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調査
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村田に準備してもらった向こう1ヶ月分の大和のスケジュールのコピーを河原に渡す。
「これは、今の時点で決まっているものなので、まだ予定はどんどん埋まっていきます。
変更があり次第、こちらからメールでお知らせします」
不思議と気持ちは落ち着いていた。
びっしりと埋まったスケジュールを目にし、河原は感嘆を漏らす。
「さすが財閥の次期社長。かなり多忙なスケジュールですね」
美姫は苦笑いを浮かべた。本当に大和はこの過密スケジュールの中、浮気もこなしているのだろうかという思いが過った。
「こちらから旦那さんにコンタクトを取る事はありません。主な調査方法は尾行や張り込みになります。
聞き取り調査を行うことも出来ますが、それは望まないんですよね?」
「はい。本人だけでなく、周囲の人間にも浮気調査をしていることが絶対にバレないようにして下さい」
「以前メールで浮気相手と思われる方の働いている店と名前を教えてもらいましたが、浮気相手の身元調査に関しては、ターゲットが浮気しているという決定的な証拠が掴めない限り、行えません。
それで、了承してもらえますか」
「はい、大丈夫です」
大和と千代菊の間に何があるのか気にはなるが、浮気調査の過程で彼女が上がってこないのなら、彼女について深入りすることも止めようと思った。
「では、こちらの浮気調査契約書に目を通してから、署名をお願いします」
それは、1枚だけではなく、何枚にも渡っていた。
まずは重要事項説明書で、これには河原から口頭で説明された調査内容や調査期間、調査手法、それについての報告方法や期限について書かれていた。成功条件には『委託契約期間が満了するまで』とある。
その後は契約の解除や作成した資料の処分についての確認事項が続き、それらを一通り読んだ美姫は、日付と住所、名前を記入した。
本当にこれから調査が始まるのだと思うと、大和を疑っていることへの罪悪感を覚えた。
続いて見積書に署名する。調査方法によって「短期プラン」や「長期プラン」、「成功報酬プラン」など様々なタイプが選べるようだ。
実際の支払額は調査が終わってからでないと明確ではないが、そこには最高金額が明記されており、それ以上の料金が発生することは、依頼内容に変更がない限りはないと説明された。
依頼主が個人情報などを含む調査結果を悪用しないという内容の「調査利用目的確認書」。これは、ストーカー行為などの抑止になっている。
他には調査の本契約となる「調査契約書」や浮気調査の契約に関する取り決めが細かくまとめられた「契約条項」があった。
全ての書類に目を通し、署名し終えた美姫は大きく息を吐き出した。
「では、早速今日から調査を開始します。
うちでは調査翌日に途中経過を報告しますので、来栖さんの場合は明日から毎日メールで調査報告が送られてきます」
「そう、ですか......」
表情を曇らせた美姫に、河原が窺うように見つめた。
「もし、途中経過を聞くことによって逆上して、旦那さんを問い詰めるようなことがあれば、浮気調査は難しくなり、失敗に終わってしまう可能性もあります。心配でしたら、全て調査が終わってからの一括報告に変更することも出来ますが」
もし、大和が他の女性とプライベートで会っていたり、2人だけで食事をしていることが分かったら......私は、冷静でいられるだろうか。
そんな自信はないが、1ヶ月ジリジリとした気持ちで待つのはそれよりも辛いことのように思えた。
「大、丈夫です」
そう答えた美姫に、河原が息を吐く。
「いつもと違う来栖さんの言動で怪しまれることもあります。浮気の証拠を掴むまでは、どうか慌てず、騒がず、なるべく冷静に過ごして下さい」
今でも大和と顔を合わせる機会は少ないが、調査期間中は家にいても顔を合わせるのは最低限に抑えようと思った。
最後に、河原はボイスレコーダーを美姫に渡した。
「これを、自宅と旦那さんの自家用車に取り付けてください」
「でも、それって......」
躊躇する美姫に、河原が説明した。
「夫婦共通の財産である自家用車や自宅にボイスレコーダーを仕込むのは、違反になりませんよ。
取り付けるかどうかは来栖さんの自由ですが、特に車での移動が多い方の場合は浮気相手を乗せた時だけでなく、運転しながら相手に電話をしたりするので、浮気する日が特定しやすくなります」
