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しおりを挟むスマホのアラームが頭の上でなり続けている。五月蝿いけど腕も動かしたくない。
ねむい……。まだ寝てたい。
それに、今日の布団がいつもより居心地が良くて起きたくない。
布団に擦り寄り身じろぐ。
「んっ……擽ったい」
擽ったい?布団でも擽ったいとかあるのね。
へぇ。と感心しながら頭を布団にグリグリと擦る。
「いや、ちょっと?」
なんか、慌てるけどお構い無しに擦り付ける。
布団の癖に口答えするなんて生意気なのよ。
両腕でギュッと締め付け攻撃を続ける。
「えっ?! ワザと?もしかして起きてます?」
布団って結構おしゃべりなのね。
あれ?……布団って口あったっけ?
頭が徐々にクリアになっていく。
ゆっくり閉じていた目を開ければ……
「おはようございます。寺澤さん」
満面の笑みで挨拶をする笹山の顔が真横にあった。
思わず悲鳴を上げそうになる口を慌てて笹山は手で塞ぐ。
「ちょっ!こんな朝から叫んだら近所迷惑ですよ!」
朝からパニックです。
……
…………
………………
……………………気まずい
コレはどうしたらいいんだろう?
あれから、何とか叫び声は押し戻して2人で朝食を食べている。
笹山が話を振り答えて黙々と食べるの繰り返し。
「寺澤さんって朝弱いんですね。会社とプライベート違いすぎて……。こーゆーのギャップ萌えって言うんでしたっけ?」
「ゲホッ!」
飲んでいたコーヒーで思いっきりむせた。
「何わけわかんないこと言ってんのよ。それ食べたら帰ってね」
ゲホゲホせき込みながらそう告げると、笹山は不満な顔をした。
「休みなんですからゆっくり休日を満喫しましょうよ」
「1人の方が満喫出来るし、それに今日は予定あるから」
「本当に予定あったんですね」
「何それ、私に予定があるのっておかしいの?」
ウインナーにフォークんぶっ刺し凄む。
「そういうわけじゃ。早く帰らせたい言い訳かと…」
「帰って欲しいならハッキリ言うわよ。わざわざ嘘つかないから」
「デート、ですか?」
デートならまだ楽だったのかも……。そんな相手いないけどね。
人の予定をそんな気にしてないでさっさと食事を済まして帰ってほしい。
「もう、嫌味ね。そんなんじゃなくて、実家に用があるの」
「嘘じゃなくて?」
「なんでワザワザ、嘘つかなきゃいけないのよ。それに私の休日の予定なんてあなたに関係ないでしょ」
そんな面倒な事する訳ないじゃない。
思わずため息が漏れた。
「気になるじゃないですか。1晩一緒に過ごしたんだし?」
「止めて。その紛らわしい言い方……」
なんか、頭痛くなってきた。
こめかみを指で押さえる。
ちゃんと服も着ていたし、致した形跡もない。一線は超えていないはず。
昨日は、酔っ払った所が可愛いとか。意外と話が合って楽しかったとか思ったけど。
なんなのよ?今はかなりめんどくさいんだけど。
「とりあえず、食べたらさっさと帰ってね」
「えー。切り替え早くないですか?ベッドだと積極的なのに…」
拗ねた口調でつぶやく。
「ーーーっ!! あれは!!!」
「可愛かったなぁ……自分から擦り寄ってきて甘える寺澤さん……」
「…………。」
「さっさと帰れなんて言うから、俺、寂しい」
上目遣いで捨てられた子犬の様に瞳を濡らし見つめる。
「あなたってそんなキャラだった?」
睨みつけても澄ました顔でコーヒーを飲む笹山に殺意が芽生えそうだ。
「まぁ、冗談はこの辺にして。寺澤さん?」
いきなり、真剣な顔になる笹山に不覚にもドキッとしてしまう。
「俺と付き合いません?」
「はっ?!」
余りにも唐突な言葉で唖然としてしまった。
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