転生したら従者になった話

涼音

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入学式から数週間経ち、新入生もこの学園に慣れ始めて来た頃.......

「2週間後、毎年恒例の新入生歓迎会をしまーす」
と、担任が言った。

「あー、あの歓迎会という名の只の飯食い会か?」
飽きた。と呟きながらギーは言う。
初等部にも一年生歓迎会と言うものが一応あり、だだっ広い講堂に飯が並び音楽を流し、食って踊ってってゆうのが毎年あった。

「そうそう。去年までは中等部もそれだけだったんだが、今年の生徒会がそれだけじゃつまらんって言い始めて、パーティーの他に従者クラス混合ゲームもやるらしい」

ゲーム?

「お、お前ら興味持ったか?そのゲームはな、魔法使用可のシューティングゲームらしいぞ。シューターとターゲット側に分かれてのサバイバルゲーム。いつもは守ってくれる従者も、互い役が違えば敵となるわけだ。」

「先生、それって上級生に有利じゃないですか」
アシュが手を挙げて言った。
確かに、経験値や知識的に上級生が有利だ。

「そうだな。だから、銃のみにしかエンチャントは不可。持ち弾も規定あり。鬼になった奴等には、一定の魔力の限界を付ける魔具を装着して貰い、一回毎の魔術も下位レベルの魔力しか使えないように制限を付ける。ターゲット側は魔術が好き放題使えるらしい」

「へー、で、褒美とかあるわけ?何も無かったら俺サボるぞ」
「褒美な、確か1位は学食1年分、学費1年免除若しくは欲しい物一つ、2位3位は遊園地のペアチケだっけ。なんかそんなもんがあると聞いたが」

もし俺がユラを捕獲して2位か3位になったら、ユラと遊園地!

「せんせー、若干1名既に自分の世界で妄想してる人がいまーす」
「こらフレシアー、お前が鬼になれるとはまだ決まってないんだぞー」
「いてっ」

担任がペンを頭に投げて来やがった。

「でもせんせー、それじゃあ逃げ人には何もメリットないじゃないですか」
確かにアルの言う通りだ。

「そうだな。最後まで逃げ切れた奴には学食か学費1年分若しくは欲しい物一つプレゼントだとよ」
「なるほど。じゃあ、逃げ役になったら逃げ切るか、シューターで1位になったらこの国貰うか」
「は?ギーバカなの?限度ってもんを知らんのか」
「アシュ、お前こそバカか?冗談に決まってるだろ」
「お前の冗談は冗談に聞こえないんだよ」
確かに。

「すまん。『予算内で欲しい物』の方が正しかったな。」
「ちっ」
あ、冗談とか言って割と本気で言ってたな。

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