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第11章(3)雪side
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***
夢から醒まされる、って、こう言う事をいうんだろうな。
「……。
……、…………っ、……え?」
家に戻ったオレ達は、現実を突き付けられる。
あまりに酷い光景に、車から降りる事さえも出来なくて……。一瞬、訳が分からなくなった。
オレ達の家が……。
つい、昨日の朝までオレ達が住んでた家が……。
まるで大きな魔物に踏み潰されたみたいに、グシャグシャに崩されていた。
屋根も壁も窓ガラスも……。跡形もなく破壊されて、そこにあるのは、ただの瓦礫の山。
けれど、魔物の仕業にしては周りに形跡がない。草木も地面にも……。
家一点だけ、集中的に襲撃され、破壊されていた。
『いつまでも野放しにしておくと思うな』ーー。
……そう、声が聞こえた気がした。
こんな事をする人は、たった一人しかいない。橘さん以外に、いない。
っ、……何で、こんな酷い事ッ。
怒りなのか、悲しみなのか、恐怖なのか分からない感情で心と身体が震える。
ついさっきまであんなに幸せで暖かかった心に灯る光が、奪われたように真っ暗だ。
「……。
……!っ、……紫雪は?」
拳を膝の上で握り締めながら俯いていたオレはハッとして顔を上げて、もう一度家を見た。グシャグシャに潰された家、瓦礫の山……。
まさか、紫雪はまだあの中にーー……ッ!!
「っ、紫雪……!!」
「!っ、雪!!待てッ……!!」
シートベルトを外して車から降りると、オレはすぐ様紫雪を捜そうと瓦礫の山に向かって走り出した。
が、紫夕がそれを背後から抱き締めて止める。ガッチリ押さえ付けられて、振り解けない。
「っ、放して!!放してよッ、紫夕!!」
「危ないからダメだッ!!崩れたり、爆発物が仕込まれてたらどうすんだッ……!!」
「!っ……」
紫夕の言葉に、一瞬、思い止まる。
けど、それなら尚更、放っておく事なんて出来ない。
もし、怪我をして動けなくなっていたら?
そんな中で瓦礫が崩れたり、爆発したりしたら?
それこそ、絶望的だ。
夢から醒まされる、って、こう言う事をいうんだろうな。
「……。
……、…………っ、……え?」
家に戻ったオレ達は、現実を突き付けられる。
あまりに酷い光景に、車から降りる事さえも出来なくて……。一瞬、訳が分からなくなった。
オレ達の家が……。
つい、昨日の朝までオレ達が住んでた家が……。
まるで大きな魔物に踏み潰されたみたいに、グシャグシャに崩されていた。
屋根も壁も窓ガラスも……。跡形もなく破壊されて、そこにあるのは、ただの瓦礫の山。
けれど、魔物の仕業にしては周りに形跡がない。草木も地面にも……。
家一点だけ、集中的に襲撃され、破壊されていた。
『いつまでも野放しにしておくと思うな』ーー。
……そう、声が聞こえた気がした。
こんな事をする人は、たった一人しかいない。橘さん以外に、いない。
っ、……何で、こんな酷い事ッ。
怒りなのか、悲しみなのか、恐怖なのか分からない感情で心と身体が震える。
ついさっきまであんなに幸せで暖かかった心に灯る光が、奪われたように真っ暗だ。
「……。
……!っ、……紫雪は?」
拳を膝の上で握り締めながら俯いていたオレはハッとして顔を上げて、もう一度家を見た。グシャグシャに潰された家、瓦礫の山……。
まさか、紫雪はまだあの中にーー……ッ!!
「っ、紫雪……!!」
「!っ、雪!!待てッ……!!」
シートベルトを外して車から降りると、オレはすぐ様紫雪を捜そうと瓦礫の山に向かって走り出した。
が、紫夕がそれを背後から抱き締めて止める。ガッチリ押さえ付けられて、振り解けない。
「っ、放して!!放してよッ、紫夕!!」
「危ないからダメだッ!!崩れたり、爆発物が仕込まれてたらどうすんだッ……!!」
「!っ……」
紫夕の言葉に、一瞬、思い止まる。
けど、それなら尚更、放っておく事なんて出来ない。
もし、怪我をして動けなくなっていたら?
そんな中で瓦礫が崩れたり、爆発したりしたら?
それこそ、絶望的だ。
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