和風ファンタジー世界にて、最強の武士団の一員になる!

烏丸英

文字の大きさ
87 / 127
第三章 妖刀と姉と弟

姉としての覚悟

しおりを挟む

 涼音の言葉に、空気がひび割れる音がした。
 彼女が抱えているものや百元が自分を責め続ける理由、そして彼女が誰を殺めようとしているかの答えは、その返答だけで十分に理解出来る。

 だが、妖刀という物の存在を始めて知った燈やこころにとっては、涼音の言葉だけでは全てを理解し切れるわけではない。より詳しい事情の説明を求めているのは、蒼たちも同じだ。

 いったい、百元たちに何があったのか?
 端的な言葉ではなく、詳細な事情を求める燈たちの雰囲気を察知してか、百元が師としての責任を果たすべく、重い口を開く。

「今から二週間ほど前のことだ。僕が育てていた弟子である嵐が、忽然と姿を消した。これまで無断で何処かに行ってしまうような子ではなかったから、おかしいとは思ってはいたんだ。そして、それと時を同じくして、磐木の周囲で辻斬り事件が起きるようになった。その犯人が使っていた技は、僕が嵐に教えたものとそっくりだったんだよ」

 眼鏡の縁を抑え、軽く位置を整えた百元は、震える声で話を続けた。

「信じたくはなかった。ただの偶然だと思いたかった……そんな僕たちの願いも空しく、嵐は屋敷に帰ってくることはなく、辻斬りの犯行も徐々に凄惨さを増していった。そして、そして……遂にあの日が、やって来たんだ……!!」

 百元の脳裏に浮かぶ、悪夢のような光景。
 孫のように育て、愛し、慈しんだ教え子が、狂気に満ちた笑みを浮かべて血の跡を残す刀を自分へと見せつける姿。

 深い緑色と、闇のような黒に彩られた鞘から武神刀が引き抜かれた時、百元はその刀が持つ魔力を即座に理解する。
 そして、その許されざる存在に心を売り渡し、妖刀の僕となってしまった弟子の姿を見て、言いようのない悔しさに拳を震わせた。

「『禍風まがつかぜ』……それが、嵐を歪ませた刀の名だ。嵐は妖刀が与える力に魅了され、心を憑りつかれてしまった。あんなに優しかったあの子が、人を斬ることに愉悦を見出す悪魔に変わってしまったんだ……」

「そんな……!? どうして、そんなことに……!?」

「全ては僕の責任だ。あの子の心の機敏に気付くことが出来なかった。僕自身の師としての器量不足のせいで、嵐は……っ!!」

「……いいえ、先生の責任じゃないわ。全ては嵐の心の弱さが招いたこと。あの子は自分の強さに自信が持てず、悩んでいた。その心の隙を妖刀に付け込まれた、それだけの話よ」

 師を庇うように口を挟んだ後、涼音が瞳に冷たい殺意の炎を燃やす。
 血の繋がった弟の不始末は自分の手で清算するという覚悟を感じさせるその眼差しを見つめながら、燈は涼音へと問いかけた。

「……弱かったのか、お前の弟は? そんな、妖刀の力に頼っちまうくらいに?」

「ええ、弱かった。少なくとも、あの子は私に一度たりとも勝ったことはないわ。いくら私が姉であり、年上であったとしても、男である嵐が女にまるで歯が立たないというのは、屈辱だったでしょうね」

「……その嫉妬心が、誤った道だとわかった上でも力を追い求める理由になったということか。少し前の私が妖刀に出会っていれば、もしかしたら同じ道を歩んでいたかもしれないな……」

 嵐が姉の強さにコンプレックスを抱いていたという話を聞いた栞桜が、かつての自分とその姿を重ねて呟く。

 嫉妬は時に、自らの破滅を理解した上で超えたい相手を打倒するために過ちを是としてしまうことがある。
 あるいは、遥か高みにいる相手と自分との差をまざまざと見せつけられたが故に破滅願望を抱き、全てに投げやりになってしまうことがあるということを身を以て理解している栞桜は、嵐の身に起きた悲劇を決して他人事とは思えないようだ。

 百元の口振りから察するに、嵐は決して悪人ではない。むしろ、その逆だ。
 それならば、歪んだ道に進んでしまった彼から原因である妖刀を取り上げればなんとかなるのではないかと考えた燈であったが、そんな彼の心を見透かしたかのように、涼音が首を振ってから言う。

「妖刀の力に魅入られた者は、その心までもが妖刀に支配されてしまう。妖刀を破壊したり、引き剥がしたりすれば最後、悪意と狂気に蝕まれた心は崩壊し、心身共に終わりを迎えることになるわ」

「そんな……! な、なにか方法はないんですか!? 陰陽術だとか、武神刀の力とかで、妖刀の支配から嵐さんを救う方法が――」

「無い。あったとしても、嵐は既に何人も罪のない人を殺めてしまった。その罪を贖うには、嵐自身の命を差し出すしかない」

 どうにかして嵐を妖刀の呪縛から解放出来ないかと考えたこころであったが、その願望は涼音の一言によって斬って捨てられてしまった。
 そうして、甘く温い願いを排除し、悲壮な覚悟を固めた涼音は、一同に向けて威嚇するようにこう言い放つ。

「これは、私たち姉弟の問題。奉行所の連中も、異世界の英雄たちも、勿論あなたたちも……首を突っ込む必要はないわ。嵐の首は私が取る。外道に堕ちた弟を止めるのは、唯一の肉親である私の役目だから……」

