スノウ2

☆リサーナ☆

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第6章(2)サクヤside

6-2-3

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「ハハハハハッ……!!これは、傑作だな!」

「っ、……なんで、わらうの?」

「いや、失礼。君がね、あまりに健気だから可哀想に思ったんだよ」

可哀想ーー。
その言葉が、馬鹿にされているんだ、って事はなんとなく雰囲気で分かった。
拳を握り締めて、グッと溢れそうな感情を堪える。

「っ……サク、かわいそうじゃな……」
「ーーゆき君は、君を受け入れてなんてくれないよ」

自分は可哀想じゃないーー。
そう言って駆け出そうとしたら、風磨ふうまさんがボクの言葉を遮って言った。

ゆき君はね、紫夕しゆうとすご~く仲良しなんだ。
だから、君の事なんて絶対に受け入れない」

「っ、……」

ただでさえ痛くて、今にもヒビ割れそうだった心に突き刺さる言葉。

紫夕しゆうの傍に居る君の事なんて、好きになれる筈がないだろう?」

「や……めて、っ……」

「君の事なんて、大っ嫌いだよ」

「ーー……ッ」

まるでテーブルの端から今にも落ちそうだったガラスのグラスが、落ちて割れたみたいな衝撃。
風磨ふうまさんにそう言われて、ずっと堪えてた涙が……。もう抑えられなくて、溢れた。

夢物語だと、分かっていた。
でも、"もしかしたら"って……。そうなったらいいな、って、ほんの僅かな希望でも思いたかった。

紫夕しゆうの事が、大好きだからーー……。

本当はゆきにも負けてない位、紫夕しゆうを大好きな自信がある。
けど、紫夕しゆうゆきを好きなら……敵う訳ない。

ボクは、誰の1番にもなれないーー。

母さんの1番は三月みづきさんで。
父さんは、物心ついた時から分からなかった。
出会う人はみんな、自分をおかしな目でしか見てくれない。

そんな日々の中で出逢えた、大切な人。
初めは独りぼっちになりたくなくて、優しくしてくれるから傍に居たいと思った。

でも、今は違うーー。

紫夕しゆうはボクの特別になった。
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