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次の日の朝
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結局翌朝まで目を覚まさなかった堂崎は、覚醒した瞬間に俺の腕の中で身体のだるさを訴えた。
「な、何かすごく身体がだるくて、腰が重いんですけど……」
「ん、まあ、夕べはすごかったもんなあ」
ニヤニヤと笑いながらその頭を撫でる。
「……夕べ? えっと、昨日の夜は確か、お風呂上がった後、甘いお酒をもらって、それから……」
そこまで言って、彼が口を閉ざして、何かを思い出したようにかあと赤くなった。
「それから?」
俺が続きを促すと、堂崎がふるふると首を振る。
「それから先は覚えてません! 僕、あ、あんなこと……!」
「あんなことって何?」
どうやら、昨晩のことは覚えているようだ。俺は楽しい気分で、赤い顔をして墓穴を掘った彼に突っ込む。
確かに酔ってはいたけれど、さすがにあの量で記憶が吹っ飛ぶことは無かったのだろう。
昨晩の行為を思い出して、恥じ入ってもじもじと視線を逸らす堂崎に、俺は笑みを深めた。
「堂崎くんは覚えてないんだ-。せっかく俺から百点取ったのに。俺専用になるって話も嘘だったのかあ」
「う、嘘じゃないです! けど……っ」
動揺している彼は分かりやすい誘導に簡単に引っかかる。
「何だよ、覚えてないんだろ? ここの奥までずっぽり俺のち○こハメて、ズボズボされてめちゃくちゃ悦がってたのに」
下腹を撫でながら言うと、堂崎は狼狽えて耳まで赤くした。
「そそそ、そんなの、由利さんが全部挿れないと百点にならないって言うからっ……!」
アホだな、覚えていると白状しているも同然じゃねえか。
「ア○ルで気持ち良すぎてメスイキしちゃったのも覚えてないのかなー」
「あ、あれは気のせいで、実はイってな……」
「ふうん、よーく覚えてんじゃん」
ニヤと笑って言うと、堂崎はうぐと言葉を詰まらせた。
「お酒飲まないと正直になれない? また持ってこようか」
「……いらないです」
赤面したまま口を尖らせた彼が、泳がせていた視線をやっと俺に戻す。
「本当は掻き出されるのが恥ずかしいだけで、中で出されるのも好きなんだってなあ」
「だって由利さんの熱が中で広がるの気持ち良いし……、由利さんがいっぱい出してくれると、気持ち良かったんだって思って嬉しくなるし」
不本意そうな顔をしているが、告げる言葉は素直だ。ご褒美にその尖らせた唇を啄んでキスをすると、堂崎はすぐに穏やかにまぶたを伏せた。
「ほんと、お前可愛いなあ」
「……由利さん、最近よくそれ言うよね」
しみじみと言うと、腕の中で照れた彼に困ったように返される。
「何だよ。嬉しかろうが」
「嬉しいけど。慣れないなあ、実際僕は地味で可愛くないし」
「俺にとっては十分可愛いっつうの。でも他のやつには可愛い顔すんな。特に三田とか」
「そういや、先輩は最初から可愛いって言ってくれてたな……。飼い犬に似てるって言ってたから、ペット的な意味だと思ってたけど」
「首輪と鎖で繋いでおきたいとかそういう意味があるから、あの男には近付くんじゃねえぞ」
「何ですかそれ、先輩はそんな人じゃないですよ?」
いや、完全にそんな人なんだけど、まあ、皆まで言うまい。
「んー……だるいけど、そろそろ起きて、朝ご飯の準備しなくちゃ」
おもむろに、堂崎が俺の腕を退けて身体を捩った。時計を見れば八時半を回っている。休日でも遅くとも九時には朝食を取るから、少し寝坊だ。
「今日はもうトーストとサラダとコーヒーだけでいいだろ? 無理することねえよ、それくらいなら俺がするし」
彼を制して、俺がベッドから下りる。いつも堂崎にやらせているし、彼の身体を疲弊させたのは紛れもなく俺なのだし、このくらいはしなければ。
