【不遇転生：４】悪役子息と婚約者 ～俺はまた悪役子息に転生した～

4章：アスタ王国編

問題ばかりのアスタ王国の新体制

「アナキー公国との国交を樹立するしか、アスタ王国は衰退する一方よ。　幸い、今の所ラドナ国、ステラ王国もあれ以降、様子見なのか宣戦布告はないわ。　その間に、せめて水晶を輸出してもらわないと。」ってアン嬢だ。

そう、キンバリー領、ホワーズ領、そしてビィーンズ領が独立して作ったアナキー公国。　
マックベインは認めていないが、キンバリー領からの水晶の供給が止まった今が大問題だ。　
新体制立ち上げそうそう、他にも問題はあるけど、優先順位的に解決しなければいけない問題だ。

「ああ、農耕と家畜は、なんとかなるが、魔道具の水晶だけは、あそことラドナに少量だけだ。　代替魔獣魔石を確保してるが安定供給ではないし、もって数ヶ月だ。　しかも、魔道具がバラク商会のばかりで、王宮の魔道具開発の技術者が解析できないって、どんだけ凄い開発者もってたんだ。」って僕の嘆きだ。

冷蔵庫、ポット、オーブン、コーヒーメーカー、コーヒーミル、その他この5年で出回った最新式の魔道具は全てバラク商会系列の者だった。　魔道具に埋め込まれている魔方陣の解析が困難で同じ物を作るのが無理だ。　今は、まだ使えるものの魔道具の供給源である水晶、魔石は交換しなくてはいけない。

「それだけの天才をバラク商会が抱えてたって事よ。　フローレア王妃に、なんとかしてホワーズ領当主に外交して欲しいんだけど、部屋に引きこもってるし。　もう、陛下も上の空で、何があったのよ。」ってアン嬢。

「僕も知らないんだよ。　陛下は、アナキー公国を認めないし、ドーバ国王に外交官を送くろうにも転移魔方陣が使えない今、あそこ一帯の山脈と森越えに割り当てる人材がいない。　昔の方法で伝書鳩は送ったけど、ユキアナ様の事で門前払いだ。」

いくら勘当したとはいえ、免罪で愛娘が処刑だ。　頼みの綱のホワーズ領当主へのコンタクトも、フローレア王妃の両親は失敗したから王妃だのみなのに、フローレア王妃は、婚姻後部屋に引き籠ったままだ。

マックベイン陛下も何もいわず上の空だ。　国政として掲げた善良な国民が等しく貧困に喘ぐ事なく生活できるようにというのもまだ具体案がでてない。

そんなことよりも、今を維持してくだけで精一杯だ。　なんせ、魔道具の水晶もない、武器だって、なんとか維持だ。　キンバリー領にどれだけ頼ってたんだよ。　他領でも、鉱山はある。　鍛治もいるが、技術は１つ下がる。

「ザバナ領の大オアシスは、観光地でメイン収入が水遊び遊び、あと踊り子、それにカジノと娼婦だったのよね。」

「ああ、アスタ王国にはない感覚で、今は水遊び場だ。　結局、前国王はそこを足がかりにフィッシャー領へ行く予定だったみたいだが、今の状況では無理だな。」

「そうよね。　でも、アナキー公国って、結局山脈と山に囲まれたある意味南東で孤立してる。　自給自足できても、ギリギリよね。　転移魔方陣破壊した今、どうしてるのかしら？」

「ああ、それもそうだ。　ある意味、向こうから外交を持ってくるかもしれないな。」

「そうよね。　とりあえず、今は国内の安定とラドナ国とステラ王国との休戦調停ね。」っていうアン嬢だ。

今の国力では、戦争なんてしてられない。　
僕とアン嬢は、宰相と副宰相だ。　文官総出で、国力の安定に努めるしかない。