35 / 58
35話 リュウトがナナファ―ナとライナを婚約者にする
しおりを挟むリュウトたちが領地の城に移転して帰ると、城の見える丘には人だかりが出来ていて海には人を乗せた船が沢山出おり、不思議に思っていると、城の中から執事のギョウムが出て来て。
「リュウト様、最近は此の城を見るための観光客が増えて、海からの方が綺麗に見えるので漁船が観光船に早変わりして観光客を乗せて案内しています」
「えっ? 本当か!」
「はい、本当です。暇な漁師たちも臨時収入になると喜んで観光客目当てのお土産店も出来て賑やかになり領民も喜んでいます」
領地に観光客が増えて領内が豊かになるのは喜ばしいが、まさか自分の趣味で建てた自宅の城が観光資源になるとは思っていないかったので嬉しい誤算だった。
その日の昼過ぎに、諜報部のハンドイとサスハにサイゾィが来て、サイゾィが帝国の情勢と出来事を詳しく話し、聖国と帝国の間が険悪な状態になり。近く戦争が始るかも知れないと報告した。
聖国と帝国が争うと、オスガン王国が漁夫の利を得、有利になるので喜び。
「サイゾィ、良くやった。褒美に大金貨10枚を渡そう。それと空いている屋敷があるのでその屋敷も褒美に渡そう」
「ええー! 本当ですか。嬉しい~、 リュウト様ありがとございます」
次にサスハが聖国で見た事を報告すると。
「本当なら、聖国の教皇は人間ではなく何者なのだ。サスハすまないがもう一度、聖国に潜入してくれ。大聖堂に潜入するのは危険だから見張るだけで良い。何か気になる事があったらどんな小さな事でも良いから通信機で知らせてくれ」
「はい、分かりました。俺もサイゾィに負けないように頑張ります」
「うん、頼むぞ、褒美は帰ってきたら渡すから期待しておきなさい」
こうして、サスハは監視する為に聖国に舞い戻った。
次の日に王国から連絡があり、至急に国王が会いたいと言った来た。
移転して王城に行くと、いつものように執事のサバンが出迎えてくれ。
「リュウト様お元気で何よりです。ガンゾイ辺境伯より連絡があり。リュウト様の剣の腕が凄くて驚いたと言っておりましたぞ」
「うん、僕も自分で驚いたよ。それより国王の用事は何かわかるか」
「先日、バンダイ公国からの使者が来ましたのでバンダイ公国の事かも知れませんな」
「そうか。まっ、国王に会ったら分かるか」
案内された部屋に入ると、バイセラ国王の隣の椅子に虎獣人がいて国王が。
「リュウト様、呼び立てすみませんでした。紹介します。隣にいるのは、バンダイ公国の軍務大臣ザーガイ・ガオンです」
「リュウト龍神王様、初めてお目に掛かれて光栄に存じます。私はバンダイ公国の軍務大臣ザーガイ・ガオンと申します。この度はバンダイ公国を代表してご挨拶に伺いました」
「丁寧な挨拶痛み入る。だが僕は堅苦しいのが大嫌いなので普通に話してくれるか」
「ガッハハー リュウト様は噂通りに面白い方ですな。わしも堅苦しいのは苦手なのでありがたいです」
「バンダイ公国の様子はどうなんだ」
ザーガイの話によると、ナチラス聖国とは領地を接していないので今のところ何事もないが、帝国とは領地を接していて帝国は大陸を制覇しようとしている野望を隠さず。
公国に侵攻しようとしているので対策はしているがリュウトに公国に来てもらい、助言をしてほしいと言い。
「公国の国教は、龍神教で国民の殆どんとが龍神教の信者なので一度、訪問して陛下を始め主要な人と会って欲しいのです。お願い出来ませんか」
今はまだ聖国と帝国には自分が龍神王と知られたく無いので迷い。
「僕が、龍神王だと知られない様に出来るのなら訪問しても良いが」
「おおー ありがたい。それなら大丈夫です。リュウト様は、強いと聞いておりますが、わしも10年近く誰にも負けた事がありません。一度、手合わせてみたですな」
獣人族は魔法は使えないが、身体能力が強く肉弾戦に強いのは知っていた。
精神力はどうなのかと思い、威圧感を強めにして睨んでみると、ザーガイが顔を青くして脂汗を流して。
「ま、参りました! 聞いておりましたが。まさか、こんなにも強いとは・・・・もし手合わせしても、わしは瞬殺されるでしょうな」
「ザーガイも強いな、普通の人間なら意識が無くなるはずだ」
「何とか意地で持ちこたえました、良い土産話が出来ました。アッ、そう言えば、公国の第2王女のライナ様がリュウト様に世話になっていますが、父親のナルアン陛下からお転婆な娘だが末永く宜しくと、言付かっております」
リュウトは、(末永く???・・・・)ザーガイの言葉に爆弾を落とされた気分だったのだ。
こうしてリュウトは、バンダイ公国を訪問する事になったのである。
今後に備えて連絡を取り合えるようにザーガイに通信機を渡してザーガイが退出すると、バイセラ国王が。
「ナナファ―ナとライナがお世話になっております。リュウト様は2人を女性としてどう思っておられますか?」
「2人とも、素晴らしい女性だと思っているよ」
国王は、アリラファ王妃に頼まれていたので。
「おーい! アリラファ来てくれるか」
隣の部屋からアリラファ王妃が現れて。
「リュウト様、お久しぶりです。ナナファ―ナとライナの2人はリュウト様に惚れ抜いております。リュウト様は2人を嫌いですか?」
「嫌いでは無いよ。2人とも綺麗で優しいし、大好きだ」
「それは、良かったですわ。では、2人と結婚しても問題が無いですわね。此れからは、ナナファ―ナとライナをリュウト様の婚約者として扱うように致しますのでご安心くださいませ」
思いがけない展開に焦ったが、断わる理由も見つからず。アリラファ王妃の手管に掛かり、ナナファ―ナとライナが婚約者になったのでした。
調子乗った国王が。
「リュウト様とナナファ―ナの子供は、わしの後を継がせる予定です。子作り励んで下さい」
「結婚もしていないのに・・・・・・何が子作りだ~~~!! ・・・・・・」
リュウトの絶叫が王城に響きわたったのだ。
後で知ったが、女性に鈍感なリュウトに対して、アリラファ王妃にナナファ―ナとライナが相談して企てた計画だったのである。
24
お気に入りに追加
667
あなたにおすすめの小説
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界をスキルブックと共に生きていく
大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる