作ってなんとか自立しようと頑張る高校生、ユウの物語。魔獣退治専門の騎士団に所属するジードとのじれじれ溺愛です。
🌟第10回BL小説大賞、応援していただきありがとうございました。
◇他サイト掲載中、アルファ版は一部設定変更あり。R18は※回。
🌟素敵な表紙はimoooさんが描いてくださいました。ありがとうございました!
回顧
papiko
BL
若き天才∶宰相閣下 (第一王子の親友)
×
監禁されていた第一王子 (自己犠牲という名のスキル持ち)
その日は、唐突に訪れた。王国ルーチェントローズの王子三人が実の父親である国王に対して謀反を起こしたのだ。
国王を探して、開かずの間の北の最奥の部屋にいたのは――――――――
そこから思い出される記憶たち。
※完結済み
※番外編でR18予定
【登場人物】
宰相 ∶ハルトノエル
元第一王子∶イノフィエミス
第一王子 ∶リノスフェル
第二王子 ∶アリスロメオ
第三王子 ∶ロルフヘイズ
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
恋愛スイッチは入っていません! 宰相補佐と近衛騎士様では何も起こらないと思っていたら、婚約してました
nano ひにゃ
BL
仕事のためになれなれしくしていた相手と噂になっていたのを無視していたら、本当に婚約してしまっていた。相手は近衛兵の副隊長でさらに公爵家の血筋。それに引き換え自分は宰相に取り立ててもらって補佐の仕事はしているが身分はなんとかギリギリ貴族を名乗れる家の出。
なんとか相手から解消してもらえないかと相談することにしたが、なんとも雲行きが怪しくなっていく。
周りからかなり評判のいいスパダリ溺愛攻めと隠れスパダリの受けが流されながらもそれなりに楽しくやっていくお話です。
R表現は予告なく入ります。無理やりはないですが、不本意な行為が苦手な方はご注意ください。
ストーリーに変更はありませんが、今後加筆修正の可能性があります。
小説家になろうにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる