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第2章 別に…
第13話 アニメグッズ
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「よし…とりあえず今日はゆっくりするか」
世理は葵が家から出て行った後、リビングにあるソファに横になり、テレビをつけていた。
昨日商店街で買ったクッキーを片手に、リモコンで何度もチャンネルを変える。
しかし、目ぼしいものはやっていない。
はぁ、まだ朝だからな。そんな面白いのやってる訳ないか。
ピッ
そしてチャンネルはニュースへと変わる。
『最近、海外で謎の感染症が流行しており…』
世理はニュースを聞き流しながら、葵の事を考える。
そう言えば、朝アニメ見てたよな…もしかしてそれが恥ずかしかったとか?
確かその後から行動可笑しかったし!
世理は閃いたかの様にソファから起き上がる。
そう考えれば、あの態度も辻褄が合う! ふふっ、やっぱりまだ年頃の高校生って訳か。俺も女子とかにアニメとか漫画好きだってバラさない様にしてたもんなぁ。
まぁ、那由さんが何故か俺の事をオタク呼ばわりするからすぐバレたんだけど。
世理は立ち上がり、クッキーの袋をゴミ箱に捨てる。その中には昨日、葵に渡す為に買ってきたプレゼントの装飾が入っていた。
「…そうだ! 今日は見てたアニメのグッズでも買ってあげれば機嫌良くしてくれるかも!」
世理は早速、外に出る準備を始める。
しかし、重大な事が分かっていなかった。
「…何のアニメだろ?」
世理が見たのは、テレビに釘付けな葵のみ。そして聞こえてきた音からアニメと判断したが、まずタイトルが分からない。
アニメに詳しいとは言え…音だけでは…。
こんな時はっと…
「おはようございます、那由さん。世理なんですけど今、大丈夫ですか?」
俺は那由さんに電話を掛けた。
那由さんは漫画家であると同時に、俺と同じオタクだ。アニメや漫画でこの人の右に出る者はいないと思える程だ。
だから電話した。この人ならセリフとかだけでも分かる、と。
『あぁ…世理くん、どうしたの?』
寝ていたのか、那由さんのいつもの声よりか細い声が聞こえる。
「那由さん、今もしかして暇だったりしますか?」
『っ!! 凄く暇!!』
『何を言ってるんですか! 貴方まだムグゥ!!』
「あれ…? 誰かいます?」
今、なんか那由さんの声以外も聞こえた様な…
『誰も居ない! 誰も居ないわ!!』
「あぁ、そうですか? なら良かった」
『何? どこかに行くの?』
「いえ、そう言う訳じゃないんですけど
『なら、電話して来ないで。私これでも忙しいの。じゃ』
ツー ツー ツー
ま、マジか…俺なんかしたか? さっき凄く暇だって言ってたのに…。
まぁ…こう言うこともあるか…。今日の那由さんは、虫の居所が悪かったらしい。何て運が悪いのか。
よし! 此処は1人で買いに行くしかないな! 何のアニメか分からないなら、俺のオススメのアニメグッズ…いや、女子は恋愛系が好きか? まぁとりあえず買ってあげよ!
そう意気込むと、俺は家から出た。
「あ、おかえり」
「…ただいま」
葵の表情を見ると、まだ怒っている様で眉間に皺が寄っている。
よし…ここからだ…俺の戦いは…!
「あの、これ良かったら貰ってくれ。今日偶々UFOキャッチャーで取れてな」
俺は自然と大きな袋を差し出す。その中には沢山のアニメのぬいぐるみや、ポスターが入っていた。
ふふっ、これなら…
「私、こういうの好きじゃないんで…」
世理の安心UFOキャッチャー作戦は不発に終わり、葵は洗面所へと行って手を洗っている。
な、何故だ…。
俺は腕を組んで考える。
そ、そうか! 今日不機嫌な理由はアニメが好きな事が俺にバレたからじゃないか!?
なんて俺はバカな事を…でもこれをどうやって許してもらう? …土下座か? い、いやそれは兄としての威厳が…! 流石にその一線は超えてはダメだろ。
世理の心の中で、色んな葛藤が衝突する。
結果。
そ、そうか! じゃ、じゃあ何か欲しい物とかあるか聞けば良いんだ!!
「あ、あのさ! 何か欲しい物あるか? 何か買ってあげようか?」
手を洗ってきた葵に縋る様に問いかける。そして返ってきたのは…
「あの…やめてくれませんか、そう言うの」
「え…」
否定だった。
葵の瞳は、冷ややかな視線を世理に向ける。
あ、あれ? 俺もしかしてまた何か…
「距離って、そうやって無理に近づくものじゃないと思います。無理に気を遣って、無理に物をくれて、無理に私のご機嫌を伺う…」
「そ、そんな事
「今までの私の様子を見て、ご機嫌を取る様にしているのは分かります。私はすぐ手が出ますからね」
「…そんな事
「ハッキリ言います。尚更やめて下さい。不愉快ですから」
葵は世理の言葉を遮る様に、そう言い渡すと2階へと続く階段へ向かう。その途中、葵は振り向かずに言った。
「でも、貴方は良い人ですね…」
その言葉は何処か憂いに満ちていた。
世理は葵が家から出て行った後、リビングにあるソファに横になり、テレビをつけていた。
昨日商店街で買ったクッキーを片手に、リモコンで何度もチャンネルを変える。
しかし、目ぼしいものはやっていない。
はぁ、まだ朝だからな。そんな面白いのやってる訳ないか。
ピッ
そしてチャンネルはニュースへと変わる。
『最近、海外で謎の感染症が流行しており…』
世理はニュースを聞き流しながら、葵の事を考える。
そう言えば、朝アニメ見てたよな…もしかしてそれが恥ずかしかったとか?
