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帰路
一目惚れ??? リュシアン視点。
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「お、おま、おま、おまえ…何言っているのか分かっているのか?サミュ…」
「ハハッ!リュシーがそんなに慌てるなんて珍しいな。氷の貴公子なんて呼ばれているお前の驚く顔を見たのは久しぶりな気がするよ。」
確かにそんなに表情は動くことがないが…サミュがそんな冗談を言うなんて珍しい。
「確かに…驚いてはいるが…ってそうじゃなくて…今、言った言葉思い出してみろ!冗談にも程がある。」
「冗談じゃないぞ。だってリュシー、お前あの子を見た瞬間、いつもとは全然違う顔をしていたじゃないか。一目惚れしたんだろ?それにさ、氷の貴公子と仮面令嬢なんてピッタリじゃないか!」
「俺が、、ひ、ひと目惚れ…?」
確かに人目見た時とても綺麗な女の子だとは思ったが…
この辺では珍しい白銀の髪。青い目はまるで宝石を埋め込んだようにキラキラしていた。それに日焼けを知らない白い肌。ずっとした鼻筋に、形のいい唇。前髪は綺麗に揃えられており、まるでとても美しい人形を見ているようだった。
だったけども、そんな簡単に一目惚れなんてするだろうか…?
「なんだ、やっぱりリュシーは気づいていなかったか…こう見えてリュシーの事は小さい頃から見てきたからね、嫌でもわかるよ。表情の違いだってね…他の人は気づかないかもしれないけどすごい分かりやすいんだから。」
サミュの言う通り、俺の母がサミュの乳母をしていたこともあり、小さい頃から一緒に育ってきたが…そんなに分かるものだろうか。俺ですら自分の表情の違いに気づかないというのに…
ムニムニと自分のほおを揉みながら、表情筋を動かす。
「ほら、その頬に手を当てて動かす仕草。それはお前が疑心暗鬼になっている時なんだ。お前あの時気づいていなかったかもしれないが少し笑っていたんだ。それにリディアーヌ嬢を見た瞬間、一瞬動きが止まっていた…あれは間違いなく一目惚れだね。」
知らなかった。確かにムニムニと頬を動かす癖が有るが…不安がある時などに行っていたのか…。自分でも気づいていないのに気付くなんてさすが幼馴染だ。
「そうか…一目惚れか…確かに美しい人形のようだと思ってはいたが…そうか…クッ…ククッ…フハハハ。」
一目惚れという新しい気持ちを知れた事と自分自身の気持ちに気づかなかったことがなんだか面白く感じて…
そしたら、自然と声に出して笑っていた…
「父上…どうやら俺はリディアーヌ嬢に一目惚れしていたようです。」
「あ、あぁ…」
話を振られるとは思っていなかったのだろう。
父上は俺が笑ったことにも吃驚したようで、呆気に取られた表情をしながら次の言葉を待っていた。
「もしリディアーヌを振り向かせることが出来た暁には婚約者として認めてもらいたいのですが…」
⟡.·*.··············································⟡.·*.
サミュエル王太子殿下視点。
リュシアンとは同じ歳で、産まれが近かったということ、宰相の息子という事もあり、兄弟のように育った。
リュシーは昔から笑うのが苦手だ。
何故か笑おうとすると怒ったような顔になってしまう…
リュシーの父、オーレリアンも何度か笑える様に練習させていたが変わらず…最終的には笑わない方向でということで纏まったらしい。
リュシー自体はそれが原因で「笑うな…」と言われたとは思っておらず…家柄的に笑うのは良くないとずっと思っている。
そんなリュシーがあの女の子を見て自然と笑ったのだ。
今まではいくら頑張っても怒ったような顔にしかならなかったリュシーが、大事な…愛する者を見るような目であの子を見ていた。
そんなリュシーを見たら誰だって気づくだろう。
あの子に一目惚れしたのだと…
まさか本人が気づいていなかったことには吃驚したが…。
そしたら俺は「あの子の婚約者になればいい」と口走っていたのである。
我が俺ながらよくやったと思うよ…
それに…後悔するよりは1度当たってみるのもひとつではないかと思ったんだ。しかも雪の貴公子と仮面令嬢ってなんだか響きもいいだろう?
話を聞いていた感じ、リディアーヌ嬢もリュシーと同じで言葉だけが一人歩きしていて実際は2人とも中身が全く違う。
その辺も2人が合うんじゃないかと思った理由だ。
リディアーヌ嬢も最後すごい喋っていたし…リュシーも言葉には出さないが頭の中で色々考えていることが多い。
意外に2人ともお喋り好きなんじゃないかと思ったのはここだけの秘密だ。
リュシー自身が一目惚れしたことに気づいた事で次の行動に移るまではあっという間だった。
「父上。どうやら俺はリディアーヌに一目惚れしたようです。もしリディアーヌを振り向かせることが出来た暁には婚約者として認めてもらいたいのですが…」
先程まで緩んでいた顔がきっと引き締まり自分の気持ちを伝えるリュシー。
こういう所はかっこいいと思う。
「わ、わかった。リュシーが婚約を望んでくれるのであればりがたい…。そしたらまずは手紙を書いて1度会えないか聞いてみることにしよう…」
リュシーの言葉を聞きながら肩をポンポンと叩くオーレリアン。
リュシーはオーレリアンの言葉にこくりと頷いた。
「よろしくお願いします。」
願わくば2人の恋が上手く行きますように…
って、人の心配ばかりしている場合では無いな。
俺も早く好きな人欲しい~。
と、リュシーを見ていて思った。
「ハハッ!リュシーがそんなに慌てるなんて珍しいな。氷の貴公子なんて呼ばれているお前の驚く顔を見たのは久しぶりな気がするよ。」
確かにそんなに表情は動くことがないが…サミュがそんな冗談を言うなんて珍しい。
「確かに…驚いてはいるが…ってそうじゃなくて…今、言った言葉思い出してみろ!冗談にも程がある。」
「冗談じゃないぞ。だってリュシー、お前あの子を見た瞬間、いつもとは全然違う顔をしていたじゃないか。一目惚れしたんだろ?それにさ、氷の貴公子と仮面令嬢なんてピッタリじゃないか!」
「俺が、、ひ、ひと目惚れ…?」
確かに人目見た時とても綺麗な女の子だとは思ったが…
この辺では珍しい白銀の髪。青い目はまるで宝石を埋め込んだようにキラキラしていた。それに日焼けを知らない白い肌。ずっとした鼻筋に、形のいい唇。前髪は綺麗に揃えられており、まるでとても美しい人形を見ているようだった。
だったけども、そんな簡単に一目惚れなんてするだろうか…?
