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第5章 修羅の時代
第9話 陰惨な戦い
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後に、この大戦を契機に世界は大きく変容し、小規模の国家は消滅し、吸収される運命にあった。
多様性を含んだ諸連盟国家 ロクロンは六の国家が融合してできた怪物として名称された。
世界暦0年 凍てついた空気と海水の資源国家 オータと、隣国 アルタ国家は
僅かに亀裂が走っていても、穏健派の頭が、巧みに互いの利益を調整していて和平をとっていた。
しかし、ある日、突然その秩序は破られる。 一つの爆弾によって平和は薄氷の通り呆気なく光届かぬ深海に沈んだ。
過激派集団が、穏健派の頭を含め、叡智ある学者の者達や、政治に詳しい者達が捕らわれて、一斉に会議中に爆破され多くの命が失われた。 その卓越した能力と知性によって平和は保たれていた。
しかし、排他的で、軍や強大な力と覇権を求める過激な集団は、それを抹消した。
このため、その集団は『狂った罪人達』と呼ばれた。
一方では世界を変えた者達とも言われた。ほんの僅かだが真に重く価値のある者たちは、暴力によって歴史から消え、あとには、連鎖的に庇護や恩恵を受けて居た無数の命も消えていった。
食料や衣食住などの必要な運輸ルートや、商社連盟のルートもほとんど破壊された。
あとはなす術もなく殺されていく無辜の民たちが増えていった。
人々の心身が荒廃し、狂ったり、堕落していく者達が増えた。
暴徒は増えて行き、目を覆うような蛮行は日常となっていた。
一瞬にして全てが変わった日を世界暦のハジマリと呼ばれた。旧世界のオワリとも謳われた。
血で血を洗うような世界が始まった。
世界暦1年 『狂った罪人達』は嘲笑うように天禍と名乗った。オータとアルタはその集団に侵略され、制圧された。王は傀儡か、処刑された。
狂っているからその政権は短命だろうと多くの者は、憤怒、悲嘆、呆然、虚脱 憎悪とともに予測をつけた。
しかしどうしたものか不思議と、天禍は失脚しなかった。
それどころが悍ましい方針を打ち立てた。
敵の全殲滅である。 天禍と敵対する勢力は容赦なく赤子まで滅ぼされた。
天禍は権力と巨大な国家の覇権を得た。彼らはその卓越した知性を殲滅と、死に関する悍ましい武器の開発と、夥しい人体実験によって、比類なき医療技術と軍を洗練していった。
それは東の国家 キキキとも似ていたが、もっと残虐で広大な国家になっていった。
世界暦1年 天禍は、多くの国家にとって忌み嫌う国であり、いつか全面戦争に成りえる脅威的な国家になっていた。
天禍の頭首は、オルタと言った。 新しい者と謳われた。または『もう一つの』とも言われた。
この名前の意味に首を傾げる者もいた。 オルタが旧国を滅ぼし、新しい国を作ったから新しい者と言われるのは分かる。だが『もう一つの』とは?
謎は尽きなかった。 もう一つの神=支配者なのか?それとも・・。仮説や推論は無数に広がった。
案外下らない意味かも知れないが・・真実は歴史の彼方に消えた。
この長く昏い昏い世界に変容させた天禍一族は多くの者に憎まれ、多くの者に愛される象徴になった。
膨大な歴史の中に刻まれる存在である。
天禍は、血と殺戮と闘争を是とし、親子兄第といえども、情を持つことは許されず、実力主義のため、互いに殺し合い、生き延びた者だけが国の一員として認められ、国の一部となる。
まるで国そのものが蟲毒のようであった。権力闘争も暗殺も全て陰惨な戦いは天禍の糧となった。
天禍は、多くの弱者と敗北者の亡骸と血と肉を全て糧とし、咲き誇る大輪の天上の花だった。
のちに、東のキキキと近親憎悪故か、一触即発状態となり、キキキ国が、絶滅寸前に追いやられるまで長い間闘争を
行っていた。およそ100年であろうか。その中で亡くなった人々は数億人にものぼった。
見渡す限りの広大な世界は、夥しい死体の山と喰らいあう獰猛な獣と異臭、血の匂いに満ちた。
そこには一切の情もない真の無慈悲な世界だった。
それに嫌悪を催す者も居れば高揚する者もいる。無感動でいる者もいる。
それぞれに新しい過酷すぎる世界に適応し、生き延びる道を模索し続けた。
その中で、芽が出る者もいるだろう。この世界を創った天禍一族に怨嗟と憤りを持つ者も現れるだろう。
反逆者も出現するだろう。
しかし『救世主』となる器を持った存在は現れなかった。
そして、弾圧され、絶滅寸前に追い込まれた敗残者と廃棄された奴隷たちは極僅かに血を交えて隠れて生き続けた。
復讐に満ち溢れた民たちは、救世主を希求して、それを創造しようと、多くの天才や、鬼才、鬼才たちが集結して
特別な存在を創ろうと己の血と肉を削り、能力を交えては、失敗し、繰り返し実験するあまりにも途方もない作業であった。
奇しくも、全ての元凶である天禍と同じ所業をやっていたのも皮肉な運命であった。
無数の実験と、失敗を重ねて、ある日、唐突にそれは生まれた。
比類なき能力を持つ最高傑作『救世主』が世界にウマレタと息吹をあげた。
