<本編完結!AS開始>【R18】愛するがゆえの罪 ー溜息が出るほど美しくて淫らな叔父と姪の禁断愛ストーリーー

奏音 美都

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幸せの基準

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 メインディッシュは、「猪肉の赤ワインソース煮込みプルーン添え」だった。

 ここはフレンチレストランと言っても、フレンチカナディアン、いわゆるケベッコワ料理を扱っている。一般的に思い浮かべるような堅苦しくて気取ったフランス料理よりも、もっと素朴で温かな家庭料理といった雰囲気の料理だ。

 美姫達は素材を活かした料理の数々に舌鼓を打ちながらワインを飲み、話に花を咲かせた。

「それにしても薫子と悠は相変わらずラブラブだね。今でも、毎日デートしてるの?」

 惚気話を聞くつもりで軽く聞いた美姫に、二人は重い沈黙を返した。

 え、どうしたの……

 訝しむ美姫に、悠が口を開く。

「実は……俺達も、会うのは久しぶりなんだ」

 薫子はそれを聞いて頷いた。

「高校生の時は、なんとか時間を作って会うことが出来たけど……大学生になったら、そうもいかなくて……」

 そうだ。考えてみれば、二人は高等部の時も大変だった……

 親が割と自由にさせてくれていた美姫と大和の家庭に対して、薫子も悠の家庭も上流階級の令嬢と御曹司という扱いを受けていた。考えてみればそれは当然のことだ、どちらも日本を代表する三大財閥の令嬢と御曹司なのだから。

 朝も帰りも専属の運転手が毎日家と学校の往復を送迎。もしどこかに寄るような時は事前の申し出が必要だった。

 だが、対立する財閥の令嬢と御曹司である薫子と悠は付き合いをお互いの家に知られてはいけない。

 同じクラスで過ごし、ランチも一緒。
 それでも、もっと二人の時間を過ごしたい……

 そう考えた二人は、付き合ってから暫くして、あまり活動がなく休んでもうるさくいわれない部活動に籍を置くことにした。

 薫子は華道部に入部。師範代まで持っている腕前なので、展示会のみ出展すれば問題ないとのことで籍だけ置くことを了承してもらえた。
 悠は化学部という、活動内容が不明の部に幽霊部員として所属していた。

 二人は部活動中という名目の時間を使ってデートを楽しんだ後、時間になると校門の前で待っている運転手の車でそれぞれ自宅に帰る、という日々を送っていたのだった。

「実は、大学に入ってから親の仕事を手伝うようになったんだ」

 悠がボソリと話した。

「私は……大学のスケジュールを管理されてて。それ以外の時間は花嫁修業として華道、茶道、香道、日本舞踊、琴……毎日お稽古事をいれられてるの」

 薫子はそこまで話すと俯き、沈黙した。見ると、薫子の肩が震えている。

「薫子……?」
「ごめ…なさい、わた、し……言ってないことが、あって……」

 薫子の涙で詰まる声を聞いて、悠の眉間に力が入る。

「じ、つは……今度、お見合いすることになってるの……」

 蚊が鳴くくらいの小さな声で震えながら薫子が告げる。

 美姫と大和は思わず大声を上げてしまった。

『えぇっ、お見合い…!?』

 悠も初耳だったようで、開いた口を手で塞ぐとじっと薫子を見つめた。

「薫子、それは……いつ、なの?」

 薫子は悠の問いかけに苦しそうに答えた。

「来週の日曜に顔合わせするって……お父様とお母様は私が大学卒業したらすぐにでも結婚させたいみたい……」
「そ、んな……」

 美姫は絶句した。

 薫子の意思を無視してそんなこと、勝手に決めちゃうなんて……酷い……

「悠、いいのかよ」

 大和が悠に強い視線を投げ掛けた。

「いいわけ、ない。薫子は、俺の大切な恋人だ。誰にも渡す気なんて、ないから」

 それを聞いて、薫子の瞳から涙が溢れた。

「悠、ごめん……私、ずっと言いたくて……
 でも、いざとなると言い出せなくて……どうしていいか、分からなくて……」

 悠が薫子の膝の上の震える両手をそっと自分の手に取り、包み込んだ。

「俺は薫子のこと諦めるなんて考えてないから。二人で一緒にいられる道を、考えよう」
「うん……」

 悠に人差し指で涙を掬ってもらった薫子は、少し顔を赤らめて、嬉しそうに頷いた。


 大和のエスコートで美姫はレストランから出ると、くるりと大和に向き直り、挨拶した。

「大和、今日はありがとう。みんなでもっと話せなくて残念だったけど、また集まろっ!」

 そう言って、明るく立ち去るつもりだったのに……

「待てよ、美姫……」

 手首をギュッと握られ、真剣な大和の瞳に捕らえられる。

 私の苦手な真っ直ぐで曇りのない、大和の瞳……この瞳に見つめられると落ち着かない気分になる。

「話があるから、もう一軒付き合って……」

 心の中では嫌だと言ってるのに、「うん、分かった……」裏腹な言葉が口をついて出ていた。

 いったい……何を話す気なの、大和?

 美姫の心に暗雲が立ち込め、不安が影を落とした。
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