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第20章~トーナメント・第三死合い~
第76話
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「そう言えばそうだったね。普段は特に意識しないから、強化だってことを忘れてたよ」
「知ってたのか、さすがだな。というか、戦士でそういうオプションつけてる人あまり見かけないけど、みんな知らないのか?」
「知ってはいるけど、やりたくないんじゃない? 炎とか雷とか、そこまでやっちゃったら魔法使いみたいだし」
「? 魔法使いはいけないことなのか?」
「いけなくはないけど、『戦士たるもの、きちんと肉弾戦を行うべき』みたいな、そういう風潮ない? 『飛び道具は敗北者の武器』とか言ってる人もいるし」
「あー……それは、まあ……」
そこまで言うつもりはないが、死合いにおいて「弓や鉄砲などの飛び道具はちょっと」みたいな暗黙の雰囲気があるのは事実だ。ラグナロク前のルールでは、飛び道具が禁止されていたこともあるくらいだし。
兄は顎に手を当てて言った。
「それを考えると、魔法みたいな強化をしたがる戦士って少ないのかもしれないなって。最初に全員に与えられる風の刃はセーフだとしても、武器を振るって炎や雷を出しちゃったらそれはそれで戦士らしくないというか。魔法みたいな武器で戦うより、お互い直接斬り合うような死合いをしたいってことなんだろうね、きっと」
「はあ、なるほど……」
「でも、お前が強化をしたいんだったら全然していいと思うよ? 別に反則じゃないし、勝率を上げるための対策はしておくべきだと思うな」
「ああ……そうだな……」
兄と話していたら、余計に悩ましくなってきた。
「知ってたのか、さすがだな。というか、戦士でそういうオプションつけてる人あまり見かけないけど、みんな知らないのか?」
「知ってはいるけど、やりたくないんじゃない? 炎とか雷とか、そこまでやっちゃったら魔法使いみたいだし」
「? 魔法使いはいけないことなのか?」
「いけなくはないけど、『戦士たるもの、きちんと肉弾戦を行うべき』みたいな、そういう風潮ない? 『飛び道具は敗北者の武器』とか言ってる人もいるし」
「あー……それは、まあ……」
そこまで言うつもりはないが、死合いにおいて「弓や鉄砲などの飛び道具はちょっと」みたいな暗黙の雰囲気があるのは事実だ。ラグナロク前のルールでは、飛び道具が禁止されていたこともあるくらいだし。
兄は顎に手を当てて言った。
「それを考えると、魔法みたいな強化をしたがる戦士って少ないのかもしれないなって。最初に全員に与えられる風の刃はセーフだとしても、武器を振るって炎や雷を出しちゃったらそれはそれで戦士らしくないというか。魔法みたいな武器で戦うより、お互い直接斬り合うような死合いをしたいってことなんだろうね、きっと」
「はあ、なるほど……」
「でも、お前が強化をしたいんだったら全然していいと思うよ? 別に反則じゃないし、勝率を上げるための対策はしておくべきだと思うな」
「ああ……そうだな……」
兄と話していたら、余計に悩ましくなってきた。
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