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第4話_1 二人で試してみる※
しおりを挟む北の帝国の最北端にある古城――。
一緒に住むことになった辺境伯シュタインは、金髪碧眼に綺麗な顔をしたイケメンだ。
話を聞いたところ、どうやらわたしよりも一歳年下だったことがわかる。
(年下だったなんて……帝国だと成人扱いで爵位ももらう年齢なのね……それにしたって、情けないし、なよっちい男)
そういえば、かなり広い城だというのに使用人などはおらず、住んでいるのはシュタインだけのようだった。
理由に関して、彼はゴニョゴニョ濁していたので、真相は藪の中である――。
(おおかた、死体がたくさん安置されていたりするから、皆怖くなって出ていったってところかしらね――?)
あまりに埃っぽくてカビ臭い城の中――。
一緒に住むようになって、ひとまず寝室から始まり、次にダイニングに給仕室、トイレに風呂と――とにかくだだっぴろくて、無駄に豪奢な建物の中を、わたしは掃除してまわっていた。
(これまでどうやって生活してきたの……? お風呂とかちゃんと入ってたのよね……)
疑問は多々あるが、介入はしないでおくことにした。
※※※
二人で一緒に生活を始めて以来、掃除と並行しながら――。
――シュタインとわたしは、わたしがどうにかして死ぬことができないか様々な方法を試してみた。
まずは飛び降り、これはわりと楽な手段で、崖の上から落ちようとしてみたが、なぜかうまく木の枝に引っかかって死ぬことができない。
次に、首つり。首に布を巻き付けて、シュタインにつってもらうわけだが、どう固く首に巻き付けたとしても、なぜか私の身体は落下してしまう。
紙でも食べて窒息死しようかと試みたが、普通に喉を通りすぎていき、翌日お腹が痛くなるだけだった。
通りすがりの馬車に飛び込んでみたが、逆に馬車が横転して大惨事になったので、もうしないと心に決める。
そうして、死ねるとは思えないが、とりあえず首に短刀でも当ててみた。
しかし、結果はと言えば――。
「うわぁあああああああっ!」
なぜかシュタインがケガしていた。
(指先をちくっと刺しただけなのに、なんて情けない――)
「ほら、貸しなさいよ」
シュタインの手をとり、指に清潔な布を巻いてやった。
「あ、ありがとう……」
彼はなぜか頬を赤らめる。
(何? どうしたわけ……?)
死体愛好家のシュタインが、生身の女性に興味がわくはずがないので、まあひとまずは気にしないようにした。
他にもいろいろ死ねないか試してみたが、やはり難しかった。
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