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第13話:宇宙の果て
Cパート(1)
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重力ブロックを進むディビット達は、ガオガオに乗って順調に進んでいたのだが、コントロールルームまであと一歩の所で多数のガードロボットに行く手を阻まれていた。ガードロボットはコントロールルームを囲むように配置されており、その数は無数と言って良い物であった。
全長一メートルほどの首の無い亀のようなガードロボットは、球体ロボットと同様にスタンガンを装備しており、接近されると厄介なのは変わりない。しかし無重力ブロックと異なり、立体的な動きはできないため相手をするのは球形ロボットより楽である。
「こっちもガードロボットだらけか」
「まあ分かっちゃいたけどな」
ディビットは端末を操作してガードロボットがいないような通路を探すが、どの経路も塞がれていた。
「どうしよう、強引に突破できなくもないけど…」
アイラが目の前のガードロボット群を睨んでそう言うが、
「強引に突破するのは最終手段だ。ここは作戦を練ろう」
ディビットは首を横に振った。
押し寄せるガードロボットから逃げ出した一行は、地球からの定期船の乗組員が宿泊するための個室に逃げ込んだ。
「それで、何か作があるのか?」
ケイイチが部屋の外の様子を窺いながら、ディビットに聞く。
「ガオガオがいくら強くても、数千のガードロボット全てを倒すのは不可能だ。俺達の拳銃もそんなに弾薬をもってきてないしな」
「んー、時間をかければ何とかなると思うけど?」
アイラが自信ありげにそう言うと、ガオガオもできるとばかりに首を振る。
「アイラちゃんは、ガードロボットとの戦いに何時間かけるつもりなのかな。レイチェルさんは今もレッドノーム号と戦っているんだ。早く通信を回復させて、レッドノーム号の行動を止めないといけないんだよ」
ケイイチにそう言われて、アイラは不満そうにほっぺを膨らませた。
「二人とも良く聞いてくれ。…この状況では、通路を通ってコントロールルームに到達するのは不可能というのが俺の結論だ。そこで、通路を通らずにコントロールルームまで行こうと思う」
「まさか、無重力ブロックに戻るつもりか? それとも外からいくのか?」
ディビットの提案にケイイチが呆れたように肩をすくめる。
「馬鹿かお前は。そんな方法取るわけないだろ。ここはお約束の経路を使うのがセオリーだろ?」
そう言ってディビットは端末を二人に見せた。そこにはガードロボットに邪魔されずに、コントロールルームに向かう経路が表示されていた。
◇
コントロールルームの奥に設置されているサーバールーム。そこのステーションの全機能を管理するAIの制御コアが設置されていた。
その管理AIは外部との接続を断ち、木星方面軍のトーゴー大佐の命によりある存在の命令に従っていた。
本来ステーションは火星司令部と行政府の管理下にあり、木星方面軍の大佐の命令に従う論理はないのだが、ある存在は火星司令部と行政府以上の管理権限を持っていた。AIは論理外のある存在に疑問を感じながらも従わざるを得ない状況であった。
『あの者達はどこに消えたのだ?』
ある存在が、AIにディビット達の居場所を尋ねる。そんな事ぐらいAIに聞かなくとも侵入者の位置はステーションマップに表示されているのだが、ある存在はマップの見方を理解できないようだった。
《C-53区画の個室にいます》
『そのC-35区画に兵を向けよ』
《ガードロボットを個室に入室させるためには、管理者の承認が必要です。管理者コードの入力をお願いします》
『ええぃ、さっきもそれを入力したではないか。何度も同じ事を聞くな』
《規則です》
『面倒な。人間の兵士であればこのような面倒な事はないものを…。これで二度と管理者コードとやらを聞くではないぞ』
ある存在が渋々と管理者コードを入力する。
《管理者コードの入力をショートカットすることはセキュリティの観点から許可されておりません》
ただでさえイレギュラーな状況におかれ、ストレスの溜まってるAIは、ある存在のセキュリティを無視するという提案を却下した。
『ええい、石頭め』
《私のメインコアはシリコンですので、石頭なのは当然です》
そう回答を返したAIはディビット達の閉じこもった個室の扉を開けると、ガードロボットを突入させた。
ガシャッと音を立てて、ガードロボットは通路の壁に叩きつけられ破壊される。部屋の中にはアイラを乗せたガオガオとディビットとケイイチが待ち構えていた。ガードロボットはガオガオのシールド魔法にスタンガンの電撃をはじかれ、前足の一振りで破壊されたのだった。三人と一匹は、部屋の中で籠城するつもりのようだった。
『ええい、さっさと次の兵を向かわせるのだ』
