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第11話 マーリス目線
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「くそ!」
部屋を出た後、私は小さくそう吐き捨てた。
ただ、惨めな父を馬鹿にするためにあったはずなのに、自分の弱みを晒しそうになったという事実は、想像以上に私に苛立ちを抱かせていた。
「……いや、大丈夫だ。あれだけで全てが分かるほど、あの男は優秀では無い」
自分にそう言い聞かせ、私は自分の心をなだめようとするが、胸の中にある苛立ちは中々治らない。
「マーリス様、どうしましたの!」
「……マルシェ」
新しい婚約者が現れたのはそのときだった。
こちらへと走りよってきたマルシェはこちらを心配そうに見上げてくる。
「……もしかして、当主様に婚約破棄の件で何か言われて……」
そう告げたマルシェの顔に浮かんでいたのは、隠しきれない罪悪感だった。
だが、次の瞬間マルシェはその顔に笑みを浮かべて口を開いた。
「大丈夫ですわ!当主様も直ぐにこの婚約を認めてくださいますわ!マーリス様の名が上がれば直ぐに!」
そのマルシェの言葉に、私は自尊心が満たされ、自分の中の苛立ちが消えていくのを感じる。
確かにその通りだ。
私が名を上げれば、もう気にすることなど何もない。
そう思い直した私は、感謝を告げるべくマルシェへと笑いかける。
「ああ、すまない。つまらないことに気を取られていたみたいだ」
「いえ!マーリス様のお役にたてたなら、何の問題もありませんわ!」
その私の言葉に、マルシェは顔を輝かせて笑う。
そして、次の瞬間マルシェは何かを思い付いたように顔を輝かせながら口を開いた。
「そうですわ!私たちの結婚式でサラリア嬢が思い合っていた私たちの邪魔をしたことを伝えましょう!婚約破棄の正当性を他の方々に教えるために!」
「え……、いや、それはいいな」
そのマルシェの言葉に一瞬私は悩み、けれど直ぐに頷き返した。
正直、サラリアが私とマルシェの仲を邪魔していたなんてことはない。
今だって、私にとってマルシェは辺境伯との政略的な価値しか見いだしておらず、恋愛感情など抱いてはいない。
面倒だから、サラリアが邪魔したことにして、適当に誤魔化していたに過ぎない。
けれど、事実はどうあれ、その話はサラリアの名を落とすのに有効に使える。
そう考え、私は頭を巡らす。
もう現時点でサラリアは、令嬢として終わっている。
その状況で、婚約者えお束縛しながら自分は浮気していたという噂を流せば、最早サラリアの名は地に堕ちる。
その上、その噂には婚約破棄後直ぐの婚姻を誤魔化すことに使える。
最低の婚約者が罰せられ、叶わぬ恋が成就したと思わせるのだ。
もちろん、それでも反発は出るだろうが、今までよりも風当たりはましになるに違いない。
サラリアに、全ての悪評を被ってもらうのだ。
おそらくサラリアは最悪の事態に陥るだろうが、そうなれば愛妾としてやろう。
私はその自身の考えに満足し、独りでに頷く。
そして、直ぐに早速行動を起こそうとする。
「マーリス様、お客様です!」
……使用人からの、そんな声が響いたのはそのときだった。
部屋を出た後、私は小さくそう吐き捨てた。
ただ、惨めな父を馬鹿にするためにあったはずなのに、自分の弱みを晒しそうになったという事実は、想像以上に私に苛立ちを抱かせていた。
「……いや、大丈夫だ。あれだけで全てが分かるほど、あの男は優秀では無い」
自分にそう言い聞かせ、私は自分の心をなだめようとするが、胸の中にある苛立ちは中々治らない。
「マーリス様、どうしましたの!」
「……マルシェ」
新しい婚約者が現れたのはそのときだった。
こちらへと走りよってきたマルシェはこちらを心配そうに見上げてくる。
「……もしかして、当主様に婚約破棄の件で何か言われて……」
そう告げたマルシェの顔に浮かんでいたのは、隠しきれない罪悪感だった。
だが、次の瞬間マルシェはその顔に笑みを浮かべて口を開いた。
「大丈夫ですわ!当主様も直ぐにこの婚約を認めてくださいますわ!マーリス様の名が上がれば直ぐに!」
そのマルシェの言葉に、私は自尊心が満たされ、自分の中の苛立ちが消えていくのを感じる。
確かにその通りだ。
私が名を上げれば、もう気にすることなど何もない。
そう思い直した私は、感謝を告げるべくマルシェへと笑いかける。
「ああ、すまない。つまらないことに気を取られていたみたいだ」
「いえ!マーリス様のお役にたてたなら、何の問題もありませんわ!」
その私の言葉に、マルシェは顔を輝かせて笑う。
そして、次の瞬間マルシェは何かを思い付いたように顔を輝かせながら口を開いた。
「そうですわ!私たちの結婚式でサラリア嬢が思い合っていた私たちの邪魔をしたことを伝えましょう!婚約破棄の正当性を他の方々に教えるために!」
「え……、いや、それはいいな」
そのマルシェの言葉に一瞬私は悩み、けれど直ぐに頷き返した。
正直、サラリアが私とマルシェの仲を邪魔していたなんてことはない。
今だって、私にとってマルシェは辺境伯との政略的な価値しか見いだしておらず、恋愛感情など抱いてはいない。
面倒だから、サラリアが邪魔したことにして、適当に誤魔化していたに過ぎない。
けれど、事実はどうあれ、その話はサラリアの名を落とすのに有効に使える。
そう考え、私は頭を巡らす。
もう現時点でサラリアは、令嬢として終わっている。
その状況で、婚約者えお束縛しながら自分は浮気していたという噂を流せば、最早サラリアの名は地に堕ちる。
その上、その噂には婚約破棄後直ぐの婚姻を誤魔化すことに使える。
最低の婚約者が罰せられ、叶わぬ恋が成就したと思わせるのだ。
もちろん、それでも反発は出るだろうが、今までよりも風当たりはましになるに違いない。
サラリアに、全ての悪評を被ってもらうのだ。
おそらくサラリアは最悪の事態に陥るだろうが、そうなれば愛妾としてやろう。
私はその自身の考えに満足し、独りでに頷く。
そして、直ぐに早速行動を起こそうとする。
「マーリス様、お客様です!」
……使用人からの、そんな声が響いたのはそのときだった。
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