CREATED WORLD

猫手水晶

文字の大きさ
上 下
25 / 51
第3話

第3話 出発 (8)

しおりを挟む
CREATED WORLD
第3話 出発
 「その事について、今はみんないい気持ちではないだろうよー。だから今回はここから抜け出す事に関しての話し合いはせずこれで終わりにするぜー。」
 二人はそのことに了承し、食事に戻った。
 先程の話から、イリーア達は脱獄を企んでいるという事がわかる。
 私も何の理由で捕まったのかわからないままここに連れて行かれた身なので、その理由を知るためにも、まずは彼女らに協力して、ここから抜け出そうと思った。
 イリーアとドクディスは悪い人には見えないが、リディグは何を考えているのかわからず、この脱獄に協力してくれるのかどうかわからず、そもそもこの牢獄に入れられた理由が非道なものだとしたら、自分は心理的にあまり彼とは協力したくはない…
 でも、私は人を第一印象だけで評価したくはないとも思った。
 ひとまずリディグ含めた、イリーア達3人を信用し、一緒に脱獄しようと思った。
 食事はこの牢獄に入る前とはあまり変わらず、人工の固形食が3分の2の
大きさにカットされたものと、コップ一杯の飲料水だった。
 正直この牢獄に入る前も、食事はその固形食が一食1個だけだったので、もうこの味にはなれていて、あまり苦ではなかった。
 そもそもこの世界、「人工の新天地」では、この固形食しか食べるものがない。
 あまり味もおいしくなく、この味にもなれてしまった。
 そもそも、栄養を取り込むだけになってしまった人類には、味覚という感覚は必要なのだろうか?
 そんな事を思いながらも、私は全部食べきり、軍服の男の先導のもと、私達4人は食堂を後にした。
 バスケットボールのコートがある広場に私達を案内し、軍服の男は言った。
 「囚人番号125番、ミサはついてこい、ミサ以外のお前達はこのまま自由時間でいい。」
 私は全身を恐怖の感情がつたい、とてつもない寒気がした。

 私はこれからどこへ連れていかれるのだろうか…

 もしかすると、連れて行かれた先で、自分の命が奪われてしまうのかもしれない…

 廊下で歩いている時間がとてつもなく長い時間に感じ、歩いている廊下も薄暗く思えた。

 私が通された部屋には、一脚の椅子があり、その向こうには強化ガラスになっていて、その向こうに、二人の軍人が座っていた。

 「結論から言おう、囚人番号125番、ミサ。」

「お前、俺達の軍に入らないか?」

私が椅子に座ると、二人の軍人のうちの一人が、間をおいてそう言った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

タイムワープ艦隊2024

山本 双六
SF
太平洋を横断する日本機動部隊。この日本があるのは、大東亜(太平洋)戦争に勝利したことである。そんな日本が勝った理由は、ある機動部隊が来たことであるらしい。人呼んで「神の機動部隊」である。 この世界では、太平洋戦争で日本が勝った世界戦で書いています。(毎回、太平洋戦争系が日本ばかり勝っ世界線ですいません)逆ファイナルカウントダウンと考えてもらえればいいかと思います。只今、続編も同時並行で書いています!お楽しみに!

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

【本格ハードSF】人類は孤独ではなかった――タイタン探査が明らかにした新たな知性との邂逅

シャーロット
SF
土星の謎めいた衛星タイタン。その氷と液体メタンに覆われた湖の底で、独自の知性体「エリディアン」が進化を遂げていた。透き通った体を持つ彼らは、精緻な振動を通じてコミュニケーションを取り、環境を形作ることで「共鳴」という文化を育んできた。しかし、その平穏な世界に、人類の探査機が到着したことで大きな転機が訪れる。 探査機が発するリズミカルな振動はエリディアンたちの関心を引き、慎重なやり取りが始まる。これが、異なる文明同士の架け橋となる最初の一歩だった。「エンデュランスII号」の探査チームはエリディアンの振動信号を解読し、応答を送り返すことで対話を試みる。エリディアンたちは興味を抱きつつも警戒を続けながら、人類との画期的な知識交換を進める。 その後、人類は振動を光のパターンに変換できる「光の道具」をエリディアンに提供する。この装置は、彼らのコミュニケーション方法を再定義し、文化の可能性を飛躍的に拡大させるものだった。エリディアンたちはこの道具を受け入れ、新たな形でネットワークを調和させながら、光と振動の新しい次元を発見していく。 エリディアンがこうした革新を適応し、統合していく中で、人類はその変化を見守り、知識の共有がもたらす可能性の大きさに驚嘆する。同時に、彼らが自然現象を調和させる能力、たとえばタイタン地震を振動によって抑える力は、人類の理解を超えた生物学的・文化的な深みを示している。 この「ファーストコンタクト」の物語は、共存や進化、そして異なる知性体がもたらす無限の可能性を探るものだ。光と振動の共鳴が、2つの文明が未知へ挑む新たな時代の幕開けを象徴し、互いの好奇心と尊敬、希望に満ちた未来を切り開いていく。 -- プロモーション用の動画を作成しました。 オリジナルの画像をオリジナルの音楽で紹介しています。 https://www.youtube.com/watch?v=G_FW_nUXZiQ

処理中です...