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第8章(2)雪side
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しおりを挟む「っ、しゆ……ダメッ!イッ、ちゃ……ッーー!!」
快感が一気に押し寄せてきて、集まった熱が放たれる。
まだ直接触れられてもいなかったのに、紫夕の手の温もりだけで達してしまった。
我慢、出来なかった……っ。
これにはさすがに自分でも驚き過ぎて少し冷静になり、紫夕にも呆れられてしまっているんじゃないか?と思った。
けど、目を泳がせながら乱れた呼吸を整えていると……。
「っ、お前……可愛すぎだろッ」
絞り出したような、紫夕の声が聞こえた。
その声に、チラッと様子を伺うように見上げると……。顔を赤くして、眉間にシワを寄せて、少し怒ったような紫夕が居た。
オレは、この表情を知ってる。
その表情は怒ってるんじゃなくて、必死に自分の欲望を抑えている時だーー。
そう分かって、紫夕もオレを求めてくれているんだと分かって、嬉しくなる。
相手の気持ちを知って、再び込み上げてくる熱。口付けたくて手を伸ばそうと上げたら、その手をガッと掴まれて引き寄せられた。
そして、そのまま勢い良く重なる唇。お互い、気持ちをぶつけ合うように舌を絡め合った。
もっと、もっと……っ。
紫夕が、欲しいよーー……ッ。
その気持ちに自然と手が動いて、オレは口付けながら紫夕の下半身に手を伸ばしていた。
寝巻き用の生地の薄いハーフパンツの上から触れるそこは、固く、大きく反り上がっているのが分かった。
「っ、ぅ……ゆ、きッ」
名前を呼ばれて、身体を密着させられ、手に擦り付けられるようにされれば、堪らない愛おしさが込み上げて……止まらない。
紫夕も、気持ち良くさせてあげたいっ……。
でも、そう思ったオレが紫夕の下着の中に手を忍ばせ、直接触れかけた瞬間だった。
その手を掴まれて、激しく口付けられたまま、再びベットに組み敷かれる形になる。
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