「由利さん、優しい……!」
感激したように言う堂崎の瞳がキラキラしてるのに苦笑して、俺は下着とスラックスだけ穿いて、髪を撫で付けた。
「お礼は食後の運動一ラウンドでいいぞ」
「……はい?」
途端に顔を引きつらせる彼に、喉の奥でくつくつと笑う。
「冗談だよ。まあ、夜にはさせて欲しいから、それまでゆっくりして体力回復しとけ」
「……由利さんが言うと冗談に聞こえない……」
「言っとくが俺だって、お前に無理強いして嫌な思いさせたくないと思ってんだよ。可愛い大事な恋人だからな。堂崎に嫌われたくねえし」
そう告げると、堂崎はぽっと頬を染めた。
「僕が由利さんを嫌うなんて有り得ないんだけど……。なんだかんだ言って、由利さん僕がダメって言えば止めてくれるし……。ますます由利さんを好きになって、困っちゃうくらいですよ?」
「そりゃいいな。もっと俺のこと好きになって、そのうち自分から乗っかって来てち○こハメて腰振ってくれや」
「……もう、せっかく胸キュンしてたのに、そういうこと言う……」
またむくれてしまった彼に苦笑いをして、その頭を撫でる。
「とにかく、夕べは酔わせて無理させちまったからな、日中は休んでろ」
それだけ告げて、今度こそ朝食を作るためにベッドを離れると、部屋のドアノブに手を掛けた。
「……由利さん」
「ん?」
部屋を出る間際に、不意に名前を呼ばれて振り返る。
と、シーツを肩まで被った堂崎が、頬を染めたままこちらを見ていた。
「……昨日の、無理させたって言うけど……、どっちかって言うと僕、由利さんの宣言通り、天国見ちゃった、よ」
そう言った彼は、自分で言っておきながら、焦ったようにさらに顔を赤くして、ばふんと頭までシーツを被ってしまった。
おいおいおい、朝っぱらから煽んじゃねえよ、あーもう、くっそ可愛いな!
ついベッドに戻って布団を剥ぎ取って、もう一回天国見せてやりたい気分になるけれど、さっきしないと言った手前そうするわけには行かない。
とりあえず今晩も百点のS○Xをさせてもらおうと心に決めて、俺は後ろ髪を引かれつつキッチンに向かった。
「な、何かすごく身体がだるくて、腰が重いんですけど……」
「ん、まあ、夕べはすごかったもんなあ」
ニヤニヤと笑いながらその頭を撫でる。
「……夕べ? えっと、昨日の夜は確か、お風呂上がった後、甘いお酒をもらって、それから……」
そこまで言って、彼が口を閉ざして、何かを思い出したようにかあと赤くなった。
「それから?」
俺が続きを促すと、堂崎がふるふると首を振る。
「それから先は覚えてません! 僕、あ、あんなこと……!」
「あんなことって何?」
どうやら、昨晩のことは覚えているようだ。俺は楽しい気分で、赤い顔をして墓穴を掘った彼に突っ込む。
確かに酔ってはいたけれど、さすがにあの量で記憶が吹っ飛ぶことは無かったのだろう。
昨晩の行為を思い出して、恥じ入ってもじもじと視線を逸らす堂崎に、俺は笑みを深めた。
「堂崎くんは覚えてないんだ-。せっかく俺から百点取ったのに。俺専用になるって話も嘘だったのかあ」
「う、嘘じゃないです! けど……っ」
動揺している彼は分かりやすい誘導に簡単に引っかかる。
「何だよ、覚えてないんだろ? ここの奥までずっぽり俺のち○こハメて、ズボズボされてめちゃくちゃ悦がってたのに」
下腹を撫でながら言うと、堂崎は狼狽えて耳まで赤くした。
「そそそ、そんなの、由利さんが全部挿れないと百点にならないって言うからっ……!」
アホだな、覚えていると白状しているも同然じゃねえか。
「ア○ルで気持ち良すぎてメスイキしちゃったのも覚えてないのかなー」
「あ、あれは気のせいで、実はイってな……」
「ふうん、よーく覚えてんじゃん」
ニヤと笑って言うと、堂崎はうぐと言葉を詰まらせた。
「お酒飲まないと正直になれない? また持ってこようか」