 救う方法もない。救われる道理もない。
 ならば、これ以上の罪を重ねる前にせめて姉である自分の手で葬ってやりたい。
 実の弟を自らの手で殺めることになったとしても、それこそが自分が出来る嵐への最大の慈悲であることを理解しているからこそ、涼音は悲壮な覚悟を固めてまでそれを成そうとしているのだろう。

 師匠である百元もそんな彼女の意志を尊重しているからこそ、彼女を自由に行動させているきらいがある。
 しかし、それと同時に弟子であり、まだ子供でもある涼音に家族殺しの咎を負わせることを本心から良しと思えていないからこその葛藤を抱えていることもまた確かなのだ。

 事は、自分たちが思っている以上に複雑で難解だ。
 確かにこれは百元一派の問題であり、涼音と嵐の姉弟の問題でもある。ここに燈たちが首を突っ込むことはお門違いなのかもしれない。
 だが、そうだったとしても、彼らはこんな話を聞いて、何もせずにいられるような人間ではなかった。

「……お前の事情ってモンもわかったよ。だがよ、これ以上無用な人死にを出したくないってんなら、一人よりも大勢で事に当たった方が賢明なんじゃねえのか?」

「燈の言う通りだ。集団で動けば、情報収集も嵐の捜索もその分効率が良くなる。姉弟の問題に他人を巻き込みたくないというお前の気持ちもわからなくはないが、そのために無関係な人間が殺されることになるのは間違っている。それに、お前も弟にこれ以上の罪を重ねさせたくはないだろう? 何もかもとは言わん。ただ、嵐の身柄を抑えるための協力を私たちにもさせてくれ」

「………」

 燈と栞桜からの言葉に、涼音が口を真一文字に結んで顔を逸らす。
 彼女は、自分の意志が一種の我儘であることを理解しており、その思いが罪のない人々の命を嵐が刈り取ることに繋がることも判っているが故に、自分の我を通すことに躊躇いを感じているのだろう。

 姉として、家族として、誤った道に進んでしまった弟を止める役目を果たしたいという気持ちは間違っていない。
 だが、その思いが沢山の人が傷つき、死んでしまうことに繋がるというのならば、ある程度の妥協も必要だ。

「……決着は、私の手でつける。その約束が守れるというのなら、協力しても構わない」

「ああ、必ず。だが、こっちも出来るだけ嵐を救える方法がないか探ってみてえ。もしも殺さなくても済む方法が見つかったとしたら、そっちの道も考えておいてくれ」

「……無駄だと思うけど、了承する。でも、結末は変わらない。あの子は、死ぬ。妖刀の魔力によって身を滅ぼすか、私に斬られて命を落とすか……あるいは、身柄を抑えられた上で斬首の刑に処されるかのどれか。同じ、妖刀の力に飲まれた者として死ぬのなら、せめて私の手で……」

 涼音の中に、弟を救いたいという気持ちがないわけではない。
 むしろ、その想いが強いからこそ、自分の手で嵐を殺めようとしているのだろう。

 彼女から姉としての悲壮な覚悟を感じ取った燈は、今はそれ以上の言葉をかけることを止めた。
 今はただ、妖刀に飲まれた嵐を止めることだけを考えよう……と、思っていた一行であったが、今の話を静かに聞いていたこころは、その中にあった重要な単語を聞き逃さなかったようだ。

「あ、あの、ちょっといい、ですか……? 涼音さんさっき、って言ってましたよね? もしかして、この事件を調べるために、異世界の英雄が呼び寄せられてるんですか?」

 先の涼音の言葉の中に、異世界の英雄も首を突っ込む必要はないというものがあった。
 それは即ち、この事件に何らかの形で異世界の英雄と呼ばれる存在が関わろうとしているということなのではないかという疑念を抱いたこころに対して、涼音が肯定の言葉を返す。

「ええ、東平京から何人かの腕利きが送り込まれてるみたい。『禍風』を奪還するために、わざわざ磐木までやって来たみたいね」

「うげぇっ!? ま、マジかよ……!? お、おい! そいつら、どんな特徴があった? 名前とか、聞いてねえか?」

「……あんまり興味ないから、覚えてない。ただ、自分たちの目的とか、自分は異世界から英雄として呼び出されたとか、そういった事情をべらべら話してくれた男がいる。名前は、確か……た、た……たくお?」

「もしかして、タクトか!? ちょっと陰気な感じの!?」

「ああ、そんな名前だったかも……私のこと、はーれむ要員だとか言ってたけど、どういう意味?」

 かつてのクラスメイト、黒岩タクトがこの磐木を訪れていることを知った燈は、状況がより厄介になっていることに渋い表情を浮かべる。
 自分の記憶が確かならば、タクトは2-Aの中でも高い気力量と希少な属性を持った人間として期待されていたはずだ。

 そんな彼が、妖刀捜索のために磐木に来ている。
 それならば、もしかしたら……学校全体のリーダーである王毅もまた、ここを訪れているかもしれない。

「神賀の奴が、ここに……? どうする? どう動くべきだ……?」

 これまでずっと、燈は学校側の混乱を避けるために自分が生きていることを隠して行動してきた。
 幸いにも学校側との深い接触はこれまでは起きなかったため、顔を隠す程度の措置で十分に誤魔化しが利いたのである。

 しかし、今回はこれまでとは話が違う。
 同じ事件の犯人を追い、少人数で密接に長時間クラスメイトたちと関われば、いくら顔を隠したとしても正体が露見してしまう可能性は大いにあった。

 だが、だからといってこのまま屋敷に閉じ籠るわけにもいかない。
 自分限定ではあるが、予想以上に大変なことになってしまった磐木での事件において頭を悩ませながら、燈は自分がどう動くべきかを必死に考え続けるのであった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

処理中です...