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共通ルート
暴露 ★
しおりを挟むカチャ、という軽い音が扉から聞こえた。
ノブが回り、開いていく扉の動きがやけにゆっくりに見える。
開いた扉の向こうにいた人は驚愕に目を見開きカイルと僕を見つめた。
「何をして……!?」
「なっ……! ああっ、いやあああっ!」
入ってきた団長を視界に入れた瞬間、僕は絶頂を迎えた。
激しく飛沫を上げ、カイルの腕の中で身を跳ねさせる。
「ちっ……。 団長、邪魔しないでくださいよ」
「しかし、お前、アミルのその様子合意じゃないだろう」
「合意ですよ? 合意するまで感じさせてヤってるので」
「お前っ!」
「ああっ! 団長、お願い、見ないでくださ……っ、あっ、カイル……、やめ……」
中に入ったカイル自身は熱を持ったまま。達して敏感になった身体がびくびくと震えてしまう。
切れ切れに制止の声を上げるけれど、カイルは熱を埋め込んだまま笑った。
「なんで? いいじゃん。
団長に見られてると興奮するんでしょ?」
僕よりも僕の体を知りつくしたカイルにはわかってしまっている。
「好きな相手に他の男に嬲られてるのを見られて感じるなんてどうかしてるよね?」
そう言いながら僕を攻める。身体は中に埋め込まれた熱塊を勝手に締め付けあられもない声を抑えることもできない。
「ほんとだろ? さっきよりずっと声出てる」
「違っ、」
「違わないよ?
さっきから俺は動いてない」
カイルの言う通りだった。
驚愕に染まった団長の目が、僕の痴態を見ている。
団長が、僕を……。
「……~~~~っ!!」
ぎゅうっと収縮した内壁がカイルを締め付ける。
ひくひくと見られる喜びに蠢く身体が信じられなくて絶望に首を振る。
団長の視線に感じ入ってる僕を呆然と見つめていた団長の目の色が変わる。
驚愕、欲望、そして――、拒絶。
「~~~~~っっっ!!」
そんな視線にすら感じてしまった僕のペニスから小さく雫が零れる。
「あ、何、団長に見られてるだけでイっちゃった?
アミルってホント淫乱」
楽しそうな声に揶揄されて目の前が真っ暗になった。
団長にこんな淫らではしたない姿を見られてしまったなんて。
首を振って受け入れられない現実を拒否する。
なのに、まだ離れない視線に身体が熱を持っていく。
「いやあっ!
お願いです、見ないでっ……!」
僕の発した悲鳴のような声にはっとした団長が顔を背ける。
「そのまま見ててくれて良かったのに]
楽しそうな声のカイル。
全く悪びれないからかうような声音に団長の怒りが爆発した。
「ふざけるなっ!
話は後で聞かせてもらうが、うやむやにできると思うなよ!!」
バタンッと大きな音をさせて扉が閉まる。
団長の激しい怒りにも堪えた様子はない。閉じた扉を見てカイルはくつくつと喉を震わせて笑っていた。
「あーあ、残念。
でもそれで良かったかも」
僕の肩に顎を乗せ耳元に口を寄せる。
「あのまま見られ続けてたらアミル、イきっぱなしで死んじゃったかもしれないし」
息と共に耳に吹き込まれる言葉に恐怖で震える。
信じられないと驚愕に染まった視線を思い出し中がきゅうっと収縮する。
「ああっ」
ふっと鼻で笑う気配がして、カイルの唇が耳朶に寄せられる。
「でも団長のことだから終わるまで近くにいるだろうな」
カイルの言葉にびくりと震えた。
「俺がアミルに無体をしないか、ちゃんと解放するまで離れたところで様子を見ていると思うよ」
吹き込まれる内容に何もされていない内壁が蠢き中に入ったカイルを締め付ける。
「アミルの声が聞こえる度に俺への怒りに拳を震わせ、アミルが無事に解放されるか心配してるだろうな」
「……っ! ~~っ!」
団長の話をされる度に僕のナカは勝手にきゅうきゅうカイルを締め付ける。
「聞かせてあげたら?」
カイルの囁きに首をぶんぶんと振って拒否をする。
これ以上もう知られたくない。
「そう? まあいいけど」
諦めてくれた様子にほっと息を吐く。
その油断を突いてカイルが腰を突き上げた。
「っ! ……っ! ……っぅん!!」
「なんかつまらないなー。
団長も途中までイイ反応だったのに。
あそこで混ぜてほしいって言ってくれたら最高だったな」
団長がそんなことを言うわけがない。
そんな、爛れたこと。
「まあいいや、あんまり長くすると団長うるさそうだし、さっさと終わらそっか」
足を持ち上げて深く一気に貫かれ、今度こそ悲鳴を上げた。
「あ、イイ声。
団長外で聞いてるんだろうなー」
僕の声を団長が聞いている。
それだけで快感に頭が痺れてくるようだった。
「ああああああっ!!」
ぎゅうっと収縮した中へカイルの飛沫が放たれた。
「やっぱアミルいいね」
囁かれた言葉の意味もわからないほど深く達する。
「じゃあ、団長に説明してくるからこれでね。
アミルは休んでていいよ。
団長の視線に晒されたらまた発情しちゃうかもしれないし」
馬鹿にするような言葉にきゅうと内部が蠢いた。
長時間弄ばれ、ようやく解放されたばかりでもうこれ以上は嫌だと思っているのに……。
あの視線が注がれた瞬間を思い出すだけで身体が疼いた。
カイルの言う通り、僕はどうしようもない淫乱だった。
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