159 / 589
第8章(2)雪side
8-2-2
しおりを挟む相手は眠っているのに……。
素肌で抱き合っている訳でもないのに、こんな気持ちになるなんて……。
恥ずかしい。
こんな自分が居るなんて紫夕に知られたら死んでしまうーー。
でも、そう思いながらも、我慢出来なかった。
オレは紫夕を求めて、自ら、その抑え切れない気持ちを表すかのように口付けた。
自分からこんな大胆な行動をする日が来るなんて、考えた事もなかった。けど、止まらない。
唇と唇、歯と歯の間に舌を滑り込ませると、紫夕の舌と触れ合わせて自らの想いを伝えた。
「っ、……んーー……、ッ?」
すると、ようやく紫夕が目を覚ました。
舌を絡ませた口付けに反応した紫夕は、口付けたままの至近距離のオレと目が合って……とても驚いている様子だった。
「……っ、ゆ……き?」
「っ……」
唇を離して、見つめ合う。
恥ずかしくて、逸らしたくて、逃げたい。
でも、それ以上にーー……。
「っ、紫夕……抱い、てッ」
そんな言葉が、心から飛び出した。
紫夕が欲しくて、堪らなかった。
紫夕でいっぱいに満たされたいーー。
見つめ合う瞳が揺れる。
密着している身体が震える。
胸が締め付けられて呼吸が乱れる。
オレの全てが、紫夕求めていた。
「……っ、ーー……!!」
「っ、し……ゆ、……ッ」
返事は、言葉ではなく行動で返ってきた。
あっという間に唇を奪われ、組み敷くように体位を変えられる。
「んっ、……ぁ」
絡みついてくる舌が熱いのに気持ち良くて、ジワジワと脳を刺激して……。快感以外の全ての思考を奪われる。
もう恥ずかしさなんてなくなって、ただただ、紫夕が与えてくれる全てを受け入れるだけ。
「っ、……お前、もう濡れ濡れじゃんッ」
ズボンを脱がされ、下着の上から撫でられたそこは、もう自分でも湿っているのが分かる。
触られる前からもういつ達してもおかしくなかったそこは、愛おしい人の手の熱だけで限界だった。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
黄色い水仙を君に贈る
えんがわ
BL
──────────
「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」
「ああ、そうだな」
「っ……ばいばい……」
俺は……ただっ……
「うわああああああああ!」
君に愛して欲しかっただけなのに……
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる