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第2章(3)紫夕side
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しおりを挟む「俺が大体スノーフォールと出くわすのは、この先にある河原を越えた辺りだ。
もしかしたら、前回傷を負わせた事がキッカケで避ける可能性もあるが……」
「一先ずそこを目指しますか?」
「そうしよう。キャンプを張るなら、水辺の方が我々にも都合が良いしな」
車から降りた俺達は、俺がよくスノーフォールと遭遇する場所付近を目指して歩き出した。
龍族は頭が良く、警戒心が強い。前回俺が中途半端に傷を負わせてしまった事で、より気を引き締めてしまいその場所に姿を現す可能性が低くなっている事も考えられるが、もしもその辺りがスノーフォールにとってお気に入りの住処や縄張りであるなら、まだきっとあの場所からは離れていない。
そんな考えや、俺達自身の休憩場所の事もあり、まずはそこを目指すのが一番だろうと思い、そう決めた。
魔物は基本夜行性で、主に活動するのは陽が落ちかけた時から夜中、明け方にかけて。だからなるべく陽が高くて明るい、今のうちに俺達は目的場所まで歩みを進める。
するとその最中、橘から貰った資料の紙を読みながら歩いていた響夜が口を開いた。
「紫夕さんが今までの討伐で集めてくれた物を除くと……。あと雪の為にスノーフォールから入手しなきゃいけない部分って、骨髄液と龍の涙ッスよね?」
「ああ。あとその他に「入手出来そうなら持ち帰って欲しい」と、追加で橘さんに頼まれた。ほら、これ」
「はぁ?!全く、人使い荒い親父だな~」
おそらく討伐人数が増え、いい荷物持ちが出来た事から橘も欲が出たのだろう。
確認の言葉に返された風磨の言葉と追加のメモに、響夜は「やれやれ」と言ったように溜め息を吐いていた。
車内で聞いた話。風磨は研究員として生きる人生を極める為に、橘の元に身を置く事にしたらしい。
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