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side ハスライト
5.1
しおりを挟むその日もミュランが王太子妃教育を終えたらお茶会をすることになっていた。
俺は今日こそは告白したいと意気込み、政務を早急に終わらせてミュランが来るのを待っていた。
すると、突然入口のドアがあき、何事かと立ち上がればフィース男爵令嬢がいた。
「ハスライト様!お会いしたかったですぅ」
フィース男爵家は地位こそ低いが古くから王家に仕えてくれていた。
前当主が母と幼馴染だったようで、よくお忍びで遊んでいたようだ。
ちなみにこの国の爵位は男女どちらでも継げる。
前当主は女当主として相当なやり手で陰ながら王家を支えてきた。その手腕で上に昇ることもできたが、陰で王家を支えたい、権力はいらないといい、男爵位のままになっていた。
しかし、その息子の現当主であるフィース男爵は相当な野心家だ。
母の行いを恥として認識し、自分は王家に仕えながらその権力を我が物にしようとしている。
また年頃の娘を利用し、過去の業績から男爵家でも俺との婚約を打診してきた。
その時俺はすでにミュランが好きだったし、婚約していたが、事あるごとに娘を城につれてきては俺のところに仕向ける始末だった。
父上や母上も厳しく言いつけてはいるようだが、あまり効果はないようだった。
大きな問題を起こしているわけでもなく、処罰することもできないため俺がなんとかするしかなかった。
しかしこのフィース男爵令嬢は俺に好かれているかのように接して来て、諦める様子などまったくなかった。
できる限り会わないようにしているが、こう堂々と警備を抜けてこられると対処せざるを得ない。
一応許可をとって王宮に入っているから、警備の者も強くは言えなかった。しかしこう何度も来られると困るので俺から注意したが、今日は女としての魅力を最大限使い騎士たちを誘惑し、怯んだすきにそのまま俺のところへ来たようだ。
「はぁ…騎士たちの処罰と見直し、父上への報告、あとは…」
これからやらないといけないことを考えると頭が痛くなる。
「今日君との約束はしてないが?」
「ハスライト様が私に会いたいと思って!」
本気でそう思ってるなら修道院に行かせる前に医者にみせたほうがいいな。
「騎士の制御を無視し、急な訪問に無断入室、不敬だと思わないのか?」
「そんなこと言わないでくださいハスライトさま、きゃぁ!」
「っ!」
フィース男爵令嬢がこっちに向かおうとしてバランスを崩してしまい、思わず手を貸してしまった。
これは完全に俺の落ち度だ。
「ハスライト様、ありがとうございますぅ。」
その時わざとだと確信したが、手を貸したことをいいことにそのまま腕をぎゅっと絡めてくる。
女性に手を上げる事はできないが、煩わしくて手を離そうとしたとき、
ミュランが部屋に入ってきた。
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