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第三章 妖刀と姉と弟
再会、頼れる後輩
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「燈、この子は……?」
「ああ、悪い。紹介するぜ。こいつは田中正弘、俺の一個下の後輩で、信用出来る仲間だ。まさかお前が磐木に来てるだなんてな、驚いたぜ」
涼音に正弘のことを紹介しながら顔の包帯を取った燈は、素顔を彼に見せて久々の対面を果たす。
それは暗に、涼音に対して正弘はここまで顔を隠していた自分が素顔を晒せるほどの信頼を寄せているということを示すための行為であり、同時に自分たちを助けてくれた正弘に対して誠実さを見せるための行動でもあった。
「……やっぱり、生きてたんですね。でも、どうして学校に戻って来なかったんですか? それに、そんな風に顔を隠して……」
「それについては、話すと長くなる。けど、お前も多少は答えっぽいものを導けてるんじゃねえか?」
「……竹元先輩、ですね? 実は今、あの人もこの町に来ています。あの人と何かがあったんですか?」
やはりこの後輩は聡明だ、と思いながら正弘の言葉に頷く燈。
自分が生きていることを黙秘し続けてくれたこともそうだが、正弘は信頼に足る頭脳と度胸を持ち合わせている。
改めて、彼の有能さを感じ取りながら、ここまで自分を手助けしてくれた彼にならば全てを話しても構わないかと判断した燈は、あの日、自分が学校から姿を消した日に、何が起きたのかを簡潔に正弘へと教えることにした。
「実は、な――」
あの食料調達は、全て竹元が仕組んだ罠だったということ。
燈のことを目障りに思っていた彼と逆恨みした三人組の後輩、そして地獄のような日々から脱したかった下働き組の面々が協力し、燈を抹殺するために崖の下に叩き落したこと。
何とか生き延びた燈が宗正に拾われ、そこで自身の才能を教えられてもらい、彼に弟子入りしてから今に至るまでの全てを話す間、正弘の顔色は面白いくらいに変化を続けていた。
「そ、そんな……! おかしいとは思ってたけど、まさかそんなことがあっただなんて……!?」
クラスメイトを平気で殺そうとした順平の行いに顔面を蒼白にした後、その卑劣さに怒りを覚えた正弘の顔色がみるみるうちに赤く染まっていく。
怒りを覚えているのは順平に対してだけではない。
同じ苦しみを分かち合い、燈に救われた元下働き組の面々が順平の悪行に手を貸し、今ものうのうとその罪を忘れたかのように生きていることが許せないとばかりに、正弘は燈へと叫ぶ。
「先輩! すぐに今の話を神賀先輩たちの前でしてください! 俺が一緒なら、神賀先輩たちも話を聞いてくれるはずですよ!」
「……そうしたいのはやまやまだが、今はタイミングがまずい。あいつら一派をとっちめるなら、一網打尽に出来る学校じゃないと駄目だ。もしもこの磐木で竹元の野郎を取り逃がしたら、タガが外れたあいつが何をするかわからねえからな」
自分の話を信じ、即座に行動を起こしてくれようとする正弘に感謝しながらも、燈は彼の提案を断った。
学校から遠く離れた位置にある磐木で順平とひと悶着起こした結果、彼を取り逃がしたりなどすれば二次被害が出る可能性がある。
今の順平の手には武神刀があり、彼が野に放たれてしまえば、その力を悪い方向に振るうことは想像に難しくない。
それに、仮に無事、順平を拘束することが出来たとして、学校に残る順平一派の生徒の耳に何かの拍子でその情報が伝わってしまえば、彼らの脱走を招きかねない。
そうなれば、彼らが第二、第三の順平になってしまう可能性も十分にあり得た。
「あいつらをこのままにはしておけねえ。だが今は、辻斬り事件と妖刀をどうにかすることを優先した方が良い。この事件が片付いたら、竹元の野郎には落とし前をつけさせる……正弘、お前も協力してくれるか?」