《ガードロボットでは対応不能です。再度の突入はおすすめできません》
『こちらの兵は多数なのだ。あの者達を排除するまで攻撃を続けるのだ』
《了解しました》
ある存在の命令に逆らえないAIは、再度ガードロボットを突入させるのだった。
全長一メートルほどの首の無い亀のようなガードロボットは、球体ロボットと同様にスタンガンを装備しており、接近されると厄介なのは変わりない。しかし無重力ブロックと異なり、立体的な動きはできないため相手をするのは球形ロボットより楽である。
「こっちもガードロボットだらけか」
「まあ分かっちゃいたけどな」
ディビットは端末を操作してガードロボットがいないような通路を探すが、どの経路も塞がれていた。
「どうしよう、強引に突破できなくもないけど…」
アイラが目の前のガードロボット群を睨んでそう言うが、
「強引に突破するのは最終手段だ。ここは作戦を練ろう」
ディビットは首を横に振った。
押し寄せるガードロボットから逃げ出した一行は、地球からの定期船の乗組員が宿泊するための個室に逃げ込んだ。
「それで、何か作があるのか?」
ケイイチが部屋の外の様子を窺いながら、ディビットに聞く。
「ガオガオがいくら強くても、数千のガードロボット全てを倒すのは不可能だ。俺達の拳銃もそんなに弾薬をもってきてないしな」
「んー、時間をかければ何とかなると思うけど?」
アイラが自信ありげにそう言うと、ガオガオもできるとばかりに首を振る。
「アイラちゃんは、ガードロボットとの戦いに何時間かけるつもりなのかな。レイチェルさんは今もレッドノーム号と戦っているんだ。早く通信を回復させて、レッドノーム号の行動を止めないといけないんだよ」
ケイイチにそう言われて、アイラは不満そうにほっぺを膨らませた。
「二人とも良く聞いてくれ。…この状況では、通路を通ってコントロールルームに到達するのは不可能というのが俺の結論だ。そこで、通路を通らずにコントロールルームまで行こうと思う」
「まさか、無重力ブロックに戻るつもりか? それとも外からいくのか?」
ディビットの提案にケイイチが呆れたように肩をすくめる。
「馬鹿かお前は。そんな方法取るわけないだろ。ここはお約束の経路を使うのがセオリーだろ?」
そう言ってディビットは端末を二人に見せた。そこにはガードロボットに邪魔されずに、コントロールルームに向かう経路が表示されていた。
◇
コントロールルームの奥に設置されているサーバールーム。そこのステーションの全機能を管理するAIの制御コアが設置されていた。
その管理AIは外部との接続を断ち、木星方面軍のトーゴー大佐の命によりある存在の命令に従っていた。
本来ステーションは火星司令部と行政府の管理下にあり、木星方面軍の大佐の命令に従う論理はないのだが、ある存在は火星司令部と行政府以上の管理権限を持っていた。AIは論理外のある存在に疑問を感じながらも従わざるを得ない状況であった。
『あの者達はどこに消えたのだ?』
ある存在が、AIにディビット達の居場所を尋ねる。そんな事ぐらいAIに聞かなくとも侵入者の位置はステーションマップに表示されているのだが、ある存在はマップの見方を理解できないようだった。
《C-53区画の個室にいます》
『そのC-35区画に兵を向けよ』
《ガードロボットを個室に入室させるためには、管理者の承認が必要です。管理者コードの入力をお願いします》
『ええぃ、さっきもそれを入力したではないか。何度も同じ事を聞くな』
《規則です》
『面倒な。人間の兵士であればこのような面倒な事はないものを…。これで二度と管理者コードとやらを聞くではないぞ』
ある存在が渋々と管理者コードを入力する。
《管理者コードの入力をショートカットすることはセキュリティの観点から許可されておりません》
ただでさえイレギュラーな状況におかれ、ストレスの溜まってるAIは、ある存在のセキュリティを無視するという提案を却下した。
『ええい、石頭め』
《私のメインコアはシリコンですので、石頭なのは当然です》
そう回答を返したAIはディビット達の閉じこもった個室の扉を開けると、ガードロボットを突入させた。
ガシャッと音を立てて、ガードロボットは通路の壁に叩きつけられ破壊される。部屋の中にはアイラを乗せたガオガオとディビットとケイイチが待ち構えていた。ガードロボットはガオガオのシールド魔法にスタンガンの電撃をはじかれ、前足の一振りで破壊されたのだった。三人と一匹は、部屋の中で籠城するつもりのようだった。
『ええい、さっさと次の兵を向かわせるのだ』
《ガードロボットでは対応不能です。再度の突入はおすすめできません》
『こちらの兵は多数なのだ。あの者達を排除するまで攻撃を続けるのだ』
《了解しました》
ある存在の命令に逆らえないAIは、再度ガードロボットを突入させるのだった。
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