「なんだ、やっぱりリュシーは気づいていなかったか…こう見えてリュシーの事は小さい頃から見てきたからね、嫌でもわかるよ。表情の違いだってね…他の人は気づかないかもしれないけどすごい分かりやすいんだから。」
サミュの言う通り、俺の母がサミュの乳母をしていたこともあり、小さい頃から一緒に育ってきたが…そんなに分かるものだろうか。俺ですら自分の表情の違いに気づかないというのに…
ムニムニと自分のほおを揉みながら、表情筋を動かす。
「ほら、その頬に手を当てて動かす仕草。それはお前が疑心暗鬼になっている時なんだ。お前あの時気づいていなかったかもしれないが少し笑っていたんだ。それにリディアーヌ嬢を見た瞬間、一瞬動きが止まっていた…あれは間違いなく一目惚れだね。」
知らなかった。確かにムニムニと頬を動かす癖が有るが…不安がある時などに行っていたのか…。自分でも気づいていないのに気付くなんてさすが幼馴染だ。
「そうか…一目惚れか…確かに美しい人形のようだと思ってはいたが…そうか…クッ…ククッ…フハハハ。」
一目惚れという新しい気持ちを知れた事と自分自身の気持ちに気づかなかったことがなんだか面白く感じて…
そしたら、自然と声に出して笑っていた…
「父上…どうやら俺はリディアーヌ嬢に一目惚れしていたようです。」
「あ、あぁ…」
話を振られるとは思っていなかったのだろう。
父上は俺が笑ったことにも吃驚したようで、呆気に取られた表情をしながら次の言葉を待っていた。
「もしリディアーヌを振り向かせることが出来た暁には婚約者として認めてもらいたいのですが…」
⟡.·*.··············································⟡.·*.
サミュエル王太子殿下視点。
リュシアンとは同じ歳で、産まれが近かったということ、宰相の息子という事もあり、兄弟のように育った。
リュシーは昔から笑うのが苦手だ。
何故か笑おうとすると怒ったような顔になってしまう…
リュシーの父、オーレリアンも何度か笑える様に練習させていたが変わらず…最終的には笑わない方向でということで纏まったらしい。
リュシー自体はそれが原因で「笑うな…」と言われたとは思っておらず…家柄的に笑うのは良くないとずっと思っている。
そんなリュシーがあの女の子を見て自然と笑ったのだ。
今まではいくら頑張っても怒ったような顔にしかならなかったリュシーが、大事な…愛する者を見るような目であの子を見ていた。
そんなリュシーを見たら誰だって気づくだろう。
あの子に一目惚れしたのだと…
まさか本人が気づいていなかったことには吃驚したが…。
そしたら俺は「あの子の婚約者になればいい」と口走っていたのである。
我が俺ながらよくやったと思うよ…
それに…後悔するよりは1度当たってみるのもひとつではないかと思ったんだ。しかも雪の貴公子と仮面令嬢ってなんだか響きもいいだろう?
話を聞いていた感じ、リディアーヌ嬢もリュシーと同じで言葉だけが一人歩きしていて実際は2人とも中身が全く違う。
その辺も2人が合うんじゃないかと思った理由だ。
リディアーヌ嬢も最後すごい喋っていたし…リュシーも言葉には出さないが頭の中で色々考えていることが多い。
意外に2人ともお喋り好きなんじゃないかと思ったのはここだけの秘密だ。
リュシー自身が一目惚れしたことに気づいた事で次の行動に移るまではあっという間だった。
「父上。どうやら俺はリディアーヌに一目惚れしたようです。もしリディアーヌを振り向かせることが出来た暁には婚約者として認めてもらいたいのですが…」
先程まで緩んでいた顔がきっと引き締まり自分の気持ちを伝えるリュシー。
こういう所はかっこいいと思う。
「わ、わかった。リュシーが婚約を望んでくれるのであればりがたい…。そしたらまずは手紙を書いて1度会えないか聞いてみることにしよう…」
リュシーの言葉を聞きながら肩をポンポンと叩くオーレリアン。
リュシーはオーレリアンの言葉にこくりと頷いた。
「よろしくお願いします。」
願わくば2人の恋が上手く行きますように…
って、人の心配ばかりしている場合では無いな。
俺も早く好きな人欲しい~。
と、リュシーを見ていて思った。
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