34 / 58
34話 リュウトたちゴブリンとオークと初めて出会う
しおりを挟むリュウトたちは辺境伯領の魔物が出た森に来ている。
1日目は、探知魔法で魔物を探したが見つける事は出来ずに辺境伯家に戻った。
その晩に夕食を食べているとサビーナ夫人がダンライに。
「ねぇ、ダンライ君、娘のサヨナァと結婚して辺境伯家の養子になる気は無いかしら」
「ゲッホ! きゅ、 急に何を言うのですか。サヨナァは綺麗で思いやりがあるから嫌いじゃ無いですが、僕は長男で公爵家の跡取りなので養子は無理です。」
「やっぱりね。貴方の弟さんたちはどんな子なの」
「2男は15歳で、僕が結婚して子供が出来るまでは僕を補佐してくれますが子供が出来たら分家して独立すると思います。3男は13歳で、自由にしていて剣の腕が立つので冒険者を目指しています」
「そうなの、あのね、3男さんは辺境拍家の養子になる気は無いかしら。3男さんが養子に来てくれたらサヨナァを貴方のお嫁さんに出しても良いのよ」
ダンライは、顔を赤くしてサヨナァを見て。
「本当ですか、僕はサヨナァを好きなので、3男の弟を口説いて必ずシャロム辺境伯家の養子にします」
此のやり取りを聞いていたサヨナァは、最初は驚いていたが、ダンライの言葉に喜び。
「ダンライ嬉しいわ。3男さんを絶対口説いて養子にしてね」
僕とガンゾイ辺境伯は、黙って聞いていて事の成り行きに驚いたが、此の話がまとまれば良いなと思った。
その後にシャロム辺境伯家とランキン公爵家が話し合い。3男も養子になる事を快諾してダンライとサヨナァは婚約した。
サヨナァに先を越されたナナファ―ナとライナは、それからリュウトに猛アプローチをし始めたのは別の話だ。
次の日からも魔物を探し、森を探索して3日目に探知魔法に魔獣か魔物の姿を見つけて慎重に近づくと、リュウトはその魔物を見て。
【ゴブリンだ】
ナナファ―ナとライナが。
「な、何? あの青い鬼みたいな生き物は」
見つけた魔物はリュウトが前世のラノベ小説で読んだゴブリンの姿で、体長が140cm位で短い角を持った青鬼みたいだった。
ゴブリンは5匹いて棒切れを持って襲ってきたがダンライがアッと言う間に切り殺してしまい。
「な、何なんだ! 滅茶苦茶、弱いから気が抜けたよ」
ライナがガッカリして。
「まるで、人間の子供みたいね。殺すのが可哀そう」
証拠の為にゴブリンの死体をマジックバックに入れて更に森の奥に入ると、豚顔の鬼が出て来てリュウトはオークだと直ぐに分かって。
「あれは、オークと言ってA級魔獣位、強いかも知れないから注意して」
ライナが弓を絞り、矢を氷結させて放つとオークの頭を突き抜きオークは絶命したのだ。
オークもマジックバックに入れて、更に探索したが、それからは魔物に合う事は無く、移転しないで久ぶりに、車を出して風景を見ながら帰ると。
あの荒れ地だった辺境拍領は豊かな大地に成り、緑豊かな大地に変わって農作物も豊かに育っている。
辺境拍家に戻り、ゴブリンとオークを出して見せるとガンゾイ辺境拍は。
「初めて見る魔物だ。こんな魔物は今まで発見された事が無いはずだ」
リュウトも考えていたが、天使教会の手先だったゾンダイ公爵が召喚魔法を使っていた事を思い出し、もしかしたらナチラス聖国が関わっているかも知れないと思い。
「この世界にいなかった魔物を此の世界と違う世界から召喚したのはナチラス聖国かも知れません。もしかしたらもっと強い魔物を召喚出来てそれに沢山の魔物を召喚されたら大変です」
「そうか、本当なら対策を考えないといけないな」
「はい、ナチラス聖国が攻めて来るなら此の辺境伯領地からしか無いので、僕も対策を考えてみます」
その晩にプテラノ領からシャロム辺境伯領に素早く軍を移動させられないか考えて、前世に読んだ漫画のドラ〇▽ンの何処でもドアを思い出して。
空間移動のドアを作れないかと思い、次の日に辺境伯の屋敷の庭に小屋を建て小屋自体に空間移転魔法を掛けて、登録した人の魔力をドア流すと移転できるようにした。
移転してナナファ―ナとライナを連れて領地の城に行き、城の門の近くにも同じように空間移転の小屋を建て、ナナファ―ナとライナの魔力を登録させ。
「ライナその小屋の扉に魔力を流して移転と言って御覧、辺境伯の庭の小屋に着いたら通信機で連絡して」
ライナが魔力を流して移転と言うとライナの姿が消えて直ぐに通信機に連絡があり。
「大成功したよ~」
リュウトとナナファ―ナも移転扉で移転すると、成功して此れで大勢の兵士を一度に100人くらいは順番に移動が出来るようになり、プテラノ領とシャロム辺境伯領に軍を素早く移動出来る事が可能になった。
移動扉を使ってみたガンゾイ辺境伯が感激して。
「凄いです。これならいざという時にお互いの軍の移動が直ぐに出来て聖国か帝国が攻めて来ても援軍を素早く送る事が出来るので安心です」
それから、指揮権の話し合いをして合同で行動する場合は、最高指揮権はリュウトがすることになった。
次の日に、ガンゾイ辺境伯とダンライが初めて模擬戦をしたのだ。
魔法を使わないで剣だけで戦い、最初はお互いに様子を見て戦い、慣れて来ると激しい攻め合いをしている。