美姫は、掌にすっぽりと収まるそれを見つめた。
「分かり、ました」
「これは、今の時点で決まっているものなので、まだ予定はどんどん埋まっていきます。
変更があり次第、こちらからメールでお知らせします」
不思議と気持ちは落ち着いていた。
びっしりと埋まったスケジュールを目にし、河原は感嘆を漏らす。
「さすが財閥の次期社長。かなり多忙なスケジュールですね」
美姫は苦笑いを浮かべた。本当に大和はこの過密スケジュールの中、浮気もこなしているのだろうかという思いが過った。
「こちらから旦那さんにコンタクトを取る事はありません。主な調査方法は尾行や張り込みになります。
聞き取り調査を行うことも出来ますが、それは望まないんですよね?」
「はい。本人だけでなく、周囲の人間にも浮気調査をしていることが絶対にバレないようにして下さい」
「以前メールで浮気相手と思われる方の働いている店と名前を教えてもらいましたが、浮気相手の身元調査に関しては、ターゲットが浮気しているという決定的な証拠が掴めない限り、行えません。
それで、了承してもらえますか」
「はい、大丈夫です」
大和と千代菊の間に何があるのか気にはなるが、浮気調査の過程で彼女が上がってこないのなら、彼女について深入りすることも止めようと思った。
「では、こちらの浮気調査契約書に目を通してから、署名をお願いします」
それは、1枚だけではなく、何枚にも渡っていた。
まずは重要事項説明書で、これには河原から口頭で説明された調査内容や調査期間、調査手法、それについての報告方法や期限について書かれていた。成功条件には『委託契約期間が満了するまで』とある。
その後は契約の解除や作成した資料の処分についての確認事項が続き、それらを一通り読んだ美姫は、日付と住所、名前を記入した。
本当にこれから調査が始まるのだと思うと、大和を疑っていることへの罪悪感を覚えた。
続いて見積書に署名する。調査方法によって「短期プラン」や「長期プラン」、「成功報酬プラン」など様々なタイプが選べるようだ。
実際の支払額は調査が終わってからでないと明確ではないが、そこには最高金額が明記されており、それ以上の料金が発生することは、依頼内容に変更がない限りはないと説明された。
依頼主が個人情報などを含む調査結果を悪用しないという内容の「調査利用目的確認書」。これは、ストーカー行為などの抑止になっている。
他には調査の本契約となる「調査契約書」や浮気調査の契約に関する取り決めが細かくまとめられた「契約条項」があった。
全ての書類に目を通し、署名し終えた美姫は大きく息を吐き出した。
「では、早速今日から調査を開始します。
うちでは調査翌日に途中経過を報告しますので、来栖さんの場合は明日から毎日メールで調査報告が送られてきます」
「そう、ですか......」
表情を曇らせた美姫に、河原が窺うように見つめた。
「もし、途中経過を聞くことによって逆上して、旦那さんを問い詰めるようなことがあれば、浮気調査は難しくなり、失敗に終わってしまう可能性もあります。心配でしたら、全て調査が終わってからの一括報告に変更することも出来ますが」
もし、大和が他の女性とプライベートで会っていたり、2人だけで食事をしていることが分かったら......私は、冷静でいられるだろうか。
そんな自信はないが、1ヶ月ジリジリとした気持ちで待つのはそれよりも辛いことのように思えた。
「大、丈夫です」
そう答えた美姫に、河原が息を吐く。
「いつもと違う来栖さんの言動で怪しまれることもあります。浮気の証拠を掴むまでは、どうか慌てず、騒がず、なるべく冷静に過ごして下さい」
今でも大和と顔を合わせる機会は少ないが、調査期間中は家にいても顔を合わせるのは最低限に抑えようと思った。
最後に、河原はボイスレコーダーを美姫に渡した。
「これを、自宅と旦那さんの自家用車に取り付けてください」
「でも、それって......」
躊躇する美姫に、河原が説明した。
「夫婦共通の財産である自家用車や自宅にボイスレコーダーを仕込むのは、違反になりませんよ。
取り付けるかどうかは来栖さんの自由ですが、特に車での移動が多い方の場合は浮気相手を乗せた時だけでなく、運転しながら相手に電話をしたりするので、浮気する日が特定しやすくなります」
美姫は、掌にすっぽりと収まるそれを見つめた。
「分かり、ました」
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