【完結】 悪女は今日もパンを焼く 【R18】

灰色 猫

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「紗栄子さん、ラジオのディレクターが夕食に誘ってきてるんだけど?」

「お店が決まってないなら、ここでいいけど」

私の返事で、夕食にラジオのディレクターが来ることになった。
彼の話では、NetTVのプロデューサー田沢氏が周りにあれこれ言触らしたようだ。

「ごめんね、手間を掛けさせて」

「二人分も三人分も、手間は一緒だわ。
ただ、彼方のお代わりは無くなるだけよ」

「それは、我慢する」

田島氏が持って来た、タラバ蟹を焼くことにする。
彼に出刃包丁で、殻を半分外してもらった。

冷凍庫のマグロを解凍して、中トロを刺身に引いた。
白菜と豚肉、刻んだ生姜をごま油で炒めて、中華スープを加える。
カラスガレイの切り身を生姜をいれて、砂糖とお酒、味醂、醤油で炊き上げた。

インターホンが鳴って、お客様がやって来た。
玄関で、彼と一緒に出迎える。

「おめでとう」

「明けまして、おめでとうございます。
これ、つまらない物ですけど」
ちゃんと手土産を持ってくるなんて、気が利く。
袋には、赤白ワインが2本入っていた。

「まあ、入れ」

吉田健司という、彼のラジオのディレクターだった。
30歳前後か、彼の態度から見ると年下なんだろう。
育ちが良さそうな感じで、ダウンジャケットが似合っていた。

ダウンをハンガーに架けて、テーブルにつく。
除菌シートで手を拭いて、ビールで乾杯した。
最初に、マグロの刺身と筑前煮の小鉢を出す。

「田沢さんが、高代さんが凄い女性を隠している。
一度、見ておいた方がいいって言ってたんですよ。
想像と全然、違いました」

「あいつ、ロクでもない噂を流しているな。
どう違ってたんだ、言ってみろ」

「高代さん。日本の女性は、あまり好みではないと思ってました。
それが和服を着た美人で、筑前煮を出した。
ラジオで話してる事と違い過ぎて、ビックリです」

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