最後はダンライが光速剣の舞でガンゾイ辺境伯の首に剣を当てて勝ちガンゾイ辺境伯が。
「わしが、剣で負けたのは初めてだ。ダンライは剣神だと聞いていたが、あの光速剣の舞は見事で、わしにはダンライの剣の動きが見えなかった。ところでリュウトの剣の腕は同どうなのだ」
リュウトは言われて、魔法を使って魔獣を倒していて剣を使ったことが少なく、自分の剣の腕が分からないので試してみようと思い。
「魔法ばかりで戦っていて剣の腕は分からないので木剣で模擬戦をしてくれませんか」
ガンゾイ辺境伯が模擬戦の相手をしてくれて立ち合い戦うと、何故か相手の動きが止まっているように見えて、動きがスローモーションのように遅く見え。
ガンゾイ辺境伯が打ち込んで来たが、木剣が当たる寸前で身体を少し動かして避け3回ほど避けた。
ガンゾイ辺境伯の動きが余り遅いので、後ろに回り首に木剣を押し付けるとガンゾイ辺境伯が。
「えっ? 参った! わしの負けです」
見ていたナナファ―ナとライナには、リュウトがガンゾイ辺境伯の打ち込んだ木剣が当たると思ったが、3回ともリュウトに当たらず。
不思議に思っていると、リュウトが動いたのが見えないのに、いつの間にかガンゾイ辺境伯の首に木剣を押し当てて勝っているではないか。
ダンライは、物心がついた時から剣の修行をしていたのでリュウトの動きが見え、ガンゾイ辺境伯の木剣が当たる寸前で身体をユラッと揺らして木剣を避け、ダンライでもやっと見える速さでガンゾイ辺境伯の後ろに回り、首に木剣を押し付けて勝ったのが分かり、凄いと思い、咄嗟に。
「リュウト僕と戦って」
と言いい、いつも素振りに使っている、刃のない剣をマジックバックから2本を取り出して1本をリュウトに渡し、有無を言わさずに剣を打ち込んだのだ。
リュウトにも気持ちが伝わったのか、リュウトも剣を構えてダンライの剣を弾き返した。
ダンライが自慢の光速剣の舞で勝負に出たがことごとく跳ね返され、気が付くと自分の首のリュウトの剣が当てられていて完敗した。
ガンゾイ辺境伯とダンライが、同時に。
「リュウトの剣技は神業かー!」
リュウトは正直に白状し。
「自分でも驚いています。相手の動きが止まって見えて、余裕を持って戦え、以前はこんな感じではなかったのですが」
ガンゾイ辺境伯とダンライの2人は。
「龍神王様だから、負けて当たり前か」
と改めて、リュウトが龍神王である事を認識したのである。
30
お気に入りに追加
622
あなたにおすすめの小説
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
虐げられ続け、名前さえ無い少女は王太子に拾われる
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】以前の小説をリメイクして新しい小説として投稿しています。
名前も付けられずに公爵家の屋敷の埃の被った図書室の中で育った元聖国の王女は虐待で傷だらけで魔物の居る森に捨てられ、王太子に拾われて宰相の養女となり、王国の聖女と呼ばれ、波乱万丈の人生をおくるが王太子妃になり幸せになる。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
2回目の人生は異世界で
黒ハット
ファンタジー
増田信也は初めてのデートの待ち合わせ場所に行く途中ペットの子犬を抱いて横断歩道を信号が青で渡っていた時に大型トラックが暴走して来てトラックに跳ね飛ばされて内臓が破裂して即死したはずだが、気が付くとそこは見知らぬ異世界の遺跡の中で、何故かペットの柴犬と異世界に生き返った。2日目の人生は異世界で生きる事になった
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル
異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた
なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった
孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます
さあ、チートの時間だ
その幼女、最強にして最恐なり~転生したら幼女な俺は異世界で生きてく~
たま(恥晒)
ファンタジー
※作者都合により打ち切りとさせて頂きました。新作12/1より!!
猫刄 紅羽
年齢:18
性別:男
身長:146cm
容姿:幼女
声変わり:まだ
利き手:左
死因:神のミス
神のミス(うっかり)で死んだ紅羽は、チートを携えてファンタジー世界に転生する事に。
しかしながら、またもや今度は違う神のミス(ミス?)で転生後は正真正銘の幼女(超絶可愛い ※見た目はほぼ変わってない)になる。
更に転生した世界は1度国々が発展し過ぎて滅んだ世界で!?
そんな世界で紅羽はどう過ごして行くのか...
的な感じです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる