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第8章(2)雪side
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しおりを挟む相手は眠っているのに……。
素肌で抱き合っている訳でもないのに、こんな気持ちになるなんて……。
恥ずかしい。
こんな自分が居るなんて紫夕に知られたら死んでしまうーー。
でも、そう思いながらも、我慢出来なかった。
オレは紫夕を求めて、自ら、その抑え切れない気持ちを表すかのように口付けた。
自分からこんな大胆な行動をする日が来るなんて、考えた事もなかった。けど、止まらない。
唇と唇、歯と歯の間に舌を滑り込ませると、紫夕の舌と触れ合わせて自らの想いを伝えた。
「っ、……んーー……、ッ?」
すると、ようやく紫夕が目を覚ました。
舌を絡ませた口付けに反応した紫夕は、口付けたままの至近距離のオレと目が合って……とても驚いている様子だった。
「……っ、ゆ……き?」
「っ……」
唇を離して、見つめ合う。
恥ずかしくて、逸らしたくて、逃げたい。
でも、それ以上にーー……。
「っ、紫夕……抱い、てッ」
そんな言葉が、心から飛び出した。
紫夕が欲しくて、堪らなかった。
紫夕でいっぱいに満たされたいーー。
見つめ合う瞳が揺れる。
密着している身体が震える。
胸が締め付けられて呼吸が乱れる。
オレの全てが、紫夕求めていた。
「……っ、ーー……!!」
「っ、し……ゆ、……ッ」
返事は、言葉ではなく行動で返ってきた。
あっという間に唇を奪われ、組み敷くように体位を変えられる。
「んっ、……ぁ」
絡みついてくる舌が熱いのに気持ち良くて、ジワジワと脳を刺激して……。快感以外の全ての思考を奪われる。
もう恥ずかしさなんてなくなって、ただただ、紫夕が与えてくれる全てを受け入れるだけ。
「っ、……お前、もう濡れ濡れじゃんッ」
ズボンを脱がされ、下着の上から撫でられたそこは、もう自分でも湿っているのが分かる。
触られる前からもういつ達してもおかしくなかったそこは、愛おしい人の手の熱だけで限界だった。
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