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第6章(4)ツバサside
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しおりを挟むその間に、俺は幼い頃の事を思い出していた。
大好きな母さんの手。
優しく頭を撫でてくれたり、暖かく包んでくれたり、この手で叩かれた事なんて一度もなかった。
頭を撫でられると嬉しくて、暖かく包まれると安心して、いつもたくさんの愛情をくれた。
それが、不思議だね。
今では俺の手の方が大きくて、母さんの指は細いから力を込めたら折れちゃいそうだよ。
母さんの手は暖かくて、昔と何一つ変わらない。
なのに、変わってしまった自分を実感して何だか泣きたい気持ちになるのは、何故なんだろうね?
……
…………。
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