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第2章 開店
第25話 ウチの枝豆は高い。
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「枝豆を卸して欲しいと、詳しくお話を聞かせて貰っても宜しいですか?」
俺が右京さんの話に目を$$させていると、比奈が間に割って入る。
「あら、貴女は……」
「西園寺 比奈と言います。この喫茶店KIROの営業役、と言った所です。改めて宜しくお願いします」
「そうなの、宜しくね。それで? 枝豆を卸して欲しいって話だけど、ダメかしら? この人から枝豆を貰ってからあの味を忘れられなくて……」
右京さんは微笑しながら、親指で源さんを指す。
ほう。源さん、あの時あげた奴この人に食べさせたくて持ってったんだ。
「自慢として持ってって驚かせてやろうと思ってたんだ……それでこんな事に、悪い!!」
「いやいやいや、別に何も悪
「いえいえ、そんな気にしないで下さい。私達に何か実害があった訳じゃありませんし、まぁ、悪くないとは言い切れませんが」
比奈は俺の返事を遮り答える。
わ、悪いんですか? 源さんの何が悪いんだろう?
「私達は貴女の事を何も知りません。源さんのお知り合いかもしれませんが、いきなり此処に来て枝豆を卸して欲しいだなんて言われても……信用出来るかと言われたら判断しかねます」
「なるほど……前もって言ってくれてたら色々準備も出来たって事か」
「まぁ……そうなんだけど、そう言うのを本人がいる前で言うもんじゃない!」
あ、それは失敬。
比奈は小声で叫ぶと言う芸当を見せながら、一度咳払いをした後、右京さんを見た。
「いくら源さんのお知り合いと言われても、私は贔屓目はしませんので、改めて宜しくお願いします」
怖い。そう思ったのも仕方がないと思う。比奈のその笑顔は、目の前にいる人を値踏みする様な座った目だった。
異様な圧に、俺を含めた3人は思わず生唾を飲み込む。
「ふふっ! まさか私がそんな目で見られるなんて思わなかったわ!」
しかし、それに全く違う笑顔を見せる者がもう1人。
「意外でしたか?」
「えぇ。こんな立場になってからは誰もそんな態度を取ってくる奴が居なくてねぇ」
右京さんはカッカッカッと笑って見せる。
「ん? こんな立場?」
その右京さんの言葉に俺が独り言の様に呟くと、右京さんはニッと笑みを深める。
「旅館『桜花』の女将になってからはね」
旅館『桜花』……なんか聞いた事がある様な無いような。
「『桜花』って……あの『桜花』ですか?」
「知ってるのか?」
「知ってるも何も、超有名な老舗旅館ですよ。関東の郊外にある旅館で、とても綺麗で効能抜群な温泉があって海外からも大人気、和を体現した最高な旅館とされてる日本でもトップクラスの旅館です」
て、テレビで見た事ある奴ですやん!? あの旅館の女将が右京さん!?
「偶々運良く経営が上手く乗っただけよ」
恥ずかし気に眉を八の字に変え、右京さんは肩をすくめた。
しかし、比奈は続けて言葉を紡ぐ。
「その中でも料理は三つ星に認定出来る程の美味しさ。しかもその料理人は女将である人がやってるとか……」
比奈は横目で右京さんを見た。右京さんは少し間を置いて頭を掻いた。
「まぁ……だから、この枝豆の凄さが信じられなくてね。アポを取る暇もない程に予定を押してすっ飛んで来たの」
なるほどな……へー、いやはや。まさかウチの枝豆が有名な女将兼シェフに見初められるとは。
「それで、具体的にどの様に考えているのでしょうか?」
「どの様にって?」
「月の量、金額ですかね。残念ながら枝豆は私達の店でも人気商品でありますから……畑も、子供が1人で水やりを終わらせる事が出来る広さになりますので、あまり卸す事は出来ないんですよ」
「なら、卸せる量だけ卸すというのはどうかしら? そうね、100グラム辺り500円ぐらいでどうかしら?」
おー? 居酒屋で出てくるのが100グラムだとして、料理された上で300円とかぐらいだから……これは大分高いんじゃないか?
「残念ながら安過ぎますね」
え、マジ?