「当たり前じゃないですか! あいつをのさばらせておいたら、これからも無用な犠牲が出る! 先輩たちのような人を生み出さないためにも、あいつには報いを受けさせるべきですよ!」
そろそろ、頃合いとしては丁度良いのかもしれない。
この事件が解決し、武士団の結成が現実の物となったのなら、流石にこれまでのように顔を隠して包帯太郎として活動するというのにも無理がある。
自分だけでなく、こころのためにも、王毅たちに自分たちが死んでいないことを伝えると同時に、順平の悪事もまた教えるべきだ。
順平や、彼に協力した生徒たちを学校で拘束し、武神刀を取り上げて幽閉してもらうというのが、断罪の形としては最も望ましい。
彼らが外部に逃げることを許さず、犯行に加担した面子を一斉に捕らえることが出来れば、学校内にも大和国の人々にも被害は出ずに済むだろう。
そこからは、自分は学校に戻るわけにはいかないが……王毅たちと協力し、彼らの手が届かない地域で活躍する遊軍といった形で妖と戦い続けることで、元の世界への帰還を早められるはずだ。
何にせよ、正体を明かす時が来たのだろうと判断した燈は、この事件が収束した後に全てを王毅たちに告げることを決意しつつ、協力してくれる正弘に頼もし気な視線を送った。
「にしても、随分と頼もしくなったじゃねえか。武神刀まで手に入れて、立派な剣士の仲間入りだな」
「先輩に追い付くために頑張ったんですよ。でも、戦闘能力はからっきしで、斥候としてでしか働けないんですけどね」
「それでも十分だろ。あのおんぼろ小屋で愚痴ってた奴とは思えないくらい、お前は成長してるよ」
かつて、下働き組として共に辛い日々を送っていたあの頃の正弘と比べると、彼は随分と逞しくなった。
もやしのようだった細い体にはわずかながらも筋肉が付き、成長の土台となる肉体をしっかりと作り上げていることが判る。
それに、気力が低くて不適格だと判断されたが故に与えられなかった武神刀を、今の彼は所持している。
戦うことは不得意でも、その力を使って仲間を手助けする役目をしっかりこなしているからこそ、正弘も妖刀奪還という任務に抜擢されたのだろう。
何より、今の彼は昔の彼よりも随分と前向きだ。
奴隷のような扱いに怒り、愚痴ることしか出来なかったかつての正弘と比べて、何よりも心が成長している。
そのことを素直に喜び、彼の成長を賞賛する燈の言葉に、正弘も嬉しさを隠し切れないようにして頬を赤く染めていた。
「ごめんなさい、ちょっといいかしら?」
「え? あ、はい。あなたは確か、鬼灯涼音さん、でしたよね?」
「ええ。正弘くん、あなたにお願いがあるの。私は姉として、弟の嵐を止めなければならない。その役目は、他の誰にも担わせるわけにはいかないわ」
そうやって久々の話に花を咲かせていた二人であったが、その間に割り込むようにして涼音が正弘へと声をかける。
監視対象の一人である涼音から不意に声をかけられたことに動揺した正弘であったが、即座に冷静さを取り戻して彼女の話に耳を傾ければ、平坦なその話し方の中に強い覚悟が秘められていることに気が付いた。
「あなたたちの動きを逐一報告してほしいとは言わない。ただ、あなたたちが有している戦力の情報を教えてくれないかしら? 戦える人間は何人いるのか? それぞれ何を得意としている剣士なのか? それを教えてもらえると、私としても対策が立てやすくなるから」
「……正弘、俺からも頼む。お前たちの中で誰が信用出来て、誰がそうじゃねえかを知るためにも、磐木の町に誰が来てるかって情報は重要だ。最悪、戦法とかは教えなくても構わねえ。誰がこの町に来ているかだけでも教えちゃくれねえか?」
「……先輩からそう言われたら断れませんね。わかりました。妖刀奪還の任務に誰が就いているかをお教えしましょう。俺の主観も含めて話しますんで、誰が信用出来るかの判断材料にしてください」
「サンキュー、正弘。助かるぜ」
仲間の情報を別勢力に伝えるという、裏切りとも取れる行動を自分たちのために取ってくれる正弘に感謝を伝えた燈は、その情報を聞き逃さぬように意識を集中して彼の話に耳を傾ける。
