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副団長 × アミル

愛ではなく恋でもない ★

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 カイルの手が這いまわる感触に震えながら息を殺す。

「ん……っ、くぅ……っ」

「アミルってどこも感じやすいよね」

 首の後ろに吸いつく感触にぴくりと震える。
 脚を広げ後ろから抱き込まれた体勢で肌を撫でられる。
 勃ち上がったペニスをちょんと突かれて腰が揺れた。

「普段自分ではしないの?」

「……!!」

 耳に吹き込まれる疑問に首を振って回答を拒否する。

「したことはあるよねえ」

 男なんだしと囁くカイルは答えを求めてないようで後ろから覗き込みながらペニスを弄っている。
 つうっと指先でペニスを撫でられもどかしさに腰を揺らす。

「カイル……っ」

 物足りないと咎めるように名前を呼ぶけれどカイルはとんでもないことを言い出した。

「ねえ、自分でやって見せてくれる?」

「はあっ!?」

 カイルはこういう冗談を言わない。
 伸ばした手が触れるか触れないかのところを掠め弄び快感には足りない刺激を与えていく。
 本気でアミル自身で触れるまで他の快感を与えてくれないつもりの動きに泣きそうになる。

「酷、いっ……!」

 アミルの抗議にもカイルは笑うだけだった。

「そうだね。 でも……。
 アミルは酷いコトされるの好きでしょ?」

「……!」

 びくんと肩が跳ねる。
 酷い言われようなのにその言葉を否定をすることができない。
 待ちわびてひくひく震えるペニスも焦らされる快感を知っていた。

 はあっ、と吐く息が熱い。
 躊躇いながら手を伸ばす。
 見つめられながら自分のペニスに触れた。

 くちゅくちゅと音を立てながら上下に扱く。
 気持ちいい、けれど物足りない。

「あ……っん」

「気持ちいい?」

 問いかける声に頷き、首を振る。

「気持ちいいっ、けど……っ。
 カイルの方が気持ちイイ……っ」

 自分の気持ちいいところなんてよく知ってるはずなのに、カイルの指が与える快楽の方がずっと強い。

「嬉しいこと言ってくれるね」

 そう言いながらも触れてはくれないカイル。
 しばらく見つめていたかと思ったら、そのまま続けてと言い後ろに指を伸ばした。

「……っっ!!」

 中に入れられた指が内壁を撫で、待ち望んだ快感を与えていく。

「手が止まってるよ? 続けて。
 そのままイってもいいから」

「あっ……ぅ」

 先ほども弄られていた中は指の進みを妨げることはないのに、少しずつしか進まないのはカイルの動きのせいだった。
 それでも気持ち良くて快感を追いかけるのに夢中になっては手が止まってると注意されることを繰り返す。
 もうアミルの手は単調な動きしかできずカイルの手が作り出す快楽を拾うので精一杯だった。

「んー、中々イけないね」

「っ……、カイルが触ってくれないっ、からぁっ」

 イイところを掠める動きに反応するとまたずらしたところを弄られる。
 気持ちイイのに中々決定的な快感にならない。

「触ってるのに」

 でしょ?と言いながら、ぬぬっと奥まで指を進める。
 快感の声を上げて身体を震わすとまた浅いところまで引き抜かれてしまう。

「足りな……っ」

 刺激が、快感が足りない。
 気持ちイイのに達するまでの快楽は与えてくれず何度も懇願の言葉が口に出そうになる。
 今日に限って『言って』と言わない意地悪さに唇を噛む。

 緩やかな快感だけではもう足りない。もっと奥まで、激しくしてほしい。
 空いていた手でカイルがアミルの乳首を抓む。
 急に与えられた強い刺激に「ああっ!」と声を上げて身悶える。
 放置され刺激に飢えていた場所への攻撃に堪えることもできない。
 快感で中に埋め込まれた指を締め付けてしまう。

「そういえばアミルって舐められるのと抓まれるのどっちが好き?」

 信じられないことを聞かれた。嫌だ答えたくないと首を振るのに。
 耳の端を齧りながら「言って?」と催促してくる。

「俺は聞かれたくないこと答えたから、アミルも答えて」

「全然ちが……、あああっ!」

 イイところを指で押され快感に悲鳴を上げる。

「言いたくない?」

「知ってるくせに……ぃっ!」

 絶対にアミル自身より知っているはずだ。
 感じる場所を探り当て的確に快楽を与えていくカイルにアミルは翻弄されるばかりなのだから。

「どっちが感じるかは知ってるけど、どっちが好きかはわからないから」

 明け透けな言葉に顔の熱が上がっていく。

「知ってるけど聞きたい。
 教えて?」

 聞きたい、じゃなくて言わせたいの間違いだろう。
 喜色に富んだ声がそう言っている。

 けれど逆らえない。
 どうしたって最後にはカイルの求める答えを返してしまう。

「どっちも気持ちい……っ、けど、舐められる方が好き、……うあっ!!」

「そっかー、舐めてあげたいけどこの体勢じゃ無理だね」

 また後でねと告げるカイルはつんと乳首をつつき手を離した。
 素直に答えたことで解放されるかと思った甘い責め苦はまだまだ終わらなかった。



 執拗な愛撫にアミルはとうとう根を上げる。

「もう、イジワルしないで、入れて……」

「ねえアミルは奥を突かれるのとペニスを扱かれてイくのとどっちがいい?」

 この期に及んでまだそんなことを言うカイルにアミルも限界が来た。

「どっちでもいいからっ!
 お願いだからっ、入れて……。
 イかせてっ、もう我慢できない……!」

「そう? じゃあ両方してあげるね」

 え?と疑問の声を上げる間もなかった。
 ぐぐっと押し込まれた質量とペニスを握っていた手にカイルの手が重ねられ一緒に扱かれる。

「ああああああっっ!!」

 急な激しい快楽に痙攣するように身体を跳ねさせ悶える。
 イイ場所を貫きながらアミルの手を巧みに操りペニスにも快感を与えていく。

「あ、あ、あっ、ダメっ!!」

 焦らされた先の急激な快感にアミルは絶頂した。
 まだ飛沫を上げているペニスを扱かれ後ろから貫かれ快感に叫びながらまた達する。

『何度も何度も奥まで突いてたくさんイかせてあげる』

 その宣言通り、カイルはアミルの奥を何度も穿ち絶頂に導いた。
 ほしい、入れて、もっと、奥まで、そこがイイ、出して。
 懇願の言葉を何度も口にさせられ達せられる。
 もうダメ、おかしくなると口にする頃にはすっかり夜は更けていた。


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