「最低でもその倍は欲しいですね。これは妥協出来ません」
比奈は真顔で堂々と言ってのけた。
倍って比奈さん……100グラム1000円はぼったくり過ぎですって。
これだと相当激怒してくるだろうと、俺は身構える。
しかしーー。
「ふふっ、そう。なら100グラム1000円で取引成立ね」
2人は固い握手を交わしていた。
そんな2人を、男2人は半目で訝し気に見つめる。
「源さん……」
「おう、どうした……」
「あの2人ってさ、最初仲悪いような雰囲気醸し出してたよね? なんで仲良くなってんの?」
「女はな、男の知らぬ間に仲良くなってたりするもんなんだよ」
……よく分からん。
「えーっと……哲平さん? これからも末永く宜しくお願い致します」
話している間に右京さんが美しい礼を見せる。
……なんか、ついで感が凄いな。いや、良いんだけどね? 俺なんて全然話について行けなかったし。
「あー、よろしくです……あ、でも卸すにしても育ててる人に許可は取らないといけないですよ?」
「育ててる人?」
俺の視線の先には、頬を膨らませながら半目で此方を睨んでいるメマの姿があった。
俺が右京さんの話に目を$$させていると、比奈が間に割って入る。
「あら、貴女は……」
「西園寺 比奈と言います。この喫茶店KIROの営業役、と言った所です。改めて宜しくお願いします」
「そうなの、宜しくね。それで? 枝豆を卸して欲しいって話だけど、ダメかしら? この人から枝豆を貰ってからあの味を忘れられなくて……」
右京さんは微笑しながら、親指で源さんを指す。
ほう。源さん、あの時あげた奴この人に食べさせたくて持ってったんだ。
「自慢として持ってって驚かせてやろうと思ってたんだ……それでこんな事に、悪い!!」
「いやいやいや、別に何も悪
「いえいえ、そんな気にしないで下さい。私達に何か実害があった訳じゃありませんし、まぁ、悪くないとは言い切れませんが」
比奈は俺の返事を遮り答える。
わ、悪いんですか? 源さんの何が悪いんだろう?
「私達は貴女の事を何も知りません。源さんのお知り合いかもしれませんが、いきなり此処に来て枝豆を卸して欲しいだなんて言われても……信用出来るかと言われたら判断しかねます」
「なるほど……前もって言ってくれてたら色々準備も出来たって事か」
「まぁ……そうなんだけど、そう言うのを本人がいる前で言うもんじゃない!」
あ、それは失敬。
比奈は小声で叫ぶと言う芸当を見せながら、一度咳払いをした後、右京さんを見た。
「いくら源さんのお知り合いと言われても、私は贔屓目はしませんので、改めて宜しくお願いします」
怖い。そう思ったのも仕方がないと思う。比奈のその笑顔は、目の前にいる人を値踏みする様な座った目だった。
異様な圧に、俺を含めた3人は思わず生唾を飲み込む。
「ふふっ! まさか私がそんな目で見られるなんて思わなかったわ!」
しかし、それに全く違う笑顔を見せる者がもう1人。
「意外でしたか?」
「えぇ。こんな立場になってからは誰もそんな態度を取ってくる奴が居なくてねぇ」
右京さんはカッカッカッと笑って見せる。
「ん? こんな立場?」
その右京さんの言葉に俺が独り言の様に呟くと、右京さんはニッと笑みを深める。
「旅館『桜花』の女将になってからはね」
旅館『桜花』……なんか聞いた事がある様な無いような。
「『桜花』って……あの『桜花』ですか?」
「知ってるのか?」
「知ってるも何も、超有名な老舗旅館ですよ。関東の郊外にある旅館で、とても綺麗で効能抜群な温泉があって海外からも大人気、和を体現した最高な旅館とされてる日本でもトップクラスの旅館です」
て、テレビで見た事ある奴ですやん!? あの旅館の女将が右京さん!?
「偶々運良く経営が上手く乗っただけよ」
恥ずかし気に眉を八の字に変え、右京さんは肩をすくめた。
しかし、比奈は続けて言葉を紡ぐ。
「その中でも料理は三つ星に認定出来る程の美味しさ。しかもその料理人は女将である人がやってるとか……」
比奈は横目で右京さんを見た。右京さんは少し間を置いて頭を掻いた。
「まぁ……だから、この枝豆の凄さが信じられなくてね。アポを取る暇もない程に予定を押してすっ飛んで来たの」
なるほどな……へー、いやはや。まさかウチの枝豆が有名な女将兼シェフに見初められるとは。
「それで、具体的にどの様に考えているのでしょうか?」
「どの様にって?」
「月の量、金額ですかね。残念ながら枝豆は私達の店でも人気商品でありますから……畑も、子供が1人で水やりを終わらせる事が出来る広さになりますので、あまり卸す事は出来ないんですよ」
「なら、卸せる量だけ卸すというのはどうかしら? そうね、100グラム辺り500円ぐらいでどうかしら?」
おー? 居酒屋で出てくるのが100グラムだとして、料理された上で300円とかぐらいだから……これは大分高いんじゃないか?
「残念ながら安過ぎますね」
え、マジ?
「最低でもその倍は欲しいですね。これは妥協出来ません」
比奈は真顔で堂々と言ってのけた。
倍って比奈さん……100グラム1000円はぼったくり過ぎですって。
これだと相当激怒してくるだろうと、俺は身構える。
しかしーー。
「ふふっ、そう。なら100グラム1000円で取引成立ね」
2人は固い握手を交わしていた。
そんな2人を、男2人は半目で訝し気に見つめる。
「源さん……」
「おう、どうした……」
「あの2人ってさ、最初仲悪いような雰囲気醸し出してたよね? なんで仲良くなってんの?」
「女はな、男の知らぬ間に仲良くなってたりするもんなんだよ」
……よく分からん。
「えーっと……哲平さん? これからも末永く宜しくお願い致します」
話している間に右京さんが美しい礼を見せる。
……なんか、ついで感が凄いな。いや、良いんだけどね? 俺なんて全然話について行けなかったし。
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