涼音もまた、燈同様に集中して正弘の話を聞く準備を整えているようだ。
若干、そんな二人の物々しい雰囲気に圧されながらも、正弘はこの磐木に来ている自分の仲間たちについての情報を燈たちに話し始める。
「ああ、悪い。紹介するぜ。こいつは田中正弘、俺の一個下の後輩で、信用出来る仲間だ。まさかお前が磐木に来てるだなんてな、驚いたぜ」
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それは暗に、涼音に対して正弘はここまで顔を隠していた自分が素顔を晒せるほどの信頼を寄せているということを示すための行為であり、同時に自分たちを助けてくれた正弘に対して誠実さを見せるための行動でもあった。
「……やっぱり、生きてたんですね。でも、どうして学校に戻って来なかったんですか? それに、そんな風に顔を隠して……」
「それについては、話すと長くなる。けど、お前も多少は答えっぽいものを導けてるんじゃねえか?」
「……竹元先輩、ですね? 実は今、あの人もこの町に来ています。あの人と何かがあったんですか?」
やはりこの後輩は聡明だ、と思いながら正弘の言葉に頷く燈。
自分が生きていることを黙秘し続けてくれたこともそうだが、正弘は信頼に足る頭脳と度胸を持ち合わせている。
改めて、彼の有能さを感じ取りながら、ここまで自分を手助けしてくれた彼にならば全てを話しても構わないかと判断した燈は、あの日、自分が学校から姿を消した日に、何が起きたのかを簡潔に正弘へと教えることにした。
「実は、な――」
あの食料調達は、全て竹元が仕組んだ罠だったということ。
燈のことを目障りに思っていた彼と逆恨みした三人組の後輩、そして地獄のような日々から脱したかった下働き組の面々が協力し、燈を抹殺するために崖の下に叩き落したこと。
何とか生き延びた燈が宗正に拾われ、そこで自身の才能を教えられてもらい、彼に弟子入りしてから今に至るまでの全てを話す間、正弘の顔色は面白いくらいに変化を続けていた。
「そ、そんな……! おかしいとは思ってたけど、まさかそんなことがあっただなんて……!?」
クラスメイトを平気で殺そうとした順平の行いに顔面を蒼白にした後、その卑劣さに怒りを覚えた正弘の顔色がみるみるうちに赤く染まっていく。
怒りを覚えているのは順平に対してだけではない。
同じ苦しみを分かち合い、燈に救われた元下働き組の面々が順平の悪行に手を貸し、今ものうのうとその罪を忘れたかのように生きていることが許せないとばかりに、正弘は燈へと叫ぶ。
「先輩! すぐに今の話を神賀先輩たちの前でしてください! 俺が一緒なら、神賀先輩たちも話を聞いてくれるはずですよ!」
「……そうしたいのはやまやまだが、今はタイミングがまずい。あいつら一派をとっちめるなら、一網打尽に出来る学校じゃないと駄目だ。もしもこの磐木で竹元の野郎を取り逃がしたら、タガが外れたあいつが何をするかわからねえからな」
自分の話を信じ、即座に行動を起こしてくれようとする正弘に感謝しながらも、燈は彼の提案を断った。
学校から遠く離れた位置にある磐木で順平とひと悶着起こした結果、彼を取り逃がしたりなどすれば二次被害が出る可能性がある。
今の順平の手には武神刀があり、彼が野に放たれてしまえば、その力を悪い方向に振るうことは想像に難しくない。
それに、仮に無事、順平を拘束することが出来たとして、学校に残る順平一派の生徒の耳に何かの拍子でその情報が伝わってしまえば、彼らの脱走を招きかねない。
そうなれば、彼らが第二、第三の順平になってしまう可能性も十分にあり得た。
「あいつらをこのままにはしておけねえ。だが今は、辻斬り事件と妖刀をどうにかすることを優先した方が良い。この事件が片付いたら、竹元の野郎には落とし前をつけさせる……正弘、お前も協力してくれるか?」
「当たり前じゃないですか! あいつをのさばらせておいたら、これからも無用な犠牲が出る! 先輩たちのような人を生み出さないためにも、あいつには報いを受けさせるべきですよ!」