陰惨な戦いの果てに輝く命は生まれ、そしてその命によってさらに陰惨な戦いへ人々は導かれる。
果てなき闘争の歴史であった。
多様性を含んだ諸連盟国家 ロクロンは六の国家が融合してできた怪物として名称された。
世界暦0年 凍てついた空気と海水の資源国家 オータと、隣国 アルタ国家は
僅かに亀裂が走っていても、穏健派の頭が、巧みに互いの利益を調整していて和平をとっていた。
しかし、ある日、突然その秩序は破られる。 一つの爆弾によって平和は薄氷の通り呆気なく光届かぬ深海に沈んだ。
過激派集団が、穏健派の頭を含め、叡智ある学者の者達や、政治に詳しい者達が捕らわれて、一斉に会議中に爆破され多くの命が失われた。 その卓越した能力と知性によって平和は保たれていた。
しかし、排他的で、軍や強大な力と覇権を求める過激な集団は、それを抹消した。
このため、その集団は『狂った罪人達』と呼ばれた。
一方では世界を変えた者達とも言われた。ほんの僅かだが真に重く価値のある者たちは、暴力によって歴史から消え、あとには、連鎖的に庇護や恩恵を受けて居た無数の命も消えていった。
食料や衣食住などの必要な運輸ルートや、商社連盟のルートもほとんど破壊された。
あとはなす術もなく殺されていく無辜の民たちが増えていった。
人々の心身が荒廃し、狂ったり、堕落していく者達が増えた。
暴徒は増えて行き、目を覆うような蛮行は日常となっていた。
一瞬にして全てが変わった日を世界暦のハジマリと呼ばれた。旧世界のオワリとも謳われた。
血で血を洗うような世界が始まった。
世界暦1年 『狂った罪人達』は嘲笑うように天禍と名乗った。オータとアルタはその集団に侵略され、制圧された。王は傀儡か、処刑された。
狂っているからその政権は短命だろうと多くの者は、憤怒、悲嘆、呆然、虚脱 憎悪とともに予測をつけた。
しかしどうしたものか不思議と、天禍は失脚しなかった。
それどころが悍ましい方針を打ち立てた。
敵の全殲滅である。 天禍と敵対する勢力は容赦なく赤子まで滅ぼされた。
天禍は権力と巨大な国家の覇権を得た。彼らはその卓越した知性を殲滅と、死に関する悍ましい武器の開発と、夥しい人体実験によって、比類なき医療技術と軍を洗練していった。
それは東の国家 キキキとも似ていたが、もっと残虐で広大な国家になっていった。
世界暦1年 天禍は、多くの国家にとって忌み嫌う国であり、いつか全面戦争に成りえる脅威的な国家になっていた。
天禍の頭首は、オルタと言った。 新しい者と謳われた。または『もう一つの』とも言われた。
この名前の意味に首を傾げる者もいた。 オルタが旧国を滅ぼし、新しい国を作ったから新しい者と言われるのは分かる。だが『もう一つの』とは?
謎は尽きなかった。 もう一つの神=支配者なのか?それとも・・。仮説や推論は無数に広がった。
案外下らない意味かも知れないが・・真実は歴史の彼方に消えた。
この長く昏い昏い世界に変容させた天禍一族は多くの者に憎まれ、多くの者に愛される象徴になった。
膨大な歴史の中に刻まれる存在である。
天禍は、血と殺戮と闘争を是とし、親子兄第といえども、情を持つことは許されず、実力主義のため、互いに殺し合い、生き延びた者だけが国の一員として認められ、国の一部となる。
まるで国そのものが蟲毒のようであった。権力闘争も暗殺も全て陰惨な戦いは天禍の糧となった。
天禍は、多くの弱者と敗北者の亡骸と血と肉を全て糧とし、咲き誇る大輪の天上の花だった。
のちに、東のキキキと近親憎悪故か、一触即発状態となり、キキキ国が、絶滅寸前に追いやられるまで長い間闘争を
行っていた。およそ100年であろうか。その中で亡くなった人々は数億人にものぼった。
見渡す限りの広大な世界は、夥しい死体の山と喰らいあう獰猛な獣と異臭、血の匂いに満ちた。
そこには一切の情もない真の無慈悲な世界だった。
それに嫌悪を催す者も居れば高揚する者もいる。無感動でいる者もいる。
それぞれに新しい過酷すぎる世界に適応し、生き延びる道を模索し続けた。
その中で、芽が出る者もいるだろう。この世界を創った天禍一族に怨嗟と憤りを持つ者も現れるだろう。
反逆者も出現するだろう。
しかし『救世主』となる器を持った存在は現れなかった。
そして、弾圧され、絶滅寸前に追い込まれた敗残者と廃棄された奴隷たちは極僅かに血を交えて隠れて生き続けた。
復讐に満ち溢れた民たちは、救世主を希求して、それを創造しようと、多くの天才や、鬼才、鬼才たちが集結して
特別な存在を創ろうと己の血と肉を削り、能力を交えては、失敗し、繰り返し実験するあまりにも途方もない作業であった。
奇しくも、全ての元凶である天禍と同じ所業をやっていたのも皮肉な運命であった。
無数の実験と、失敗を重ねて、ある日、唐突にそれは生まれた。
比類なき能力を持つ最高傑作『救世主』が世界にウマレタと息吹をあげた。
陰惨な戦いの果てに輝く命は生まれ、そしてその命によってさらに陰惨な戦いへ人々は導かれる。
果てなき闘争の歴史であった。
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