確かその後から行動可笑しかったし!
世理は閃いたかの様にソファから起き上がる。
そう考えれば、あの態度も辻褄が合う! ふふっ、やっぱりまだ年頃の高校生って訳か。俺も女子とかにアニメとか漫画好きだってバラさない様にしてたもんなぁ。
まぁ、那由さんが何故か俺の事をオタク呼ばわりするからすぐバレたんだけど。
世理は立ち上がり、クッキーの袋をゴミ箱に捨てる。その中には昨日、葵に渡す為に買ってきたプレゼントの装飾が入っていた。
「…そうだ! 今日は見てたアニメのグッズでも買ってあげれば機嫌良くしてくれるかも!」
世理は早速、外に出る準備を始める。
しかし、重大な事が分かっていなかった。
「…何のアニメだろ?」
世理が見たのは、テレビに釘付けな葵のみ。そして聞こえてきた音からアニメと判断したが、まずタイトルが分からない。
アニメに詳しいとは言え…音だけでは…。
こんな時はっと…
「おはようございます、那由さん。世理なんですけど今、大丈夫ですか?」
俺は那由さんに電話を掛けた。
那由さんは漫画家であると同時に、俺と同じオタクだ。アニメや漫画でこの人の右に出る者はいないと思える程だ。
だから電話した。この人ならセリフとかだけでも分かる、と。
『あぁ…世理くん、どうしたの?』
寝ていたのか、那由さんのいつもの声よりか細い声が聞こえる。
「那由さん、今もしかして暇だったりしますか?」
『っ!! 凄く暇!!』
『何を言ってるんですか! 貴方まだムグゥ!!』
「あれ…? 誰かいます?」
今、なんか那由さんの声以外も聞こえた様な…
『誰も居ない! 誰も居ないわ!!』
「あぁ、そうですか? なら良かった」
『何? どこかに行くの?』
「いえ、そう言う訳じゃないんですけど
『なら、電話して来ないで。私これでも忙しいの。じゃ』
ツー ツー ツー
ま、マジか…俺なんかしたか? さっき凄く暇だって言ってたのに…。
まぁ…こう言うこともあるか…。今日の那由さんは、虫の居所が悪かったらしい。何て運が悪いのか。
よし! 此処は1人で買いに行くしかないな! 何のアニメか分からないなら、俺のオススメのアニメグッズ…いや、女子は恋愛系が好きか? まぁとりあえず買ってあげよ!
そう意気込むと、俺は家から出た。
「あ、おかえり」
「…ただいま」
葵の表情を見ると、まだ怒っている様で眉間に皺が寄っている。
よし…ここからだ…俺の戦いは…!
「あの、これ良かったら貰ってくれ。今日偶々UFOキャッチャーで取れてな」
俺は自然と大きな袋を差し出す。その中には沢山のアニメのぬいぐるみや、ポスターが入っていた。
ふふっ、これなら…
「私、こういうの好きじゃないんで…」
世理の安心UFOキャッチャー作戦は不発に終わり、葵は洗面所へと行って手を洗っている。
な、何故だ…。
俺は腕を組んで考える。
そ、そうか! 今日不機嫌な理由はアニメが好きな事が俺にバレたからじゃないか!?
なんて俺はバカな事を…でもこれをどうやって許してもらう? …土下座か? い、いやそれは兄としての威厳が…! 流石にその一線は超えてはダメだろ。
世理の心の中で、色んな葛藤が衝突する。
結果。
そ、そうか! じゃ、じゃあ何か欲しい物とかあるか聞けば良いんだ!!
「あ、あのさ! 何か欲しい物あるか? 何か買ってあげようか?」
手を洗ってきた葵に縋る様に問いかける。そして返ってきたのは…
「あの…やめてくれませんか、そう言うの」
「え…」
否定だった。
葵の瞳は、冷ややかな視線を世理に向ける。
あ、あれ? 俺もしかしてまた何か…
「距離って、そうやって無理に近づくものじゃないと思います。無理に気を遣って、無理に物をくれて、無理に私のご機嫌を伺う…」
「そ、そんな事
「今までの私の様子を見て、ご機嫌を取る様にしているのは分かります。私はすぐ手が出ますからね」
「…そんな事
「ハッキリ言います。尚更やめて下さい。不愉快ですから」
葵は世理の言葉を遮る様に、そう言い渡すと2階へと続く階段へ向かう。その途中、葵は振り向かずに言った。
「でも、貴方は良い人ですね…」
その言葉は何処か憂いに満ちていた。
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