そろそろ、頃合いとしては丁度良いのかもしれない。
この事件が解決し、武士団の結成が現実の物となったのなら、流石にこれまでのように顔を隠して包帯太郎として活動するというのにも無理がある。
自分だけでなく、こころのためにも、王毅たちに自分たちが死んでいないことを伝えると同時に、順平の悪事もまた教えるべきだ。
順平や、彼に協力した生徒たちを学校で拘束し、武神刀を取り上げて幽閉してもらうというのが、断罪の形としては最も望ましい。
彼らが外部に逃げることを許さず、犯行に加担した面子を一斉に捕らえることが出来れば、学校内にも大和国の人々にも被害は出ずに済むだろう。
そこからは、自分は学校に戻るわけにはいかないが……王毅たちと協力し、彼らの手が届かない地域で活躍する遊軍といった形で妖と戦い続けることで、元の世界への帰還を早められるはずだ。
何にせよ、正体を明かす時が来たのだろうと判断した燈は、この事件が収束した後に全てを王毅たちに告げることを決意しつつ、協力してくれる正弘に頼もし気な視線を送った。
「にしても、随分と頼もしくなったじゃねえか。武神刀まで手に入れて、立派な剣士の仲間入りだな」
「先輩に追い付くために頑張ったんですよ。でも、戦闘能力はからっきしで、斥候としてでしか働けないんですけどね」
「それでも十分だろ。あのおんぼろ小屋で愚痴ってた奴とは思えないくらい、お前は成長してるよ」
かつて、下働き組として共に辛い日々を送っていたあの頃の正弘と比べると、彼は随分と逞しくなった。
もやしのようだった細い体にはわずかながらも筋肉が付き、成長の土台となる肉体をしっかりと作り上げていることが判る。
それに、気力が低くて不適格だと判断されたが故に与えられなかった武神刀を、今の彼は所持している。
戦うことは不得意でも、その力を使って仲間を手助けする役目をしっかりこなしているからこそ、正弘も妖刀奪還という任務に抜擢されたのだろう。
何より、今の彼は昔の彼よりも随分と前向きだ。
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そのことを素直に喜び、彼の成長を賞賛する燈の言葉に、正弘も嬉しさを隠し切れないようにして頬を赤く染めていた。
「ごめんなさい、ちょっといいかしら?」
「え? あ、はい。あなたは確か、鬼灯涼音さん、でしたよね?」
「ええ。正弘くん、あなたにお願いがあるの。私は姉として、弟の嵐を止めなければならない。その役目は、他の誰にも担わせるわけにはいかないわ」
そうやって久々の話に花を咲かせていた二人であったが、その間に割り込むようにして涼音が正弘へと声をかける。
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「あなたたちの動きを逐一報告してほしいとは言わない。ただ、あなたたちが有している戦力の情報を教えてくれないかしら? 戦える人間は何人いるのか? それぞれ何を得意としている剣士なのか? それを教えてもらえると、私としても対策が立てやすくなるから」
「……正弘、俺からも頼む。お前たちの中で誰が信用出来て、誰がそうじゃねえかを知るためにも、磐木の町に誰が来てるかって情報は重要だ。最悪、戦法とかは教えなくても構わねえ。誰がこの町に来ているかだけでも教えちゃくれねえか?」
「……先輩からそう言われたら断れませんね。わかりました。妖刀奪還の任務に誰が就いているかをお教えしましょう。俺の主観も含めて話しますんで、誰が信用出来るかの判断材料にしてください」
「サンキュー、正弘。助かるぜ」
仲間の情報を別勢力に伝えるという、裏切りとも取れる行動を自分たちのために取ってくれる正弘に感謝を伝えた燈は、その情報を聞き逃さぬように意識を集中して彼の話に耳を傾ける。
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