チューベローズ

スメラギ

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本編

43ー義輝Sideー

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 「君が選ばれた存在かどうかなんてこっちにはどうでも良い事なんだよね。そう、思っていたいなら思っておけば良いでしょ?」

 俺の雰囲気が変わったのが分かったのか、劣等種の顔から表情が消えた。

 「君の戯言に付き合ってやれるほど暇ではないんだよね。分かってくれるかなぁ」

 そう言って笑みをたたえたまま首を傾げると劣等種の顔から血の気が引いた。

 「君たちには、迷惑をかけられたからねぇ。それ相応の償いってヤツをしてもらおうと思ってね。だから、とある場所へ突き出すのはやめたんだよ。突き出してオワリなんて生温いでしょ?」

 クスッと笑って劣等種と視線を合わせると、ガタガタと身体を震わせて怯えている。

 「い、いったい…な、なにを!?」

 そう言って俺を見た劣等種の声は情けないくらいに震えていた。この情けない姿を修兵にも見せてやりたいくらいだと思ったが…こういう・・・・場面を見せたくはない。

 そういう・・・・のを好む性格でもないだろう。俺が動いた事を知って、これからの処分を知って、このゴミたちに罪悪感を抱いてしまうかもしれないだろう…絶対に無いとは言い切れない。

 「何を?簡単な話だよ。君たちにはとある場所・・・・・へと行ってもらって、とある場所・・・・・とある薬・・・・の効果をその身を以て証明してもらう事にした。社会に貢献してもらう事にしたんだ~良かったねぇ。社会の役に立てるよ~」

 そう言って大袈裟に喜んでやると、ますます顔色も悪くなった。一応、劣等種は言葉の意味を理解したようだ。そこまでオツムは弱くなかったらしい…

 しかし、それとは逆に頭の弱いクソビッチオメガは訳がわからないと口を開いた。
 「ねぇ、どういう事なの?」と劣等種に聞いている。すると、硬い表情で劣等種はこう言った「俺たちで人体実験をするつもりなんだ。」と…

 すると、バカはハッとしたように俺を見る。

 「わ、私は悪くないわ。ねぇ、アナタお金も持っているし、強いんでしょ?良ければ私と番わない?悪くない話だと思うわ」

 なんて真面目な顔をしてそう言ってきた。そして、隣で顔色を悪くして転げていた劣等種は信じられないモノを見る目でクソビッチオメガを見ている。
 しかし、ソレに気づいていないバカはわざとらしく潤んだような瞳で俺を見つめ、なんの魅力も感じない汚いとすら思える身体肉の塊を使って取り入って来ようとする。

 この劣等種に別のオメガをあてがって、このゴミは処理してしまおうかと本気で考えてしまった。

 「悪くない?なぜ?」
 「私、オメガなんです」
 「知ってるよ。そこの劣等種と番っているからねぇ。」
 「アルファとオメガの身体の相性は凄く良いって言いますよね?そのアルファが強ければ強いほどヨクなるって聞いたことあります」

 『この女は何を言ってるんだ?』と思ったのは俺だけでは無かったようだ…海斗も陽斗も『は?』という表情でコレを見下していた。

 (そんな話は聞いた事もない…)

 気持ち悪いモノを見る目で見てしまったのは仕方ないと思う。
 
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