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第3話_2 身体の関係からはじまる※

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「うわ、締め付けられて、で、出そう――」

 シュタインが苦し気に呻く――。

 彼の巨根が、少しだけ動いただけだったけれど――。

「っあ、あ、あ、あ――あああんっ――!」

 身体全体に突き抜ける感覚が走り、全身がびくびくと震えた。
 同時に、お腹の奥に熱い飛沫がまき散らされたのが分かる。

(今までに感じたことのない衝撃が走っていったわ――)

 こんなこともあるのだと、わたしは肩で息をしながら考えていた。

 だけど――。

「はあ、うーん、死んではないわね……」

 荒い呼吸のまま、ちらりと身体の下にいる顔だけ良い男を見下ろした。
 
(なに、こいつの顔――)

 またもや、わたしはげんなりしてしまう。

 眼鏡のずれたシュタインは、恍惚とした表情を浮かべていた。
 たぶん、初めて女性の身体の中に射精したのだろう。

(すごくにやついてる……死体愛好家なのに、生身の人間で大丈夫なわけ? 顔は良いけど、やっぱりなんだか気持ち悪い――でも――)

「ねえ、シュタイン――お願いがあるの――」

 妖艶とも言われたことのある笑みをわたしは浮かべる。白くて長い髪が、さらりと汗ばむ彼の身体に触れた。
 下を向いて声を掛けると、間抜けな顔でシュタインはこちらを覗いてきた。


「わたしは死にたい。貴方は、『最愛の妻』であるわたし――死んだヴィオレッタを取り返したい――それなら、わたしが死ねるように、今後も手を貸してくれないかしら――? もちろん腹上死がベストだけど、なんなら他の手段でもいいから――」


 彼はぎょっとした表情でこちらを見ていた。

「殺人は趣味じゃないんだ」

 わたしは彼をねめつける。

「ひとの処女奪ったんだから、色々と責任とりなさいよ――」

「処女奪ったら、責任とって自殺ほう助しろなんて、話に論理性がかけらも――」

 わたしは膣にぎゅっと力を込めて、相手の局部を絞り上げた。

「ううっ――!」

 シュタインは情けない声をあげる。

「き、きつい……」

 彼は呻きながらしばらく考え込んだ後――。

「わかったよ。これからも手伝うから! ――き、君、そう言えば、名前はなんていうんだ?」

「わたし?」

 わたしは、下にいる彼ににっこりと笑いかけた。


「ヴィオレッタよ――よろしくね、死後のわたしの旦那様」


「―――が、がんばります……」


 死体愛好家のはずの彼は、わたしを見て頬を赤らめている。


 こうして、北国の古城で、若い二人の奇妙な生活が始まったのだった――。


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