チューベローズ

スメラギ

文字の大きさ
上 下
46 / 88
本編

43ー義輝Sideー

しおりを挟む
 
 「君が選ばれた存在かどうかなんてこっちにはどうでも良い事なんだよね。そう、思っていたいなら思っておけば良いでしょ?」

 俺の雰囲気が変わったのが分かったのか、劣等種の顔から表情が消えた。

 「君の戯言に付き合ってやれるほど暇ではないんだよね。分かってくれるかなぁ」

 そう言って笑みをたたえたまま首を傾げると劣等種の顔から血の気が引いた。

 「君たちには、迷惑をかけられたからねぇ。それ相応の償いってヤツをしてもらおうと思ってね。だから、とある場所へ突き出すのはやめたんだよ。突き出してオワリなんて生温いでしょ?」

 クスッと笑って劣等種と視線を合わせると、ガタガタと身体を震わせて怯えている。

 「い、いったい…な、なにを!?」

 そう言って俺を見た劣等種の声は情けないくらいに震えていた。この情けない姿を修兵にも見せてやりたいくらいだと思ったが…こういう・・・・場面を見せたくはない。

 そういう・・・・のを好む性格でもないだろう。俺が動いた事を知って、これからの処分を知って、このゴミたちに罪悪感を抱いてしまうかもしれないだろう…絶対に無いとは言い切れない。

 「何を?簡単な話だよ。君たちにはとある場所・・・・・へと行ってもらって、とある場所・・・・・とある薬・・・・の効果をその身を以て証明してもらう事にした。社会に貢献してもらう事にしたんだ~良かったねぇ。社会の役に立てるよ~」

 そう言って大袈裟に喜んでやると、ますます顔色も悪くなった。一応、劣等種は言葉の意味を理解したようだ。そこまでオツムは弱くなかったらしい…

 しかし、それとは逆に頭の弱いクソビッチオメガは訳がわからないと口を開いた。
 「ねぇ、どういう事なの?」と劣等種に聞いている。すると、硬い表情で劣等種はこう言った「俺たちで人体実験をするつもりなんだ。」と…

 すると、バカはハッとしたように俺を見る。

 「わ、私は悪くないわ。ねぇ、アナタお金も持っているし、強いんでしょ?良ければ私と番わない?悪くない話だと思うわ」

 なんて真面目な顔をしてそう言ってきた。そして、隣で顔色を悪くして転げていた劣等種は信じられないモノを見る目でクソビッチオメガを見ている。
 しかし、ソレに気づいていないバカはわざとらしく潤んだような瞳で俺を見つめ、なんの魅力も感じない汚いとすら思える身体肉の塊を使って取り入って来ようとする。

 この劣等種に別のオメガをあてがって、このゴミは処理してしまおうかと本気で考えてしまった。

 「悪くない?なぜ?」
 「私、オメガなんです」
 「知ってるよ。そこの劣等種と番っているからねぇ。」
 「アルファとオメガの身体の相性は凄く良いって言いますよね?そのアルファが強ければ強いほどヨクなるって聞いたことあります」

 『この女は何を言ってるんだ?』と思ったのは俺だけでは無かったようだ…海斗も陽斗も『は?』という表情でコレを見下していた。

 (そんな話は聞いた事もない…)

 気持ち悪いモノを見る目で見てしまったのは仕方ないと思う。
 
しおりを挟む
**
【禁止次項】
●転載、盗作、荒し、中傷、醸し
●他の作品と比べること
**
【注意次項】
●説明文とか下手です。(キャラも時折迷子になります。)
●物語最終話までの構成などは全く考えておりません。(大体グダグダです。)
●全て妄想で書き上げています。(自己満足です。)
●専門的な知識などは皆無です。(ご都合主義です。)
●気がついたら直していますが、誤字やおかしい文章など多数あります。(ごめんなさい。)
●R指定は念のため【R-18→*】
●メンタル弱いです。暖かい目で見てやってください
***

全ては“自己責任”でお読み下さい。


感想 5

あなたにおすすめの小説

後輩に嫌われたと思った先輩と その先輩から突然ブロックされた後輩との、その後の話し…

まゆゆ
BL
澄 真広 (スミ マヒロ) は、高校三年の卒業式の日から。 5年に渡って拗らせた恋を抱えていた。 相手は、後輩の久元 朱 (クモト シュウ) 5年前の卒業式の日、想いを告げるか迷いながら待って居たが、シュウは現れず。振られたと思い込む。 一方で、シュウは、澄が急に自分をブロックしてきた事にショックを受ける。 唯一自分を、励ましてくれた先輩からのブロックを時折思い出しては、辛くなっていた。 それは、澄も同じであの日、来てくれたら今とは違っていたはずで仮に振られたとしても、ここまで拗らせることもなかったと考えていた。 そんな5年後の今、シュウは住み込み先で失敗して追い出された途方に暮れていた。 そこへ社会人となっていた澄と再会する。 果たして5年越しの恋は、動き出すのか? 表紙のイラストは、Daysさんで作らせていただきました。

田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?

下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。 そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。 アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。 公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。 アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。 一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。 これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。 小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。

『これで最後だから』と、抱きしめた腕の中で泣いていた

和泉奏
BL
「…俺も、愛しています」と返した従者の表情は、泣きそうなのに綺麗で。 皇太子×従者

暑がりになったのはお前のせいかっ

わさび
BL
ただのβである僕は最近身体の調子が悪い なんでだろう? そんな僕の隣には今日も光り輝くαの幼馴染、空がいた

何故か正妻になった男の僕。

selen
BL
『側妻になった男の僕。』の続きです(⌒▽⌒) blさいこう✩.*˚主従らぶさいこう✩.*˚✩.*˚

なぜか大好きな親友に告白されました

結城なぎ
BL
ずっと好きだった親友、祐也に告白された智佳。祐也はなにか勘違いしてるみたいで…。お互いにお互いを好きだった2人が結ばれるお話。 ムーンライトノベルズのほうで投稿した話を短編にまとめたものになります。初投稿です。ムーンライトノベルズのほうでは攻めsideを投稿中です。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

処理中です...