【不遇転生:3】悪役子息と魔神 ~いい加減、ループから脱出したい~

八木恵

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3章:帝都編

閑話 孫との会話

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Side:クラリス

はぁー、ハロイドとはほとんど会話もせず行ってしまった。
ロイドとヒルダによれば、半年以上も会話らしい会話がないと。 その前だって、あの夫婦はハロイドの事を叱るばかりだった。 
フロイドと比べるなと言ったけど、無理だったよう。 あの子が横暴でわがままになったのは、7歳前後から。 
フロイドに負けてからは酷くなったと。

従者にあたり、誰もハロイドの従者になりたがらず、奴隷だったアシュリーを当てがった。 
それでも横暴は治らず、食堂で暴れたらしい。 
ロイドが反省するまで、部屋で食べるよにしたみたい。 
それが、落馬後、様子が変わったらしく、一切訓練にも参加せず、朝から夕食時まで戻らないと。 
アシュリーも避けるようになって、フロイドの侍女にしたと。 引き籠もっているとも言っていた。

ここに来て、デニスに聞いたら、朝早くから夕食までどこかに行っている。 
ただ1人で訓練してると、そして夜は勉強しているらしい。 しかも食事は自炊してると。 
食堂へ入る許可がでてもハロイドは1度も姿を現せず、厨房の隅で食べてるらしい。

今やあの子の味方はいない。 皆、遊び回ってると。 お小遣いだって大したお金は渡してないはず。
「ハロイド、いったいどうしたの。」って私。
「ふん、知らん。 にしても、フロイドは、良く成長してる。 槍聖の家系は安泰じゃ」
「そうですが、嫡男はハロイドよ。 体格であの子が小柄なのは仕方ないでしょ。 
 それを追い詰めたのは私達かも知れないのよ。 でなきゃ、家督を譲るとか言い出したり、家族の会話もしなくなったりしないじゃない。」
「ワシだって気にしておった。 だからこそ、一度での手合わせくれば、結果はどうあれ欲しがってたワシの槍をあげるつもりじゃった。 伸縮するから、小柄なハロイドでも使えると思ってな。」
「だったら、何も言わずに渡せばよかったのに。」
「ただで渡したくなかったんじゃ。」
「もう、帝都でクレイグに会えば、少しは心開いてくれるかしら?」
「どうじゃかのう。」

もう姿の見えない馬車のほうを見つめたわ。 
直径の孫2人のうち、ハロイドとフロイドは両極端すぎるわ。 
フロイドとアシュリーちゃんも含めて何度かお茶をしたわ。 素直で、聡明な孫であるフロイド。
一方、兄のハロイドは一度もお茶をする事が無かったわ。 誘ったけど、ダメだった。
心を開かない孫、ハロイドが心配だけど、甘やかすわけにはいかないし。

一方、フロイドは、誰もが認めているわ。 はぁ~、なかなかうまくいかないものね。 
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