「……いらないです」
赤面したまま口を尖らせた彼が、泳がせていた視線をやっと俺に戻す。
「本当は掻き出されるのが恥ずかしいだけで、中で出されるのも好きなんだってなあ」
「だって由利さんの熱が中で広がるの気持ち良いし……、由利さんがいっぱい出してくれると、気持ち良かったんだって思って嬉しくなるし」
不本意そうな顔をしているが、告げる言葉は素直だ。ご褒美にその尖らせた唇を啄んでキスをすると、堂崎はすぐに穏やかにまぶたを伏せた。
「ほんと、お前可愛いなあ」
「……由利さん、最近よくそれ言うよね」
しみじみと言うと、腕の中で照れた彼に困ったように返される。
「何だよ。嬉しかろうが」
「嬉しいけど。慣れないなあ、実際僕は地味で可愛くないし」
「俺にとっては十分可愛いっつうの。でも他のやつには可愛い顔すんな。特に三田とか」
「そういや、先輩は最初から可愛いって言ってくれてたな……。飼い犬に似てるって言ってたから、ペット的な意味だと思ってたけど」
「首輪と鎖で繋いでおきたいとかそういう意味があるから、あの男には近付くんじゃねえぞ」
「何ですかそれ、先輩はそんな人じゃないですよ?」
いや、完全にそんな人なんだけど、まあ、皆まで言うまい。
「んー……だるいけど、そろそろ起きて、朝ご飯の準備しなくちゃ」
おもむろに、堂崎が俺の腕を退けて身体を捩った。時計を見れば八時半を回っている。休日でも遅くとも九時には朝食を取るから、少し寝坊だ。
「今日はもうトーストとサラダとコーヒーだけでいいだろ? 無理することねえよ、それくらいなら俺がするし」
彼を制して、俺がベッドから下りる。いつも堂崎にやらせているし、彼の身体を疲弊させたのは紛れもなく俺なのだし、このくらいはしなければ。
「由利さん、優しい……!」
感激したように言う堂崎の瞳がキラキラしてるのに苦笑して、俺は下着とスラックスだけ穿いて、髪を撫で付けた。
「お礼は食後の運動一ラウンドでいいぞ」
「……はい?」
途端に顔を引きつらせる彼に、喉の奥でくつくつと笑う。
「冗談だよ。まあ、夜にはさせて欲しいから、それまでゆっくりして体力回復しとけ」
「……由利さんが言うと冗談に聞こえない……」
「言っとくが俺だって、お前に無理強いして嫌な思いさせたくないと思ってんだよ。可愛い大事な恋人だからな。堂崎に嫌われたくねえし」
そう告げると、堂崎はぽっと頬を染めた。
「僕が由利さんを嫌うなんて有り得ないんだけど……。なんだかんだ言って、由利さん僕がダメって言えば止めてくれるし……。ますます由利さんを好きになって、困っちゃうくらいですよ?」
「そりゃいいな。もっと俺のこと好きになって、そのうち自分から乗っかって来てち○こハメて腰振ってくれや」
「……もう、せっかく胸キュンしてたのに、そういうこと言う……」
またむくれてしまった彼に苦笑いをして、その頭を撫でる。
「とにかく、夕べは酔わせて無理させちまったからな、日中は休んでろ」
それだけ告げて、今度こそ朝食を作るためにベッドを離れると、部屋のドアノブに手を掛けた。
「……由利さん」
「ん?」
部屋を出る間際に、不意に名前を呼ばれて振り返る。
と、シーツを肩まで被った堂崎が、頬を染めたままこちらを見ていた。
「……昨日の、無理させたって言うけど……、どっちかって言うと僕、由利さんの宣言通り、天国見ちゃった、よ」
そう言った彼は、自分で言っておきながら、焦ったようにさらに顔を赤くして、ばふんと頭までシーツを被ってしまった。
おいおいおい、朝っぱらから煽んじゃねえよ、あーもう、くっそ可愛いな!
ついベッドに戻って布団を剥ぎ取って、もう一回天国見せてやりたい気分になるけれど、さっきしないと言った手前そうするわけには行かない。
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