スノウ2

☆リサーナ☆

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第9章(1)紫夕side

9-1-1

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俺は呑気で、ゆきと気持ちがすれ違ってる、なんて思ってもいなかった。

ゆきの為に、良い男でいたくて。
ゆきの為に、必死に自分の気持ちを抑えてた。


眠っている間の出来事を、ゆきは静かに聞いてくれた。
色々質問されたり、怒られる事もあるんじゃないか?って思ったけど、話を聞いたゆきはただ「話してくれてありがとう」って、微笑って言ってくれた。

その言葉を真に受けて、何も言わないゆきにただホッとしてた。
今まで一緒に居たゆきは俺の意見や気持ちに従順で、反抗された事なんてなかったから……。

全て話して、自分の中でスッキリした俺は、勝手に目標を決めて動き出していた。

もう一度、しっかりゆきにプロポーズをするんだ、ってーー。

スノーフォールの部位パーツを移植する際に、手術中は着用不可って返された三日月の指輪。
術後目覚めた時はサクヤだった事から、ずっと俺が預かってて、今もまだゆきに渡せていない。

だから、俺は決めたんだ。

今度買い物行く時にデートして、そんでその時にもう一度プロポーズして指輪をゆきの指にはめてやろう、と。

もちろん、その日までにも準備を怠ったりしない。
ゆきが俺を一生のパートナーに選んでくれるように。
一生を共にする相手として不安を感じないように、今までとは違う成長した自分を見てもらいたかった。

守護神ガーディアンに居た頃は、ゆきに任せっきりだった家事。
出来るか、出来ないか、じゃなくて、大切なのは一緒にやろう、って思ってやる気持ちだってようやく気付いた。
1人でやるのは大変だけど、一緒にやれば楽しくて早く終わる、って、サクヤが俺に教えてくれたんだ。

まだまだ失敗もするし、ゆきみたいに上手くは熟せないけど……。
サクヤに作ってやった時はぶちぶちだったうどん。リベンジで作ったら、ゆきが「美味しい」って全部食べてくれたのは、本当に本当に嬉しかった。
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