虐げられ続け、名前さえ無い少女は王太子に拾われる

黒ハット

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第33話、戦いの後で

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 皇帝と皇妃が死ぬと、驚く事に黄金に輝いていた帝城が輝きを失い、黒く変色して崩れ始めて黒い霧となり消滅して、帝城のあった所は広大な荒れ地になってしまっていたのでした。

 その様子と見ていたジイチャンが

「ソフィーナ・ダスケジュ皇妃は、人間では無く、この大陸最後の魔女だったのかも知れんな、人間に復讐するために帝国を利用したのだろう」

 こうして、帝国との戦いは王国の勝利で幕を閉じたのでした。

 帝城の跡地の荒れ地を私が土魔法で整地して、創造の魔法で休憩するために大きな陣屋を作りました。

 トムが皆と話し合い、帝都の治安維持の為にショウジャ将軍に5千の兵と共に残って貰い、私たちは王国に帰る事にしたのです。

 帝都から王国の王都までは、半月位は掛かるで、帰りの王国軍の指揮を魔法騎士団長のゴッファー・サバイバに任せて、私とトムとジャネットにジイチャンは陛下の容態が心配なので、移転魔法で先に王宮に帰る事にしたのです。

 移転して王宮前の広場に着き王宮に行くと、王宮の入り口の門の前には、念話で移転して帰る事をあらかじめ連絡していたので、大勢の関係者が出迎えていたのです。

 驚いた事にその中には、元気そうな陛下の姿もあったのです。

 私たちが近づくと、陛下が。

「良くやってくれた、此れで王国のみならずムーヴ大陸の平和が保たれた。サヤカ聖女のお陰だ、礼を言う、ありがとう」

「いえ、私だけの力じゃ無くて皆さんが力を合わせたからから帝国に勝つことが出来ました」

 王妃様が嬉しそうに、にこやかな顔で。

「こんな所で立ち話をしないで中に入って詳しく話しましょう」

 王宮の王都を見渡せる広い応接間に行き、久しぶりに柔らかいソファーに腰を下ろすと王妃様が陛下の事を話して。

「トムから念話で皇帝と皇妃を倒したとの連絡があった後すぐに、陛下が目を覚ましたのよ」

 ジイチャンが。

「多分じゃが、あの魔女の皇妃が呪いの毒を飲ませてのじゃろぅな、其の魔女が死んだので呪いが解けたのじゃろぅ、それにしても良かった」

 トムが私の手を握り。

「サヤカのお陰で父上も助かったよ、本当にありがとう」

「そんな、私の大事なトムのお父様が元気なり私も嬉しいですわ」

 お母様が呆れた顔で。

「サヤカ、皆の前で王太子に、私の大事な人、何て堂々と言うわね」

 私は何気なく言ってしまい、恥ずかしくて顔が真っ赤になり、両手で顔を覆ってしまったのです。

 お父様が顔をしかめっ面で。

「王太子様、娘は18歳に成るまでは、嫁に出しませんから」

 陛下が久しぶりに大きな声で笑い。

「ワッハッハー、実に愉快だ。2人の婚約発表は、王国軍が戻って戦勝祝いのと日にすることにしよう」

 王妃様は陛下が元気になったので、目に涙を浮かべて嬉しそうに陛下を見て。

「陛下が元気になり、帝国との戦いにも勝ち、愛する息子と大好きなサヤカが結婚することになって、もう私は嬉しくていつ死んでもいい位です」

 陛下が慌てて。

「オイ、オイ、わしを置いて先に死んでは困るよ」

 私や皆さんが陛下の子供みたいな様子に爆笑したのでした。

 それから帝国との戦いの委細を報告して王宮の私の部屋に戻ると、屋敷にいるはずのサヨが待っていて

「サヤカ聖女様、お帰りなさい」

 私は、サヨを見て、あの魔の森に捨てれてからの事を走馬灯のように思い出して、サヨに抱き付き声を出して泣いたのです。

「ワーン、サヨ、会いたかった・・・・ワ―ン」

 サヨは優しく私を抱きしめて本当のお姉様のように私の髪を撫でながら。

「本当は、まだ16歳の子供なのに醜い戦争などで戦い辛かったでしょうに、でも良く頑張りましたね」

 それから、サヨに言われるままに、お風呂で身体を洗われて、湯につかり疲れを癒して、ベッドに横たわりマッサージをして貰っている内に眠ってしまっていたのです。

 寝ている間に私は夢を見ていました。

 夢の中で綺麗な花畑を歩いていていると、綺麗な神殿が現れて神殿の中から女神様と思われる優しそうな女性が私の側に来て。

「サヤカ聖女、良くやり遂げました。此れでムーヴ大陸の平和が保たれます。ありがとう」

 夢から覚めるとまだ夜は明けておらず暗いので又、眠りについたのでした。
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